はじめに
本記事はCanvaで簡単にAIマンガを作る方法について解説しています。
尚、本記事で紹介している内容より詳細な手順等については、次の本の中で解説していますので、よろしければ読んでみて下さい。
Kindle Unlimitedに加入している人であれば無料で読めますので。
本記事は「Canvaで簡単に作れるAIマンガ ゼロから始めるマンガ制作」の内容を引用しています。
Canvaで簡単に作れるAIマンガ ゼロから始めるマンガ制作 | センコ | 少女マンガ | Kindleストア | Amazon
AIイラストの著作権問題
AIイラストを使用してマンガを作成するというと、著作権などの問題は無いのか?という疑問を持つ人が多いと思います。
その問題については政府でも多くの議論がされており、少なくとも現在(2024年5月)の段階ではAIイラストは使用しても基本的に大きな問題は無いと判断されています。
ただし、明確に他作品の作風を模倣したものについては二次創作扱いとなる可能性が高く、著作権違反として訴えられる可能性はあります。
そのため、AIイラストを使用する際には他作品の作風等を意図的に付与せずに、完全にオリジナルのイラストを作成するように心がけてください。
そうすれば、AIイラストを使ってオリジナルのマンガを作成しても著作権違反等の問題に問われることは基本的には起こらないと思ってもらって大丈夫です。
ちなみにコミケ等でも良く売られている手書きの二次創作のマンガ等は著作権の観点で言えば違法です。
ただし、著作権というのは著作者が訴えない限りは罰則などが無いため、二次創作に害が無く、宣伝効果の方が高い場合は著作者が訴えないため、罰せられることが無いというのが現状です。
そして、これはAIマンガも同様の扱いとなっており、二次創作をしても恐らく訴える著作者は少ないと思いますが、AIに嫌悪感をいただいている著作者がいた場合は宣伝効果があったとしても訴えられる可能性があります。
なので、先に言ったようにAIイラストは完全オリジナルマンガに利用するようにしましょう。
また、AIが著作者の存在する様々な画像を学習していること自体が違法ではないのかという点も議論されていますが、少なくとも現状は学習とそこから生成されるイラストについては違法ではないと見解が発表されています。
マンガを作るための大きな手順は2つだけ
AIマンガを作るのはとても簡単です。具体的にいうと次の2つの作業だけで作れます。
①AIイラストによるキャラクターを作成する作業
②AIイラストをマンガの形式に編集する作業
それぞれ使用するツールは異なっており、①のAIイラストの生成作業では「Stable Diffusion」を使います。
②のAIイラストをマンガ形式に編集する際の作業では私は「Canva」を使っています。
世の中にはAI関連のツールは色々あるので、別にこの2つを使わなくても問題は無いのですが、私が使った限り、この2つがAIマンガ作成に非常に向いています。
ちなみにマンガ制作については「クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)」のEX版がプロでも使用している本格的なツールとなります。
本気でマンガをゼロから作りたい人であればクリスタを勉強するのが一番ですが、AIマンガを手軽に作ってみたいという人についてはCanvaの方が簡単に使えるので良いと思います。
AIイラストのための環境を準備しよう
AIイラストを作成する際に使うツールとして「Stable Diffusion」を挙げているのには理由があります。
それが、「無料で無制限に使用可能」という点です。
AIイラストは良く高品質な画像が簡単に作られるみたいなイメージで語られますが、かなり玉石混合の出来のイラストが多いのが実情です。
そのため、マンガに使えるイラストを作りたいのであれば、とにかく大量に作成する必要があります。
ですが、大量に作成する際に都度コストが発生するツールであれば、そのコストはかなり重いものになるのは容易に想像できると思います。
それらの理由から、マンガに使うAIイラストは「無料で無制限に使用可能」という点を何よりも重要視する必要があります。
「Stable Diffusion」を使うためには先に「StabilityMatrix」というツールをインストールすることをお勧めします。
この「StabilityMatrix」はAIイラストツールを管理するために使えるツールで、先に導入することで「Stable Diffusion」のための面倒な環境整備がほとんど不要になります。
