SBI証券で購入可能なオススメの外国株、一番値上がりしそうな国はどれかを検証

外国株

本記事について

本記事はSBI証券で購入可能な外国株の中でどの国の銘柄が一番将来有望かについて解説します。

2024年1月に新NISAが始まってから、投資に挑戦してみようという人が増えてきていると思います。

多くの人はオルカンやS&P500といったインデックス指数に連動した投資信託を買っているようですが、本当にその判断は適切なのでしょうか?

それら商品は確かに非常に安定はしていますが、値上がり幅については程度が知れており、どれだけ世界や米国が好調でも数%程度の上昇率です。

その一方で成長著しい国の将来有望な企業であれば、数年で倍以上に株価が高騰する可能性も十分にあります。

もちろん、それは非常に運が良かった場合の話なので、基本的には安定したオルカン等の商品の方が万人に勧めることが出来るのは事実なのですが。

という訳で今回の記事は、安定よりも高いパフォーマンスを期待して、外国株を買ってみたいがどの国が一番将来性が有るのか分からないといった人に向けています。

SBI証券では2024年3月時点で9カ国の外国株が購入できますので、それら国の経済的な伸び率(GDP成長率)や株式市場の上昇率(インデックス指標の推移)を確認しながら、どの国の銘柄が今後一番値上がりする可能性が高いかについて見ていきたいと思います。

本記事を読んで皆さんも外国株の購入も検討対象の一つにしていただければと思います。

SBI証券で購入可能な外国株の一覧

先ずはSBI証券で購入可能な外国株について解説していきます。

SBI証券の「外国株式」に関する公式ページに行けば分かる通り、SBI証券では以下9つの国の外国株を購入できます。

具体的に購入可能な国と2024年3月時点で購入可能な銘柄数を以下に記載します(公式ページで検索条件指定無しで出てきた銘柄数)。

・米国(約5176銘柄)
・中国(約1312
・タイ(約77銘柄
・マレーシア(約42銘柄
・シンガポール(約49銘柄
・ロシア(約28銘柄※戦争中のため取引不可
・韓国(約74銘柄
・ベトナム(約290銘柄
・インドネシア(約74銘柄
一番銘柄数が充実しているのはダントツで米国株なので、基本的に外国株といえば米国株と考えている人も多いと思います。

ちなみに日本の上場株は2024年3月時点で約3900銘柄となっていますので、実は購入可能な銘柄数は米国株の方が多いんですよね。

他の国であれば中国がやはり多いですが、それ以外の国は取り扱っている銘柄数からも分かる通り、購入できる企業はかなり限定的です。

とは言え、各国の購入可能銘柄はいずれも信頼性の高い大企業が多いので、購入時に凄く困るという程でも無いとは思います(選択肢が多い方が良いのは事実ですが)。

まぁ、日本よりも経済的に小さい国の小さい企業を宝くじ代わりに買っておきたいという人も居るかも知れませんが、そういうのは難しいということですね。

SBI証券で購入可能な外国株の経済成長率

では購入可能な国の解説を終わったところで、次はそれぞれの国の経済成長率(GDP成長率)がどの程度かを確認していきたいと思います。

企業の株価というのは基本的に各企業の業績が上がれば、連動して株価も上がるのが普通です。

そして、国の経済成長が好調のときは、企業単位の問題が無ければ、本来的には企業の業績も伸びることが多くなります(そもそも国の成長は企業の成長があるからとも言えるので)。

そのため、国単位の経済成長が長期的にどのように推移しているのかを確認することで、その国と属する企業の成長が今後どの程度になるかを一定予想できます。

SBI証券で購入可能な外国株の経済成長率(実質GDP成長率の推移)

World Economic Outlook (October 2023) – Real GDP growth (imf.org)
という訳で海外のサイトから、SBI証券で購入可能な9カ国に日本と世界平均を追加して比較したのが上記のチャートです。

