世界と日本のAIが与える経済への影響(市場規模)の推移と今後の予想成長率

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本記事について

最近はAIを用いた画像、音楽、動画等の作成が一般的になってきました。

その中で実際に使用されるツール(ChatGPTやStable Diffusion等)については知っている人も増えてきたのではないかと思いますが、経済的にAIがどのような位置付けになってきたのかを知る人は少ないのではないでしょうか。

そのため、今回の記事では世界と日本のAIの経済状況(市場規模)の推移や今後予想される成長率等について簡単に解説していきます。

日本のAIの市場規模

先ず日本のAIの市場規模については主に以下の予想がされています。

2022年:38億9,000万米ドル(約6200億円)
2032年:271億2,000万米ドル(4兆3000億円)


つまり、10年で日本のAIの市場規模が約7倍に成長すると見込まれていることになります。

これはあくまで一つの予想にすぎませんので、実際はもっと伸びる可能性もありますし、思ったよりも伸び悩むということもあり得ますが、それでもこれくらいは成長するだろうと期待されているということになります。

2022年の約39億ドルという市場規模は、日本の玩具産業(オモチャ関連)の規模が2020年に38億ドル程度のため、ほぼ同等程度ということになります。

2032年の約271億ドルという市場規模については、日本のゲーム業界の市場規模が2020年に約200億ドルとされているため、ゲーム業界よりも少し大きい水準ということです。

日本の経済全体と比べた場合では、2022年の日本のGDPが約4.3兆ドルであることから、GDPが2032年に大きく変動が無ければ、AI市場は日本のGDPの約0.63%を占める計算になります。

思ったよりも大きくないと感じるかもしれませんが、新興の一つの産業がわずか10年程度でこれほどの規模になるのは、極めて異例の成長速度であるということはご理解ください。

日本のAI市場規模については以下サイトを引用しています。

日本の人工知能(AI)市場動向、シェア |予測レポート2030 (sphericalinsights.com)

世界のAIの市場規模

続いて、世界全体のAIの市場規模についての予想ですが、以下の通りとなります。

2024年:約2,146億米ドル(約33兆4148億円)
2030年:約1兆3,391億米ドル(約208兆5253億円)


つまり、世界全体のAIの市場規模は6年間で約5倍に成長すると見込まれていることになります。

AIの市場規模の成長予測は多数あって、特に世界の市場規模ということになると、かなり不正確な予想が多くなっています。

今回の予想以外にも実際は更に2倍近い成長をすると予想している機関もあるので、あくまで一つの目安として考えてください。

2024年の約2146億米ドルという市場規模は、世界の音楽産業全体やゲーム産業全体とほぼ同じ規模です。

AIが音楽やゲームと同等レベルで日常に普及しているとは言い辛いですが、市場としての規模が近い水準有ると聞くと、かなり大きい市場であることが分かります。

2030年の約1兆3391億米ドルという市場規模は、Amazon等の世界最大規模の企業の時価総額とほぼ同等であり、世界の自動車産業の市場規模が2.2兆米ドルであることを踏まえると、自動車産業の半分以上の規模までAIの市場が拡大するということになります。

日常で自動車が果たしている役割を考えると、その半分までAIの市場が増えるということは、最早AIは日常の生活に欠かすことのできないものという位置付けになっている可能性が高いでしょう。

世界のAI市場規模については以下サイトを引用しています。

人工知能の市場規模と動向、成長分析、予測 [2030] (marketsandmarkets.com)

生成AIの市場規模

AI全体の市場規模については先ほど述べた通りですが、実際AIの中でも特に身近で活用されているものとして「生成AI」と呼ばれる分野があります。

「生成AI」は主にイラストや動画、音楽等をAIに作成してもらう分野であり、この「生成AI」の世界全体の市場規模も以下の通りで予想されています。

2023年:約106億米ドル(約1兆4840億円)
2030年:約2,110億米ドル(約29兆5400億円)


つまり、7年間で生成AIに関しては世界全体で20倍近い水準まで成長すると予想されていることになります。

先述したAI全体の成長速度と比べると、生成AIの分野が比べ物にならないほどに成長すると見込まれていることが分かると思います。

また、生成AIが活用される産業としては、主に「金融」「製造」「流通」「通信・放送」等が中心となると予想されています。

今後は生成AIの精度もドンドン高まるでしょうし、恐らく個人向けの生成AIも爆発的に普及すると考えられます。

そして、それら生成AIを駆使して個人で様々な事業を行う人が増えてくる未来も予想できますので、まだあまり生成AIを使ったことが無いという人は今のうちに慣れておく方が良いと思います。

生成AIの世界需要額の目安は以下サイトを引用しています。

1221-2.pdf (jeita.or.jp)

まとめ

今回はAI界隈の市場規模と今後の予測される成長について解説しました。

AI界隈は世界中で非常に注目されている業界であり、今後の成長も非常に高いものになることは疑う余地がありません。

今回紹介した予測の市場規模は現在の見込みでしかないので、更に転換点となる技術等が生まれれば、見込み以上の成長を遂げることも容易に想像がつきます。

AIは上手く扱えれば多くの人にとって有益なものになると思いますので、ぜひ皆様もAIについて学んでいただければと思います。

ちなみにAI全体の最新概況について別の記事にまとめていますので、そちらも興味があれば閲覧ください。

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。

https://senkohome.com/lateststatus-ai-chatgpt-agi/
人工知能(AI)の最新状況(生成AI、ChatGPT、AGI等)
人工知能(AI)の最新状況(生成AI、ChatGPT、AGI等)について解説するページです。その他にも強いAI、弱いAI、汎用型AI、特化型AI、生成AI、AIの歴史、大規模言語モデル(LLM)、今後のAI界の動向としてAGIやASIについても解説しています。

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