投資の基礎知識(株、暗号資産、新NISA、投資信託、オルカン等)

投資

投資の基礎知識を解説

最近は新型NISAも始まり、これまで投資をしてこなかった人達も続々と市場に参加し始めていると思います。

本記事では既に投資に参加している人もこれからやってみたいというけど不安が有るという人でも投資界隈の基礎知識と最新状況が何となくでも理解出来る様になることを願って執筆しています。(本記事執筆時点の2024年1月の最新状況)

内容としては全体的な概況とその意味や考え方等を主に解説し、専門的な内容にはあまり触れないようにはしているので、初心者の方でも安心して閲覧ください。

また、特に皆さんが興味あるであろう株やビットコイン等の暗号資産、投資信託等の投資対象だけでなく、新NISA等の制度についても簡単に触れていきたいと思います。

そもそも投資はすべきか?

本記事を閲覧している時点で投資に興味があるのは間違いないと思いますが、投資初心者の方は「そもそも投資って本当にした方が良いの?危険じゃないの?」と思っている方は少なく無いと思います。

先ず結論を言っておくと、「絶対に安全な投資というものは存在しない」ということです。ただし、事前に知識を持っておけばリスクを適切にコントロールすることは難しくは有りません。

また、基本的に少ないリスクでは少ない利益を得ることしか出来ず(ローリスク・ローリターン)、高いリスクほど高い利益を得る可能性があります(ハイリスク・ハイリターン)。

ですが、世の中には「少ないリスクで高い利益を出来ます!」といった商品を紹介する人や「元本保証」を謳う商品も多数ありますが、こういったものは9割以上は詐欺だと思っておく方が良いです。

そういった詐欺的な商品が世の中に溢れているせいで「投資は危険!」と思い込む人が多く出ているのと、その他にもバブル崩壊等の大暴落を経験した人等が投資について強い恐怖心を持っているのだと思います。

確かに投資には詐欺商品が多く有るのも事実ですし、想定外の暴落が来れば元金割れを起こすリスクも当然存在します。

ただ、それらの一面を切り取って「投資が危険と判断するのは浅慮」と断言することが出来ます。

貯金は日本円への投資と同じこと

そもそもの話で投資をしない場合は貯金をすることになると思いますが、それは言い方を変えれば「貯金は日本円に投資している」と言い換えることも出来ます。

そして「貯金している日本円はインフレが起きると価値が目減りするリスク」がありますし、「円安が進めばドル等と比較した相対的な価値が低下するリスク」も存在します。

分かりやすく言うと仮に100万円の貯金が有ったとしても、モノの値段が今は100円で買えるものが数年後に200円となった場合、100万円で買える量は半分になりますよね?これが日本円の価値が低下するリスクです。

日本はこれまで30年近くの間デフレ傾向が強く、貯金をしていても価値が目減りする体感はほぼ有りませんでしたが、異次元金融緩和に始まり更には国際的なインフレの波を受けて、2022年からは年間2%以上のインフレが始まっています。

勿論、日本円は比較的安定した価値を持っている通貨であり、数年で大幅に価値が変わる可能性は高くは無いですが、それでも年間数%のインフレが起きることは既に避けられない社会となっており、そういう意味では貯金は年間数%ずつ価値が目減りする投資と言い換えられます。

もっと分かりやすい例で言うと、ドルと円の価格ですが2020年の頭には「108円」前後であったにも関わらず、2024年頭には「145円」前後とドルから見た場合の相対的な円の価値は大幅に目減りしていることが分かると思います。
そのため自分の持っている資産の価値を維持・向上させるためには貯金ではなく、何らかの投資をすることが必須というのが世の中の常識となりつつあります

投資における最大のメリットはリスク分散と複利効果

では投資における最大のメリットは何かという話ですが、私が考えるものとしては「リスク分散」と「複利効果」の2つがあります。

「リスク分散」については、先程の例でドル円の価格推移を見せましたが、この時に100万円を全て円で貯金するのではなく、50万円ずつ円とドルで貯金していた場合どうなるかと考えてください。

50万円分はドルのため円安の影響を受けずに、ドルの50万円分を円に戻した時には円のみで貯金していた時よりも貯金が増えているといった状態となります。

まぁ、ドル自体も米国のインフレの影響を受けて米国内での相対的な価値は下がっているのですが、円と比較した場合は資産の維持が出来ているということになります。

これがいわゆるリスク分散であり、円とドルの2つを持つことで円高になっても円安になっても大きな資産価値の低下は避けられるというものです。

ただ、このやり方では資産の低下は一定避けられても増やすことは難しいです。そのため、基本的に投資は円やドル等の通貨に対して行うよりも、株のような元本割れの危険が有るリスク資産も合わせて投資することで、資産を増やすことも考える必要があります。