見た感じ、全部同じような動きをしているように見えますね。唯一ロシアが近年で結構落ちているのが分かるくらいでしょうか。

これだと全く分からないので、直近10年分について具体的な数字を落としてきて表に加工しました。
一番右の過去10年間の平均で色を付けている国が世界平均と同等以上の経済成長を示している国です。

国名を上げると、中国、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアの5カ国が世界平均よりも高い経済成長を長期的に維持しています。

意外にもアメリカは世界平均よりも経済成長の伸びは高く無いんですよね(米国は絶好調というイメージでしたが)。

そして経済成長の最下位はある意味予想通り、日本でした。

流石に戦争を始めたロシアには勝っているだろうと思っていたのですが、我らが日本は世界的に見ると経済的には想像以上に厳しい環境ということですね。

この結果から外国株を買うのであれば、経済成長著しい上記5カ国がオススメという話になるのですが、実際経済成長と株価というのは完全に相関する訳では有りません。

実際、日本は経済成長率はかなり低い値となっているのにも関わらず、この10年間で各企業の株価は大幅に増大しました。

そのため、次は各国における株式市場のインデックス指標値の推移を見ながら、更に分析を深堀りしていきたいと思います。

それぞれの国の株式市場の推移

それでは次は実際に各国の株式市場がどのように推移しているのかを見ていきたいと思います。

この推移を見ることで長期的にどの国の株式市場が伸びているのか、それとも伸びていないのかが分かるようになります。

先に確認した経済成長が高い国であっても、国自体が株式投資に何らかの規制を掛けていたり、そもそも資金が未だ投資に向かう段階で無ければ、株式市場は伸びません。

そして、株式市場全体が伸びていなければ、それぞれの国に属する企業の株価も同様に大きく向上する可能性は低くなると考えます(市場全体の恩恵を受けれないため)。

また、個人的には経済成長の低い国が株式市場だけ大きく伸びている場合は、投資のマネーゲームが過熱していると考えられるので、投資するにはリスクが少し強いようには感じます。

それでは、SBI証券で購入可能な9カ国+日本の株式市場の推移について次から見ていきたいと思います。

ちなみに、一つのチャートにまとめられれば楽だったのですが、そういう操作に対応できるツールが探しても無かったので、一つ一つの国ごとに見ていきます。。。

日本

日本の株式市場の推移は「TOPIX」を見て確認していきます(日経平均は特定銘柄への依存度が強いため指標としてはイマイチ)。

10年前は1200前後だったのにも関わらず、2024年3月時点では2800前後で推移しています。

つまり、この10年間で日本の株式市場は約2.3倍に成長しています。

ここまで市場の伸びが圧倒的だと、恐らく多くの企業が10年前と比べて株価は2倍程度にはなっているでしょう。

しかし、先に述べた通り、経済成長率については日本は今回紹介する国の中で最下位のため、株式市場だけが不自然に急成長していることになります。

この理由については金融異次元緩和政策の影響が非常に強いのでしょうが、今後は政策の出口戦略の議論に入ってくるため、今後の見通しはそこまで明るいようには思えません。

米国

米国の株式市場の推移は「S&P500」を見て確認していきます。

10年前は2000前後だった指数が、2024年3月時点では5200前後で推移しています。

こちらも日本とほぼ同じく、この10年間で米国の株式市場は約2.6倍に成長したと言えます。

米国については日本よりも経済成長があったとは言え、それを踏まえても株式市場の成長率は不自然な程に高いです。

明確な理由は判別つき辛いのですが、米国については経済の中心であり、最新技術関連の企業も多いことから、富裕層からの資金が集中しやすかったのではないかと考えています。

この10年間は米国の時代と言われる程に人気を集めましたが、実体経済との乖離が大きいことを考えると、今後の10年間が明るいものとなるかは私は少し懐疑的です。

中国

中国の株式市場の推移は「上海総合指数」を見て確認していきます。

10年前は2000前後だった指数が、2024年3月時点では3050前後で推移しています。

そのため、中国の株式市場はこの10年間で約1.5倍に成長したと言えます。

中国の経済成長率を考えれば、妥当な株式市場の成長率という感じでしょうか(もう少し株式市場は伸びても良いとは感じますが)。

しかし、2015年から2016年にかけて5000を超えるほど暴騰したタイミングもあり、そういったバブル崩壊のような状況があったにも関わらず、持ち直しているのは中国の底力を感じます。