また、「Stable Diffusion」を導入した後は学習済みの「モデル」と呼ばれるファイルが必要となります。
「モデル」も様々な種類がありますが、「Animagine XL」が私が使った限り、最も安定してマンガ向きのイラストが生成出来ました。
AIイラストを生成してみよう
「Stable Diffusion」でAIイラストを生成する際には「プロンプト」と呼ばれる生成条件を指定する必要があります。
このプロンプトの指定によってどのようなイラストが生成されるかが決まるのですが、マンガに使うためであれば同じキャラクターのイラストが生成されて欲しいと思うはずです。
ですが、実際に試せば分かりますが、同じキャラクターを生成するのは結構難しく、条件を詳細に指定しないと出来ません。
最低でもプロンプトでは、性別・髪型・髪色・目の色・体系・服装を指定しないと同じキャラクターが生成されることはありません。
というか、どれだけ細かく指定しても同じキャラクターのようなイラストが生成される確率は高くないので、とにかく数を大量に生成して気に入ったものを選んでいく必要があります。
また、プロンプトとは別に「ネガティブプロンプト」というものもあります。
これはプロンプトとは逆で「この要素を持ったイラストは生成しないで」という条件になります。
ネガティブプロンプトを細かく指定しなくても大量に生成して気に入ったものを選べば良いだけではあるのですが、試行回数を減らせるので指定しておくのが無難です。
Canvaでマンガの形式に整えよう
AIイラストが一定作れれば後はマンガ形式に編集するだけです。
私が使っている「Canva」ではマンガ形式に編集するために使える便利な機能が揃っています。
まず、AIイラストは見切れて生成されることが多いので、「マジック拡張」を使えばAIが自動で見切れた部分を補完してくれます。
マンガ形式に編集する際にAIイラストの背景が邪魔となることが多いのですが、そういった場合は「背景除去」を使えばAIが自動で背景を除去してくれます。
また、マンガとして使う際にイラストの向きを逆にしたいという場合は「水平反転」という機能を使うことで簡単にイラストの向きも変えれます。
最後にCanvaの素材から吹き出しを選択してAIイラストの横に配置してあげれば、あたかもキャラクターが話しているようなマンガ形式に編集できてしまいます。
本ではもっと詳細に手順を公開していますが、マンガを作るのに必要なこれらの機能さえ覚えておけば、簡単にCanvaでマンガが作れるようになります。
Kindleに出版してみよう!
Canvaでマンガを作った人はそこで終わりにせずに、ぜひ出版もしてみましょう!
出版というと大変なことのように感じる人も多いかもしれませんが、Kindleであれば無料で簡単に出版することが出来ます。
出版方法については以下の記事にまとめていますので、マンガを自分で作った後は出版して多くの人に見てもらってコメントを貰うのが良くも悪くも良い経験になると思います。
まとめ
本記事はCanvaで簡単にAIマンガを作る方法について解説しました。
AIは発展の目覚ましい分野でこの記事を書いている間にも次々に新しい技術が生まれています。
その中でもAIイラストは特にクリエイター等に大きな影響を与えている技術であり、このAIイラストを使えば誰でもマンガ家になれる時代となりました。
もちろん、手書きの漫画家のように極めようと思えば多くのことを学ぶ必要はありますし、何作も作って経験を積まなければ、品質の高い作品を作れるようにはならないでしょう。
それでも、これまで一切マンガを描いたことが無い人でも1日でマンガが作れるようになったというのは本当に技術の進歩は凄いと感じています。
Canvaというツールも本来的にはマンガ制作に向いたツールではありませんが、AIイラストとの相性が非常に良く、やり方さえ理解していれば簡単にマンガが作れるのはとても大きいです。
今後Canvaを知らなかったという人達もマンガ制作を通じて、もっとCanvaのことを知って使うようになってもらえると嬉しく思います。
また、以前に初心者向けのCanvaの基本機能の解説記事も以下に載せておきますので、興味があれば閲覧いただけるとよりCanvaのことが分かると思います。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
【Canva入門】初心者向けの使い方、生成AI機能、無料版と有料版の違い等 – センコの活動記録 (senkohome.com)
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