株等のリスク資産は元本割れのリスクは確かにありますが、「インフレに強い傾向がある」という特徴も持っています。

考えれば当たり前の話で、インフレをしているということは通貨の価値が下がっているということで、通貨の価値が下がっている分はモノの値段や株の値段含めて全体的に値上がりして調整されていくことになります。

そのため、資産の低下を防ぎつつ、インフレも考慮した資産価値向上を狙うのであれば、貯金を50万円と株を50万円のように資産を分散して持っておくことで、急激な社会の変化に耐えられる資産形成をすることが出来ます。

更に投資には資産を増やす上で最大の味方とも言える「複利効果」の恩恵を得ることが出来ます。

「複利」とは元本が投資等で利益(リターン)を得た場合に、そのリターン分も元本に組み入れたうえでのリターンを得られるという仕組みのことで知っている人も多いと思います。

近い言葉で「単利」がありますが、こちらはリターン分は組み入れずに元本のみに対してのみ得られるリターンのことです。

「複利効果」は安定して年間利回りが得られる場合に非常に強い効果を発揮し、分かりやすく以下の画像で左側が元金100万円で年間の利回りが5%だった場合の表を作りました。右側の表は年間利回りが10%だった場合です。
投資では毎年得られたリターンをそのまま使わずに再度同じ投資先に資金を投入すれば上記のように複利で資産が増えていくことになり、年利5%でも30年目には単利と比べて1.7倍以上の資産となることが分かります。

また、年利10%の方では元金100万円が25年目には10倍の1000万円を超えて、50年も経てば1億円を超えるという凄まじいパフォーマンスを発揮します。

これが現代の錬金術とも言える「複利効果」です。勿論、安定的して年間利回り10%を出すのは非常に難しいですし、年によってはマイナスになることがあるのも投資です。

ですが、それらを考慮しても適切な投資をしていれば大なり小なり複利効果を得ることは出来ます。

この「複利効果」は相対性理論で有名なアインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ程に影響が大きいもので、投資をする上では絶対に理解しておかなければいけない知識です。

勿論、この2つ以外にも株であれば株主優待もありますし、株でも投資信託でも配当金が有るものも多いです。そのため、それらを目当てにして投資をするというのも有りです。

投資のリスクを減らすためには

投資の必要性自体は一定理解いただけたと思いますが、ただそれでも詐欺商品や元本割れリスクが有るため不安だという人は未だ大勢居ると思います。

そういった不安が残るのは「知識が足りていない」のが大きい原因であり、不安解消のためには知識を十分に付ける必要があります。

とは言え専門的な知識まで学ぶのはハードルが高いため、本記事では最低限必要な投資界隈の一般的な知識を共有していきたいと思います。

投資初心者が知るべき投資知識は主に以下のものです。

・投資の相場を知る
・投資手法を知る
・投資対象を知る

その他にはそれぞれの市場の概況を簡単にでも知っておいたり、利用できる優遇制度や税制等も抑えておくとより効果的な投資が行えるようになると思います。

本記事でも市場の概況や制度について軽く触れることにしますが、そういった部分は情報が非常に多いため本当に詳しく知りたいのであれば本記事を読んだ後に個別で勉強する必要があります。

投資の相場を知る

投資の相場を知ることは詐欺商品等に騙されないために絶対に必要な知識です。

例えば、普段スーパーで買っている食品の値段については皆さんは当然相場は知っていますよね?そして、その食品が急に10倍に値上がりしたとしたら、その商品を買おうと思うでしょうか?

勿論、生活に必須のものであれば買わざるを得ないこともありますが、相場から逸脱した価格となった商品を普通は買おうとは思いません。

相場を知るというのは思っている以上に重要なことで、相場を知っていれば明らかに相場から掛け離れた利益を標榜している詐欺商品や人に気付くことが出来るためです。

ただ、意外に投資の相場を知るのは結構難しく、個人レベルで見ると年間で50%以上マイナスになっている人もいれば、1000%以上のプラスになっている人も極稀に存在します。

私自身も暗号資産(当時は仮想通貨)で資産を1000%以上増やした経験が有るため、そういったことが起き得ないと断言することは出来ないのですが、当然ですが最初から狙ってそれだけの利回りを得るのは現実的なことでは有りませんし、何年も継続してその利回りを出すことも不可能です。

一番分かりやすい例として、「投資で世界で一番儲けた人」の平均年間利回りの話をしたいと思います。

投資で世界で一番儲けた人は「ウォーレン・バフェット」という人物であり、世界の長者番付で毎回上位に入っています。

このウォーレン・バフェット氏の年間平均利回りは「20%前後」と言われています。大した数字ではないと思うかもしれませんが、複利効果の話を思い出してみてください。

元金が100万円しか無くても、年間20%を複利運用して50年経てば91億円という金額に膨れ上がります。その他に配当金やインフレによる恩恵等も合わせて受ければ、それだけで莫大な富を築き上げることが出来るという訳です。

