【書評・要約】『ファクトフルネス(FACT FULNESS)』の概要と教えの解説

レビュー

『ファクトフルネス(FACT FULNESS)』の意味と概要

『ファクトフルネス(FACT FULNESS)』という言葉を知っている人はいるでしょうか?

この言葉はスウェーデン人の医師であり、統計学者でもあるハンス・ロスリング氏が生み出した言葉であり、この言葉をタイトルとして名付けられた本が世界的なベストセラーとなりました。

この本の著者はハンス・ロスリング氏とその息子であるオーラ・ロスリング氏、そしてオーラ氏の妻であるアンナ・ロスリング氏の3名となっています。

ファクトフルネスは「ファクト(事実)」+「フル(満ちている)」+「ネス(状態)」という言葉を続けたものであり、直訳としては「事実に満ちている状態」となります。

ですが、実際に使われる場合としては「事実に基づいて世界の現状を正しく見ること」ことを意味していると言われています。

そして、この『ファクトフルネス(FACT FULNESS)』という本が伝えていることも要約してしまえば、「事実に基づいて世界の現状を正しく見れるようになろう」となります。

そして具体的に事実に基づいて世界の現状を正しく見るというのが、どういうことなのかについて、13個のクイズと10個の思い込み(本能)を挙げたうえで、本の中で解説しています。

本記事は『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』の内容を引用して執筆しております。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 | ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド, 上杉 周作, 関 美和 |本 | 通販 | Amazon

13個のクイズ(出題)

それでは実際に書籍の冒頭にもある、13個のクイズを解いてみましょう。回答については全部のクイズが終わった後に付けています。

尚、分からなくても勘でとりあえず答えてみてください。

質問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

A 20% B 40% C 60%

質問2 世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A 低所得国 B 中所得国 C 高所得国

質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

A 約2倍になった B あまり変わっていない C 半分になった

質問4 世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A 50歳 B 60歳 C 70歳

質問5 15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?

A 40億人 B 30億人 C 20億人

質問6 国連の予測によると、2100年にはいまより人口が40億人増えるとされています。人口が増える最も大きな理由は何でしょう?

A 子供(15歳未満)が増えるから B 大人(15歳から74歳)が増えるから C 後期高齢者(75歳以上)が増えるから

質問7 自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?

A 2倍以上になった B あまり変わっていない C 半分以下になった

質問8 現在、世界には約70億人の人がいます。次の地図では、人の印がそれぞれ10億人を表しています。世界の人口分布を正しく表しているのは3つのうちどれでしょう?
質問9 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?

A 20% B 50% C 80%

質問10 世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?

A 9年 B 6年 C 3年

質問11 1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物はいくつでしょう?

A 2つ B ひとつ C ゼロ

質問12 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?

A 20% B 50% C 80%

質問13 グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?

A 暖かくなる B 変わらない C 寒くなる  

13個のクイズ(回答)

全てのクイズの回答を自分なりに出せたでしょうか?それでは、13個のクイズの回答について以下に載せていきます。

答えが赤字になっているものが正しい答えとなります。

質問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?

A 20% B 40% C 60%

質問2 世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

A 低所得国 B 中所得国 C 高所得国

質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?

A 約2倍になった B あまり変わっていない C 半分になった

質問4 世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A 50歳 B 60歳 C 70歳

質問5 15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?

A 40億人 B 30億人 C 20億人

質問6 国連の予測によると、2100年にはいまより人口が40億人増えるとされています。人口が増える最も大きな理由は何でしょう?

A 子供(15歳未満)が増えるから B 大人(15歳から74歳)が増えるから C 後期高齢者(75歳以上)が増えるから

質問7 自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?

A 2倍以上になった B あまり変わっていない C 半分以下になった

質問8 現在、世界には約70億人の人がいます。次の地図では、人の印がそれぞれ10億人を表しています。世界の人口分布を正しく表しているのは3つのうちどれでしょう?
質問9 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?

A 20% B 50% C 80%

質問10 世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?

A 9年 B 6年 C 3年

質問11 1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物はいくつでしょう?

A 2つ B ひとつ C ゼロ

質問12 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?

A 20% B 50% C 80%

質問13 グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?

A 暖かくなる B 変わらない C 寒くなる  

クイズの正解率(科学者とチンパンジーとあなた)

クイズをやってみてどのような結果になったでしょうか?