中国は政治的に不安要素の強い国ですが、正直他の国も最近は政治的に怪しいところが大半なので、そこまでのマイナス要因ではない気はしています。

とは言え、急に国の方針転換があっても不思議ではないので、そういった地政学リスクを許容出来るのであれば、比較的順当な成長をしている中国株は割とオススメだと思います。

今後も経済成長を続けられればの話ではありますが・・・。

タイ

タイの株式市場の推移は「SET指数」を見て確認していきます。

10年前は1300後半だった指数が、2024年3月時点では1300後半で推移しています。

つまり、タイはこの10年間で株式市場は全く成長していないということです。

経済成長も世界平均と比べても低い水準ですので、今後の経済的成長による影響もそこまで期待できなさそうです。

そのため、タイ株に投資するメリットが正直全く思い浮かびません。

国として好きな人は投資しても良いと思いますが、投資にそういった感情を持ってくるのは個人的には控えたほうが良いとは思います。

マレーシア

マレーシアの株式市場の推移は「クアラルンプール総合指数」を見て確認していきます。

10年前は1900前後だった指数が、2024年3月時点では1500前後で推移しています。

そのため、マレーシアはこの10年間で約0.8倍に株式市場が縮小したということになります。

この原因について私はマレーシアにあまり詳しくないのでわからないのですが、過去のニュースを調べている限りでは政情不信が原因のように見えます。

完全に政情不信が解決しているのかはよく分かりませんが、株式市場は2023年後半から改善の兆しが見えます。

政情不信の間も経済成長は順調に続いていたマレーシアですので、もしかしたらこの後は一気にこれまでの割安となっていた企業が再評価される可能性はありそうです。

ただ、地政学リスクが高い国であることは事前に理解しておいたうえで投資はするようにしたほうが良いかと思います。

シンガポール

シンガポールの株式市場の推移は「ストレーツ・タイムズ指数」を見て確認していきます。

10年前は3200前後だった指数が、2024年3月時点では3200前後で推移しています。

つまり、シンガポールもタイと同じく、この10年間で株式市場は全く成長していないということです。

経済成長は世界平均とほぼ同等であり、金融ハブとして国際的に人気の高い国でありながら、ここまで指数が伸びないのは少し違和感があります。

ただ、シンガポールは国と言っても実際は一つの都市(東京よりも少し広い)でしかないので、企業の成長余地があまり無いという可能性はあります(企業数も他の国よりも圧倒的に少ない)。

そのため、シンガポールも投資対象としてみた場合にそこまで魅力は無いように思います。

ロシア

ロシアの株式市場の推移は「RTS指数」を見て確認していきます。

10年前は1000前後だった指数が、2024年3月時点では1100前後で推移しています。

このことから、ロシアはこの10年間で約1.1倍に株式市場が成長したと言えます。

まぁ、地政学リスクがあまりにも高すぎるのと、経済成長の低さ、株式市場の成長の低さを見れば、投資するメリットは正直無いと思います。

ちなみにロシア株はウクライナとの戦争の影響で現在でも購入不可ですので、これ以上詳しくは解説しません。

韓国

韓国の株式市場の推移は「KOSPI指数」を見て確認していきます。

10年前は2000前後だった指数が、2024年3月時点では2700前後で推移しています。

そのため、韓国はこの10年間で約1.3倍に株式市場が成長したと言えます。

経済成長率的に考えて妥当な成長具合には見えますが、10年でこの程度だと投資対象としてはそこまで期待することは出来ないかもしれません。

2021年代には一時的に3000以上に指数が上昇しているタイミングも有るので、そういったタイミングを見極めて売れれば悪くはないかもしれませんが、難易度は少し高そうです。