この話から分かることは世界で一番儲けた人物の平均年間利回りが「20%前後」であることから、これ以上の利回りを謳っている商品は極めて怪しい、もしくはリスクが高い商品の可能性が高いということです。

もし、安定して年間の平均利回りが20%を超える運用が出来る人や商品があるのであれば、それを買っている人はウォーレン・バフェット氏を超える億万長者になっていなければ説明が付きません。

そのため、年間利回りが20%を超えたリターンを提示している商品や人等は最初から疑って掛かる方が良いでしょう。世界一の投資家ですら、それだけのパフォーマンスを出すのに長年の研究を行っているのに、それを簡単に超える商品というのは普通に考えておかしいです。

ちなみに投資のプロが運用する投資信託やETFの年間平均利回りは3%~4%程度と言われており、個人投資家であれば平均利回りですらマイナスになる人が多いのも事実です。

これが投資の現実的な年間利回りであり、プロ並みの知識を持っていても投資で大きく稼ぐことは難しいのが実情です。

こんな相場を知ったら投資をするのは無駄に思えてしまったでしょうか?

ですが、この投資の相場は投資手法と投資商品を適切に選ぶことによってリスクを極力減らし、リターンを可能な限り増やすことが出来ます

投資手法(投資スタイル)を知る(短期投資、中期投資、長期投資)

主な投資手法は対象の保有期間(買ってから売るまでの期間)に応じた4つあります。人によって期間の認識は多少異なりますが、大体は以下の通りです。

・短期投資(1日に複数回の売買)
・スイング投資(数日~数週間の売買)
・中期投資(数ヶ月~1年未満での売買)
・長期投資(1年~数十年での売買)

スイング投資は短期投資や中期投資の中に混ぜられることも多いですし、中期投資も長期投資の一つとして見られることもあります。今回は一応分けて説明したいと思います。

ちなみに先に結論を言っておくと、「初心者が投資で資産を維持・向上させたいのであれば、長期投資一択」となります。

短期投資

短期投資は主に1日の中で何度も売り買いを行う投資手法で、「デイトレード」とも呼ばれます。

専業で投資をやっている人がこの投資スタイルを取っていることが多く、良くニュース等で複数のPC画面を表示して、リアルタイムに色々注文を出したりしているイメージそのままという感じです。

この投資スタイルは常に相場に張り付いていないといけないため、「会社員と兼業でやっている人には基本的に不可能」な投資スタイルです。

短期投資のメリットは「大きなリスクを抱えずに済む」というものが一番大きいです。

投資で一番恐ろしいのはバブル崩壊や金融危機のような時で、その時は市場の全ての銘柄や商品が大暴落します。

その大暴落が来た時に他の投資手法は日を跨いで投資商品を持ち越すため、大暴落に巻き込まれて大幅に資産がマイナスとなることがあります。

ですが、短期投資は基本的に日を跨いで投資商品を持ち越すことはしないため、この大暴落が起きても致命的なダメージを受けないというのが最大の特徴です。

逆にデメリットとしては「売買の度に手数料が掛かるため、トータルで資産がマイナスになりやすい」というものがあります。

これも当然の話しで為替(FX)でも株でも商品の売買には手数料が発生するため、儲けるためにはその手数料分を上回る利益を出し続ける必要があります。

これが現実的に難しく、特にリアルタイムの売買は価格が上がるか下がるかを予想して売買する訳ですが、それらの値動きを完全に予想するのは非常に困難でどうしても運の要素が強い投資手法です。

勿論、この手法で稼ぐ人達はチャート分析含めて様々な切り口で統計的に値動きを予想して売買することで、少しでも多くの金額を稼ぐように立ち回りますが、それらの予想のためには様々な知識が必要となります。

そのことから、今回紹介する投資手法の中では「最も初心者に向かない投資手法」と言えます。

スイング投資(スイングトレード)

スイング投資という言葉を使う人自体が最近減ってきた印象ですが、個人投資家で個別銘柄に投資する人に良く見られる投資スタイルのため紹介します。

特徴としては短期投資のように1日の間に売買をするのではなく、数日から数週間に掛けて商品を買っておき、値上がったタイミングで適時売ってしまう(逆に先に売っておき、後で買うという信用売りも可能)手法です。

この手法を使う状況としては、例えば特定の企業にこれから1週間~1ヶ月以内に株価が大きく上がるニュースが出ると予想出来た時に予め該当企業の株を買っておき、そしてニュースが出て大きく値上がりした後で売り払うという感じです。

一見インサイダー取引のように見えるかもしれませんが、勿論違法な手法で情報を得るのではなく、世間に公開されている情報から出てくるニュースを予測して売買するので、思ったようにニュースが出てこずに失敗することもあります。

難しく聞こえるかもしれませんが、この手法は自分が良く知っている企業ほど成功しやすくなります。

少し前に日本の株式市場ではパズドラやモンストの成功でソシャゲを出している企業の株価が大きく上がるバブルのような相場があったことがあります(ゲーセクバブルと言われていました)。

その際は新しいソシャゲのゲームがリリースされるという情報が出る度に、対象企業の株価が大きく上がるというサイクルが出来上がっており、実際にリリースされると株価は大幅に下落した後、次のソシャゲをリリースする企業の株価が大きく上がっていました。

もし貴方がゲームに詳しい人であれば、事前に公開されている情報から次はあの企業が有名タイトルのソシャゲを出すであろうと一定予測できるのではないでしょうか?