著者がわざわざ始めにクイズとして問題として出したのは、あなたが現在どれだけ世界の事実を把握しているのかを問うためのものです。

このクイズは著者が世界中の各国で活躍している人々に実施してきたものであり、医学生、教師、大学教授、科学者、銀行のエリート、ジャーナリスト、政界のトップ等の高学歴の人々に対しても行ってきたとしています。

そして、どんなに優秀な人達でもこのクイズの結果は低く、平均点としては12問中2問の正解だったとされています。※1

※1:問13の温暖化の問題は86%の人が正解したので除外している

もし、このクイズを何も分からないチンパンジーに解かせてみたとしたら、正しい回答を選ぶ確率は33%のため、12問中4問正解することになります。

つまり、世の中の優秀と言われている人々ですら、チンパンジーに負けているのです。

これらのことから、世の中の人々は世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えていることが分かります。

なぜこのような勘違いが起きるのか。知識の不足?古い知識をアップデート出来ていない?メディアの報道のせい?

著者であるハンス氏も最初はそれらを疑ったが、様々な経験を通す中で最終的にそういった問題ではないことが分かったとしています。

多くの人々は次のような先入観を持ってしまっています。

「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」

ですが、現実は世界の大部分の人はすでに中間取得層に属しており、女の子も学校に行くのが普通だし、子供はワクチンを接種するし、休みには外国に観光にも行っている。

時を重ねるごとに世界は良くなっている。何もかもが毎年改善するわけではないし、課題も山積みなのは事実だけど、人類が大いなる進歩遂げているのは間違いない。

これが「事実に基づく世界の見方(ファクトフルネス)」です。

クイズで最もネガティブで極端な答えを選ぶ人が多いのは、「ドラマチックすぎる世界の見方」が原因だとハンス氏は述べています。

この「ドラマチックすぎる世界の見方」は人間の脳が何百万年にもわたる進化の中で生み出した本能の一つであり、変えるのはとても難しい。

ファクトフルネスという本では人間が持つドラマチックな10種類の本能を体系化し、その本能をどう認識して、そしてどう抑えれば良いのかを伝えてくれています。

そして、それらを毎日の習慣に取り入れていくことで、本当の意味であなたは事実に基づいて世界を見ることが出来るようになる、それがこのファクトフルネスという本の目的となります。

10の思い込み(10の本能)

ここからは本で語られている10の思い込み(10の本能)について解説していきます。

先ず、10の思い込みがそれぞれどういったものかについて一覧にします。
  1. 分断本能:「世界は分断されている」という思い込み
  2. ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
  3. 直線本能:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
  4. 恐怖本能:危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
  5. 過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
  6. パターン化本能:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
  7. 宿命本能:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
  8. 単純化本能:「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
  9. 犯人捜し本能:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
  10. 焦り本能:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
これら10の思い込みがそれぞれどういったものなのかについて、次に解説していきます。

実際の著書ではそれぞれの思い込みについてかなり詳細かつ長文で解説されているのですが、本記事では概要のみを解説します。

もし詳細な内容を知りたいのであれば、書籍を購入して読んでいただく方が良いかと思います。

分断本能

分断本能:「世界は分断されている」という思い込み

分断本能は、世界を「豊か」と「貧しい」、「先進国」と「発展途上国」のように単純に二分する傾向のことです。

これは人々が、極端な対比によって複雑な現実を簡単に理解しようとする自然な心理から来ています。

しかし、実際には多くの国が中間層に位置し、経済や社会的な発展の度合いは多様です。

例えば、収入の分布を見てみると、極端な貧困や極端な富裕層の割合はかなり少なく、その間に広がる多くの中間層が圧倒的多数を占めています。

しかし、私たちの認識はこれを無視し、「アフリカはすべて貧しい」「ヨーロッパはすべて豊か」といった二元論に陥りがちです。

この二分化した見方は、実際のデータや現実を正確に反映していないため、誤解や偏見を助長しています。

分断本能を克服するためには、データを細かく分析し、中間層や多様な側面を理解することが重要です。

例えば、収入や健康状態、教育水準などの指標を細分化して見ると、世界の多くの国々が段階的に発展していることがわかります。

これにより、世界の理解がより正確になり、政策や意思決定がより適切に行われるようになります。

ネガティブ本能

ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

ネガティブ本能は、悪いニュースやネガティブな情報に対して過度に敏感になり、世界がどんどん悪くなっていると感じる傾向です。

この本能は、メディアが印象的な悪いニュースを優先して報道することによって助長されています。実際には、多くの面で世界は改善されているのに、私たちはそれを見逃しがちです。