投資対象としては絶対に無しと呼べるほど酷くはないですが、あえて投資する必要が有るかと言われると若干微妙な国かなとは感じます。

ベトナム

ベトナムの株式市場の推移は「VN指数」を見て確認していきます。

10年前は600前後だった指数が、2024年3月時点では1300前後で推移しています。

そのため、ベトナムはこの10年間で約2.1倍に株式市場が成長したと言えます。

経済成長率は中国に次ぐ高さで、株式市場の成長は日本や米国に近い水準で高く、経済成長よりも更に力強く伸びています。

ベトナムは中国と同じく共産主義の国ですが、共産党の力は中国ほど強くもなく、比較的安定した政治・経済状況という印象です。

更にIT系にも力を入れていて、多くのIT人材を日本にも排出しています。

こういった強い経済成長率、株式市場の成長率、地政学リスクの低さ、IT等のトレンド企業の台頭し易い土壌となっており、外国株の中では特にオススメ出来る国です。

インドネシア

インドネシアの株式市場の推移は「ジャカルタ総合指数」を見て確認していきます。

10年前は4600前後だった指数が、2024年3月時点では7300前後で推移しています。

そのため、インドネシアはこの10年間で約1.6倍に株式市場が成長したと言えます。

経済成長率は世界平均よりも高く、株式市場も妥当な推移で成長していっているように見えます。

インドネシアは中国の影響を強く受けているようで政治的にはそこまで安定しておらず、またこれから20年近く掛けて首都を移転するようでその影響も未知数です。

まぁ、首都移転については前にインドネシアの知り合いと話した時は、行政は移転されるけど、経済の中心地はジャカルタのままになると思うと言っていたので大きな影響はないかも知れません。

まとめ

SBI証券で取引可能な国について、今回の記事で調べた結果を以下の表に整理しました。
この表のオレンジ色にしているセルは世界平均より同等以上の値となっているものです。

経済成長率については、前述した通り中国、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアの5カ国が世界平均よりも高い経済成長を長期的に維持しています

株式市場の成長率はMSCI Worldの10年間の成長が約2.0倍だったので、それと比較すると日本、米国、ベトナムの3カ国が世界平均よりも高い株式市場の成長を見せました。

本質的には株価というのは経済成長に比例することが多いはずですが、近年は経済成長と直接的な相関は見せないような動きが多いように感じます。

その顕著な例が日本と米国の2カ国で、この2カ国は経済成長の割には株式市場だけが異常なほどに吊り上がっていることが分かります。

だから今はバブル状態で崩壊間近だとかは一概に言えないのですが、他の国と見比べた場合にかなり不自然な成長ということです。

とは言っても短期的な話であれば、日本や米国の株式市場の成長は魅力的だと思いますので、手早く稼ぎたいという人にはこの2カ国は割とオススメ出来ます。

バブルリスクが怖いという人は他の経済成長と連動している国が良いと思いますが、一番オススメできるのは、強い経済成長率と株式市場の成長を兼ね揃え、地政学リスクも低めで、IT等のトレンド企業の台頭し易い土壌となっている、ベトナムが特にオススメ出来る国です。

次点で中国とインドネシアの2カ国でしょうか。この2つも経済成長と株式市場の成長が高く連動しているため、今後にかなり期待は出来ると思います。

今回の記事はここまでにしたいと思います。

本来であれば基軸通貨であるドルと比べて通貨安が進むかどうか等も判断材料とすべきですが、そういった観点を含めた分析は次回以降にしたいと思います。

次回はそれぞれの国にフォーカスして、それぞれの国で伸びている業界、株のトレンド等についてもう少し詳しく見ていきます。

また、過去にSBI証券で新NISAを始める方法について記事にしていますので、興味があれば合わせて閲覧ください。

それでは本記事を閲覧頂きありがとうございました。次の記事も閲覧いただけますと幸いです。

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