そういった自分が得意な領域の会社の株を情報が出る前の安い時に事前に買っておき、実際に情報が出て値上がりした後に売り抜けることで大きな利益を得るというのが、スイング投資のイメージとなります。

この投資手法はハマれば1ヶ月程度でコンスタントに資産を大きく増やしていくことが可能なため、投資で大きく稼ぎたいという個人投資家が良く行っています。

ただ、そのためにはそういった情報を事前に予測するための調査や勉強がどうしても必要となりますし、予測通りニュースが出ない場合は思った以上の期間を保有する必要があり中期投資のようになることもあります。

また、仮にニュースが出たとしても思ったほど値上がりしなかったというケースも多く有るうえに、短期投資で紹介した市場の暴落の影響を受けるリスクも有るため、それなりのリスクを伴った投資手法と言えます。

後はこの投資手法で重要なこととして、資金が集まりやすい業種が年によって違うため、可能な限り資金が集まりやすい話題の業種の株等を買うことを意識する必要もあります。

そもそも資金が集まらない業種の企業がニュースを発表しても株価の増減は程度が知れているのが理由であり、2024年であればAI等に関連した業種に資金が集まり安い傾向があると思います。

そのため、本手法は「投資で大きく稼ぎたいという人には向いていますが、リスクも大きくかつ調査や勉強が必要な投資手法」と言えます。

中期投資

中期投資はスイング投資とかなり近いですが、保有期間が数ヶ月~1年程度の投資を指して呼ばれることが多い投資手法です。

考え方やメリット・デメリットもスイング投資と近いので個別に説明することは多くないのですが、スイング投資より長い期間保有することでもう少し簡単に投資することが出来ます。

何故ならスイング投資のように期間を短く絞らなければ、話題の大きい業種の株等は基本的に値上がりしやすい傾向に有り、1年も保有すればそれなりのニュースが出て大きく値上がりしてくれる期待も持てるためです。

とは言ってもそういった話題の業種は数年でトレンドが変わって株価が下がっていく可能性もあるため、数年単位の長期間の投資には向きません。

そのため、中期投資はスイング投資のようにリスクを取って大きく稼ぐことも出来ますが、リスクはあまり取らずに「トレンドの業種の株を買って数ヶ月から1年ほど寝かしておく」ことでそれなりのリターンが期待できる投資手法でもあります。

この時にトレンドの株は出来れば1銘柄に絞らずに複数種類買っておけば、市場トレンドの恩恵を得られる可能性が高まります。

このように中期投資はスイング投資ほどにリスクを取らなくても、その時の話題の業種さえ一定理解しておけば出来るため「投資でリスクを抑えながらそれなりに稼ぎたいかつ、そこまで勉強に時間を使いたくない人に向いている投資手法」と言えます。

長期投資

長期投資はその名の通りで1年以上、長ければ数十年に渡って商品を保有する投資手法です。

本来の投資はこの長期投資が当たり前でしたが、ネット証券の誕生等からは上で説明したような短い期間での投資が流行していました。

基本的な話をしますが、そもそもまともな商品であれば長期的に見たときには資産価値は上昇する傾向があります。と言うか上昇する見込みの無い商品を売りに出しているのはほぼ詐欺ですからね(不動産等は例外的に価値は目減りしていきますが)。

ちなみに以下が日本の株式市場や米国の株式市場、Goldの価格の5年間の推移です。
長期投資として5年間というのは短い部類ですが、それでも市場が50%以上の上昇になっているのを見れば分かる通り、株やGoldを5年前に買っておけばこれくらいの平均リターンを得られた可能性が高いということです。

この5年はたまたま景気が良かったというのもありますが、仮に世界的な大暴落が来たとしても数年から数十年単位の長期的な目線で見れば、暴落前の水準を超えて価格が高まることが多いのが本来の投資の特徴でもあります。

そのため、長期投資の場合は仮に世界的な大暴落が来て、資産が一時的に目減りしたとしても気にせずそのまま投資対象を保有し続けて、数十年後に資産が増えたところで売って資金に変えるという投資スタイルとなります。

ですが、日本株のようにバブル時の株価を30年以上超えること無く、株価が暴落前の水準に戻るまで非常に長い時間を要した市場も存在するため、長期投資が絶対にリスクが無いということでは有りません。