例えば、グローバルな貧困率は過去数十年間で大幅に減少しており、平均寿命は延び、識字率も向上しています。

しかし、テロ攻撃や自然災害、犯罪といったネガティブなニュースが頻繁に報道されることで、私たちは世界が危険で悪化していると誤解してしまいます。

ネガティブ本能を克服するためには、長期的なデータとポジティブな進展に目を向けることが必要です。

例えば、健康、教育、経済成長といった分野での長期的な改善を認識することが重要です。

これにより、私たちは現実をよりバランスよく理解し、希望を持ちながらも現実的な視点を保つことができます。

直線本能

直線本能:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み

直線本能は、物事が直線的に進行し続けると信じる傾向です。

例えば、人口増加が永遠に続く、経済成長が一定のペースで進むと考えがちです。しかし、実際には多くの成長や変化は直線的ではなく、複雑なパターンを持っています。

人口増加について考えると、過去のデータから直線的に予測すると、世界の人口は無限に増加し続けるように見えます。

しかし、実際には出生率の低下や都市化、教育水準の向上などにより、人口増加のペースは減少しています。

これを理解するためには、直線的な思考を超えて、データのパターンや変動要因を考慮する必要があります。

経済成長も同様です。ある国の経済が一定のペースで成長していると仮定すると、未来の予測が過剰に楽観的または悲観的になることがあります。

実際には、経済は様々な要因によって変動し、直線的な成長を続けることは稀です。この本能を克服するためには、複数のシナリオを考慮し、変化の要因を理解することが重要です。