日本株以外でも同じように異常に吊り上がった個別の企業の株価が数十年元に戻らなかった、もしくは最悪の場合は倒産してほぼ株価がゼロになったというケースもあります。

これらを踏まえれば分かると思いますが、「長期投資は最初の商品選びが極めて重要になる」ということです。もし長期投資でリスクの高い商品を選んでしまうと、長い保有期間の中で大暴落が来た際に2度と損失を取り返せないという状況が起き得てしまうためです。

逆にリスクが低くかつ、安定したリターンが期待出来る商品を買うことが出来さえすれば、その後は投資のことを気にせず過ごしているだけでも資産が年々増えていく状況にすることも可能なのが長期投資です。

こういった理由から、この後に投資対象のところで紹介するオルカン等の商品を長期投資しておくだけで、毎年安定したリターンを得ることが期待できるため、最近ではYoutubeやブログ等で様々なインフルエンサーがこぞって紹介している印象です。

要は長期投資とは「リスクを最小限に抑えながら、少ないながらも毎年安定したリターンを得ることが出来る上に、一度買った後は放置するだけで良いため、初心者にとって最も簡単かつ手堅く行える投資手法」と言えます。

勿論、手堅い投資手法であるが故に初心者だけでなく、投資を行う人々全てにオススメ出来る手法です。

上で紹介した世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏もこの長期投資がメインの投資手法であることからも、投資の王道であることが理解できると思います

投資対象を知る(株、FX、暗号資産、投資信託・ETF、不動産等)

ここまで投資の相場と投資の手法について解説しましたが、最後の基礎知識として投資対象とすべき商品について解説します。

投資商品は株や不動産等の古くから有るもの以外にも、最近ではビットコインを始めとした暗号資産(元は仮想通貨)や昔から有りはしたが一般層にはそこまで注目されていなかった投資信託やETFが急速に人気を集めるようにもなっています。

それ以外にも特定の企業や団体が出している投資商品等も合ったりはしますが、それらについてどれを買うのが良いのか、もしくは買ったら駄目なのかについて簡単に解説していきたいと思います。

投資の王様とも呼べるのが株です。基本的には日本株が投資対象となりますが、最近では米国等の外国株を買う人も増えてきており、選択肢が極めて広いのが特徴です。

本来、株というものは企業の資金調達のために使われるもので、単なる投資商品ではなく株を持つことで該当企業の経営にも参加することが出来ます。

そのため基本的には投資対象として売買されるものですが、企業そのものを買収する際にも株の買い占めが行われることも有ります。

一般の人が株を買うためには証券会社に登録した上で、株式市場に上場されている株を買うことになります。

株式市場は2022年3月までは東証一部や東証二部のような名前でしたが、2022年4月から「プライム」「スタンダード」「グロース」と呼ばれる市場名に変更されています。

そのため、株式市場に詳しくない人は今でも東証一部等の呼び方をする人が多くいますが、そういった呼び名は既に使用されていませんので気を付けてください。

それぞれの市場の大雑把なイメージはトヨタ等の有名大企業は「プライム」、少し聞いたことが有るような中堅企業は「スタンダード」、会社が出来たばかりで成長中というような企業は「グロース」の市場に振り分けられています。

とは言ってもこれは厳密なものではないので、スタンダードに日本マクドナルドのような大企業がいたり、グロースにもスタンダードの企業よりも大きい企業が属していたりもしています。

また、世の中には上場されていない株式会社も非常に多くあり、そういった上場されていない非公開株は基本的に購入することは出来ず、株主である人と直接交渉等をすることでしか保有することは出来ません。

ここまで株について簡単に説明しましたが、投資対象として見た場合に株は主に以下のようなメリットが有ります。

・手軽に始められる(ネット証券に口座を作って入金すればすぐに買える)
・非常に多くの選択肢が存在する(日本の上場株式数は約3900社もある)
・投資対象に一定の信頼性が有る(上場基準をクリアしている企業のみのため)
・大金を儲けられる可能性がある(1年で10倍近く値上がりする株も存在する)
・配当金や株主優待によって値上がり以外の収入も得ることが出来る
・少額からでも始められる(本来は100株単位の売買だがミニ株等で少ない額でも買える)
・リアルタイム取引が可能(買いたい時に買えて、売りたい時に売れる)
・手数料や税金が安い(税金は約20%、NISAであれば税金無し)
・確定申告等の面倒な作業も必要無い(特定口座を使えば)

逆にデメリットとしては「元本割れのリスクが有る(値下がりした場合は資産が半分以下になるのも珍しくない)」があります。

株は長い歴史の中で研鑽されてきたため、とても参加しやすく投資家への優遇措置も多いことからも、投資を始めるなら株が基本と言えます。

ですが、デメリットである元本割れのリスクが怖いという人や選択肢が多い故に何を買ったら良いのか分からないという人も大勢居ると思います。

それらの不安解消のためにはそれぞれの企業がどういう会社なのかを自分なりに調べたうえで投資した方が良いかを判断する必要があるため、若干ハードルが高いのも事実です。

そのため、そういった自分で調べて決めて投資をするという判断を行える人にとっては非常に良い投資商品ですが、それらに自信が無いという人には後述する投資信託やETFを買うという選択肢が良いかと思います。

FX

FXは「Foreign Exchange」の略称であり、ドルと円等の外国為替の差額を狙って利益を出すものです。最終的に日本円にすることを目的とするならば、ドル等の外国通貨が投資商品ということになります。

上の解説でも触れましたが、ドルに対して円は4年ほどで「108円」から「145円」程の価格となりました。

もし4年前に1ドル108円で1万ドル分を買っておけば108万円で買えたことになります。そして4年後に1万ドルを売却すれば145万円となるため、円で考えた場合はそれなりに資産を増やせたことが分かると思います。

日本に将来性を感じていないため円ではなくドルで貯金しているという人が偶にいますが、そういった人がこの投資をしていると言えます。

確かに今後の日本の未来が明るいと考えるのは楽観的に見ても難しいため、ドルで資産を保有しておくというのは選択肢として有りでは有ると思いますが、それなら米国株等のドルベースの投資商品を買う方が良いのではないかという話もあります。

通貨はインフレに弱いという特徴があることからも円の貯金よりはマシかも知れませんが、将来的に資産価値が目減りする可能性の方が高いため個人的にはそれほどお勧めの投資対象では有りません。

また、FXという単語はそもそも短期投資の際によく使われるものであり、短期間でレバレッジを掛けて売買するのは最早投資とは呼べず、ただのギャンブルと言った方が良いといえるレベルだと思います。

そのため、投資で資産を維持・向上を考えている人が手を出すことはオススメ出来ません。

ちなみにFXの派生商品のようなもので「バイナリーオプション」というものがありますが、こちらも本質的にはFXと変わらないため投資家が手を出すものではなく、ギャンブルをやりたい人向けのものです。

暗号資産(ビットコイン等の仮想通貨)

暗号資産は昔は仮想通貨という名で呼ばれていました(というか今でも仮想通貨と呼ぶ人が多い)が、2020年5月から正式名称として「暗号資産」とするように金融庁が発表しています。

また、同時期に暗号資産における利用者保護の充実を目的とした資金決済法や金融商品取引法の改正案が閣議決定されています。

それまでは暗号資産は利用者がほとんど保護されておらず、若干グレーな投資であったことからまともな投資家は避ける傾向が有ったのですが、こういった法改正等を経て公的にも暗号資産への投資が認められるようになっていきました。

特に最近ではアメリカでビットコインのETFが承認されたこともあり、今後更に市場規模の拡大が期待される分野でもあります。

簡単に暗号資産を投資対象として見た場合の特徴を以下に挙げていきます。

・手軽に始められる(ネット取引所に口座を作って入金すればすぐに始められる)
・超ハイリスク・ハイリターン(株よりも遥かに値動きが激しい)
・非常に多くの選択肢が存在する(2万を超える暗号資産が存在する)
・リアルタイム取引が可能(買いたい時に買えて、売りたい時に売れる)
・投資対象の信頼性が低い(ビットコイン等の大型通貨はマシだが、小型通貨の信頼性は非常に低い)
・手数料・税金が高過ぎる(株と比べた場合の手数料や税金が高い傾向がある)
・今後の技術革新が起きていった場合に対応出来るのかが不明瞭
・確定申告等の面倒な作業が必要

株と比べた場合にかなり多くのデメリットが散見される暗号資産への投資ですが、最大の特徴としては超ハイリスク・ハイリターンであることが言えます。
上記がビットコインと日経平均株価とアメリカのダウ平均株価の5年間の比較チャートです。

これを見れば分かる通り、ビットコインは5年間で1413%も値上がりしているのに対して、ダウ平均や日経平均は50%や70%程度であり、ビットコインがこれら従来の株式市場と比べて比較にならない程の値上がりしている事実が分かります。

ただ、チャートの上下が非常に大きく、1500%を超えているときから、500%を割っているようなところに落ちたりもしていることから、価格の変動が極めて大きく投資をする際は常にどんな値動きとなるか不安に駆られることが多くなると思います。

こういった非常に大きな値動きに魅力を感じて株ではなく、暗号資産に投資する人が多く、特に元々資産が少ない人は一発逆転等を狙ってギャンブル的な投資をしている人も多く見られるのが特徴です。