恐怖本能

恐怖本能:危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み

恐怖本能は、恐怖を感じる出来事や物事に対して過剰に反応し、頻度や影響を過大評価してしまう傾向です。

メディアが印象的な報道をすることで、この本能が強化されます。実際には、恐怖を感じる出来事の多くは稀であり、統計的に見るとリスクは低いことが多いです。

例えば、飛行機事故やテロ攻撃はニュースで大きく取り上げられますが、実際にはこれらの出来事の発生率は非常に低く、日常生活で遭遇するリスクは極めて小さいです。

しかし、私たちはこれらのニュースに過敏に反応し、飛行機を避けたり、旅行を控えたりすることがあります。

この本能を克服するためには、冷静にデータを分析し、リスクを客観的に評価することが重要です。

例えば、交通事故と飛行機事故の発生率を比較すると、車の方が遥かに危険であることがわかります。

このように、データに基づいた判断をすることで、恐怖に基づく過剰な反応を避けることができます。

過大視本能

過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

過大視本能は、物事の規模を過大評価したり、逆に過小評価したりする傾向です

大きな数字や出来事に目を奪われ、全体像や比例感を見失いがちです。この本能は、ニュースや報道で大きく取り上げられる出来事に対して特に強く現れます。

例えば、大規模な自然災害の被害額に驚くことがよくあります。

しかし、それがGDPに占める割合や、他の国との比較を考慮すると、その影響は予想よりも小さいことがあります。

また、ある国の一部で起きた出来事が、その国全体を代表するかのように報道されることがありますが、実際には限定的な影響しかないこともあります。

この本能を克服するためには、データの文脈や比例を理解することが重要です。

例えば、被害額だけでなく、それが経済全体に与える影響や、他の事例との比較を行うことで、より正確な理解が得られます。

また、報道される数字や事例を鵜呑みにせず、その背後にある全体像や背景を考慮する習慣を持つことが大切です。

パターン化本能

パターン化本能:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み

パターン化本能は、少数の例から全体を判断する傾向です。文化や国についてのステレオタイプがこの本能を助長します。

例えば、特定の国の少数の犯罪例からその国全体が危険だと判断することです。この本能は、偏見や誤解を生み、正確な理解を妨げます。

ある国で観光客が犯罪に巻き込まれたというニュースが報道されると、その国全体が危険だと感じてしまうことがあります。

しかし、統計的にはその国の犯罪率が低いこともあります。このように、限られた例から全体を判断することは誤りを招きます。

この本能を克服するためには、多様な視点とデータを考慮し、偏見を排除する努力が必要です。

例えば、旅行先の安全性を評価する際には、個別の事件ではなく、全体の犯罪統計や地元の情報を参考にすることが重要です。

また、ステレオタイプに基づく判断を避け、多様な情報源からの情報を統合して理解することが求められます。

宿命本能

宿命本能:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

宿命本能は、物事が持っている宿命は変わらないと信じる傾向です。

例えば、「貧しい国はいつまでも貧しい」といった固定観念です。しかし、歴史を振り返ると、多くの国が劇的に変化し、発展を遂げてきました。

この本能は、現状維持を前提とした政策や見方を生み、変革の可能性を無視するリスクがあります。

韓国やシンガポールは数十年前には貧困国とされていましたが、現在では高度に発展した国となっています。

このような事例は、経済や社会の変化が可能であることを示しています。

しかし、運命本能によって、現在の状況が永遠に続くと信じてしまうと、変革のための努力や政策が不十分になることがあります。

この本能を克服するためには、歴史的な事例や長期的なトレンドを学び、変化の可能性を認識することが重要です。

例えば、教育や技術革新がどのように国や地域の発展に寄与してきたかを理解することで、未来に対する希望と現実的な期待を持つことができます。

また、固定観念にとらわれず、柔軟な思考を持つことが必要です。

単純化本能

単純化本能:「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み

単純化本能は、複雑な問題を単一の視点や原因で説明しようとする傾向です。

例えば、貧困問題を教育の不足だけで説明することです。この本能は、包括的な解決策を見逃し、問題の全体像を理解する妨げとなります。

本質的に貧困問題を解決するためには、教育だけでなく、経済成長、医療、インフラ整備、社会保障など多岐にわたるアプローチが必要です。

しかし、単一の視点にとらわれると、他の重要な要素を見逃しがちです。このような視点の狭さは、効果的な解決策を見つけるのを妨げます。

この本能を克服するためには、多面的なアプローチを取り入れ、複数の視点から問題を検討することが重要です。

例えば、政策策定においては、専門家や利害関係者からの多様な意見を取り入れ、問題を多角的に分析することが求められます。

また、複雑な問題を理解するために、データや事例を幅広く収集し、総合的な判断を行うことが必要です。

犯人捜し本能

犯人捜し本能:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み

犯人捜し本能は、問題が発生した際に特定の個人やグループを責める傾向です。

例えば、経済危機を特定の政治家や企業のせいにすることです。しかし、多くの問題は複合的な原因によるものであり、構造的な理解と対策が求められます。

経済危機は市場の動向、政策の失敗、国際的な要因など複数の要因が絡み合って発生します。

ですが、犯人捜し本能によって、私たちは簡単に理解しやすい個別の原因に焦点を当てがちです。これにより、問題の全体像や根本原因を見失い、効果的な解決策を見つけるのが難しくなります。

この本能を克服するためには、問題を多角的に分析し、複数の要因を考慮することが重要です。

例えば、経済問題を理解する際には、専門家の意見を参考にし、データを多方面から検討することが求められます。

また、責任の所在を特定することだけでなく、問題解決のための具体的な行動を重視することが必要です。

焦り本能

焦り本能:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

焦り本能は、すぐに行動を起こさなければならないという感覚に駆られる傾向です。緊急性を強調するメディア報道や、時間制約を感じる状況がこの本能を強化します。

冷静な分析や計画を行う時間を確保することが重要で、過度な焦りは誤った判断や行動を引き起こすことがあります。

例えば、パンデミックの初期段階での対応は急を要しますが、冷静なデータ分析と計画が不十分だと、不適切な対策やパニックを引き起こすことがあります。

焦り本能によって、短期的な解決策に固執し、長期的な視野を見失うことが多いです。

この本能を克服するためには、状況を冷静に評価し、十分な情報を基に判断を行うことが必要です。

緊急事態でも冷静な分析を行い、専門家の意見を取り入れた上で、計画的な対応をすることが求められます。

また、焦りを感じたときには、一度立ち止まり、長期的な影響を考慮することが重要です。

最後に

本記事を閲覧頂きありがとうございました。

『ファクトフルネス(FACT FULNESS)』は世界中でベストセラーとなっていることもあり、誰が読んでも新鮮な内容ではないでしょうか。

特に最初のクイズを初見でやってみた人であれば、恐らく正解率はかなり低いものとなっているのはほぼ間違いないと思います。

この本が伝えているように人は事実よりも世界は悪いものとして認識していますが、現実はむしろ世界は良くなっているのがデータから分かります。

もちろん、ミクロの視点で見た場合には権力者の汚職は世界中で行われており、戦争が起きている地域もあり、まだまだ貧困に苦しむ人が居るのも一つの事実です。

ですが、過去と比べた場合はいずれも改善に向かっていることを忘れないでください。

そして、今後皆さんが実生活を送る中でネガティブな情報を得た場合には、それについて主観のみで考えずに、客観的なデータに基づいて判断出来るようになれば、本書籍で著者が伝えたいことが実践出来るようになっていると思います。

最後まで本記事を読んでいただきありがとうございます。他にも以下のような本の記事も執筆していますので、興味があれば閲覧ください。

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。

【書評・要約】「バフェットの財務諸表を読む力」から学ぶ、永続的に株価が上がり続ける銘柄の特徴 – センコの活動記録 (senkohome.com)

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