私個人としても資金が多くないときは暗号資産で大きく稼いだことも有り、投資で大きく資産を増やしたいと考えている人にとっては選択肢に入るとは思います。

ただ、暗号資産投資の最大のデメリットは「税金が非常に高い」事が挙げられます。

株であれば優遇措置が有るため20%程度の税金で済むのですが、暗号資産での所得は日本の法律上は「雑所得」に分類されるため、最大で約55%の税金(所得税+住民税)となります。

この非常に高い税金分を含めて利益を出せれば問題無いのですが、実際に暗号資産に投資している人でこの税金が重荷となって結局ほとんど儲からないという人がかなりの数います。

そのため、暗号資産への投資は資産の維持・向上を目的とする人ではなく、「元々少ない資金で大きなリスクを取って、一気に投資で大きく増やしたい」という人に向いてはいます。

個人的に投資初心者にはあまりオススメできない投資対象だとは思います。

投資信託とETF(オルカンとS&P500が注目)

投資信託は「ファンド」とも呼ばれ、多数の投資家から集めた資金を主な元手として、運用のプロが投資家に代わって株式や債権等に投資・運用してくれる商品のことです。

その運用した結果の損益を投資額に応じて還元されるもので、要は株と同じようにプロの運用結果が年間10%のプラスであれば投資した額の10%が利益として得られ、10%の損失が運用で出たのであれば、投資額から10%減った資産になります。

株であれば特定の1企業に対して投資することになりますが、投資信託であれば多数の企業や債権に対して分散投資されるため、投資のメリットで説明した「リスク分散」の恩恵を最も得ることが出来る商品と言えます。

同じような言葉でETFというものも存在しますが、ETF(上場投資信託)は投資信託の一種であり東証等の取引所に上場している商品です。

投資信託は「運用のプロが分散投資してくれるので比較的リスクが低い」という特徴があり、更に自分で細かく勉強する必要がないため、どういった銘柄に投資したら良いか分からないという初心者には向いている商品です。

ただ、大きなデメリットとして「信託報酬が割高の商品が多い」という特徴もあります。

上で損益の話しをしましたが、厳密に言うと運用の結果として年間10%のプラス出会ったとしても、そのまま資産が10%増えるわけではなく0.5%~2%程度は投資信託への報酬として支払う必要があります。

そのため、投資信託は運用成績から信託報酬を引いた利益(分配金や譲渡益)に対して、更に株と同じく約20%の税金が引かれた残りが利益となります。

投資信託は昔は「投資とか良く分からん!」みたいに言うお年寄り向けの商品というイメージでしたが、最近では「オルカン」や「S&P500」が非常に人気となっており、新しく投資を始めるならこの2つのどちらかを買えばそれで良いみたいな話が多くなっています。

勿論、この2つ以外にも多くの投資信託があるのですがリスクとリターンを考えた場合に、この2つが非常に優れているのが理由のため、もし今後投資に慣れてきたらこの2つ以外の投資信託や株等への投資も考え始めれば良いと思います。

ちなみにこの2つや投資信託全般的に共通するデメリットとしては、個別株や仮想通貨のような短期間での大きなリターンは見込めないということが挙げられます。

そのため、あくまで投資信託は可能な限りリスクを下げつつ、インフレ等も見越した安定した資産の維持・向上に利用するものであると認識しておくことが必要です。

オルカン(全世界株式型インデックスファンド)

オルカンとは「オール・カントリー」の略称で全世界の株式市場の指数に連動した分散投資を行っている投資信託の商品です。

最初の投資のところで説明した、「リスク分散」と「複利効果」を最大限活用出来るのがこの商品であり、商品名の通り日本だけでなくアメリカ、インド、中国、カナダ等の全世界の国の株を指数に応じて満遍なく投資しているため、世界全体の恐慌が起きない限り暴落する可能性が低いです。

また、世界株式市場は世界恐慌のようなものが来たとしても長い目で見れば成長を続けている市場であり、日本経済新聞社が出している以下の記事を見れば1980年からの30年で大幅な市場の拡大をしていることが分かると思います。

オルカンも全世界株式市場に投資している関係上、世界株式市場が拡大を続ければ合わせて資産が上昇していくため、毎年複利効果での資産価値向上も期待出来ることから、「初心者にとって最もオススメできる投資商品」と言えます。

ちなみに期待される年間平均利回りはこれまでの30年を参考にすると「約6~9%前後」位となっており、インフレを考慮してもこれくらいの利回りで複利で資産が増えていくことを考えると安定した資産運用が出来ると言えます。

更にオルカンやS&P500等は様々な企業が出していることも有って競争の中で信託報酬が非常に低く設定されているため、投資信託の最大デメリットである信託報酬による影響もほとんど受けません。

S&P500

S&P500はアメリカを代表する企業500社を対象とした株価指数のことで、NYダウと並んで米国ではメジャーな指数です。

投資信託のS&P500というのはこの指数と連動した商品のことで、要は対象の500社を満遍なく投資・運用するため指数が上がれば資産が増えるし、指数が下がれば資産が減るといった特徴を持つ投資信託です。

先程のオルカンと比べてアメリカの企業のみに投資する関係上、もしも米国のみで株式市場が大暴落するような状況となった場合に多大な影響を受けやすくなります。

ただ、そもそもオルカンも全世界の株式市場の指数に応じた投資をしているのですが、世界の株式市場におけるアメリカの割合が多いため、アメリカの市場が暴落すれば必然的にオルカンも暴落しますし、アメリカ暴落の影響は全世界にも波及する可能性が高いです。

基本的な特徴はオルカンと類似していますが、これまでの数十年はまさにアメリカの時代であったことも有り、S&P500の指数はオルカンよりも高い指数の向上を見せていました。

そのため、オルカンよりも高いパフォーマンスを期待する人がこのS&P500の投資信託に投資している傾向があります。

上記の理由からS&P500も「初心者にとって最もオススメできる投資商品」と言えます。この2つを両方買っている人も多く、資産を維持・向上させるためには最適な投資と言えます。

不動産

不動産は株より更に大昔から投資であり、土地だけでなく住宅やマンション等への投資も含めて不動産投資となります。

正直、不動産投資を説明しようと思ったら長くなり過ぎるのですが、初心者向けという意味での説明では「初心者は不動産投資に手を出すべきではない」という感じになるかと思います。

不動産は実際の土地や建物を売買する投資となりますが、理解しておくべき法律関連や、購入対象とする土地や建物の特徴等への理解、物理的な資産であるため管理が必要等の様々な知識や作業が必要となるため初心者にはハードルが極めて高いです。

更に不動産は業界自体が中々グレーであり、株や投資信託とは比にならないような詐欺的商品が多数有るため、それらを見極めるための知識も必要とされます。

最近は様々なサービスが出てきて、初心者でも簡単に投資できることを売りにしているものもありますが、不動産をそのようなサービスを使って買うくらいなら、株や投資信託の方が簡単に同等以上の利回りを得ることが出来ると思います。

特に良く聞くワンルームマンションへの投資等は最たるものとして挙げられますが、基本的にそういった商品で利益を出すのは極めて難しく赤字となることが大半だと思います。

勿論、十分な知識があった上での不動産投資は非常に効果的な投資の一つであり、この不動産投資だけで生きていけるだけの不労収入を得ている地主や大家さんも存在しているのは事実です。

そのため、あくまで投資初心者には向かないと言うだけで、今後投資について十分に理解を深めたうえで購入を検討するというのは問題ないと考えています。

国債

国債は国が発行している債権で、一定期間の間お金を貸し出すことによりその利子を受け取ることができ、満期を迎えれば貸したお金が全額返済されるため、投資の中では数少ない元本保証となります。

そういう意味ではリスクが極めて少ないのが特徴で貯金と比べても利子が多少有る分お得とは言えますが、実際の年間の利回りは0.05%~0.6%程度で基本的に1%を下回っていることから、資産を増やすという意味ではほとんど使えません。

更に貯金同様にインフレが年間2%程度進むリスクも考慮すると、投資しているだけインフレ分の損をする可能性が高いため、多額の資産を持っている人が分散先の資産として保有するような扱いです。

基本的に国債は企業や銀行等の多額の資金を有する団体が安定した投資先として買ったりすることが多く、個人で買うのは上記の通り元本保証では有るものの利回りがあまりに低すぎてオススメは出来ません。

今後金利がもう少し高まれば投資先として検討に入るかもしれませんが、初心者であれば投資信託等を買う方が無難かと思います。

金・プラチナ

株や投資信託は世界恐慌等が来ると暴落するリスクがそれなりにありますが、金やプラチナといった現物はそういった株等の暴落の際にむしろ上がりやすい傾向があります。

特に金は昔から富の象徴のように扱われており、比較的安定して価格が上がっていく印象がありますが、チャートとしては以下の通りここ10年程度ではあまり高いパフォーマンスは発揮していません。

また、金やプラチナのような現物は配当等も無いため、資産を増やすという意味ではあまり有用ではなく、あくまで資産を維持したいという目的で分散投資する先の商品という印象となっています。

ただ、不動産や金・プラチナ等の現物資産は実際に目に見えるものとして保有することが出来るため、手元に現物が無いと安心出来ないという人には向いています。

上記以外の投資商品

上記で挙げた投資商品以外にも特定の企業や団体が出している商品等は色々ありますが、それらは基本的に投資対象にするのはあまりオススメはしません(特に初心者は)。

先ず上に挙げたものと比較して、社会的信用が著しく低いことに加えて、法律によって規制がほとんどされていないものが多く、何かトラブルが合った際に投資家が守られる可能性が非常に低いためです。

大体こういった商品は上記で挙げた商品よりも高い利回りや元本保証を謳っていたりしますが、実際は非常に高いリスクが有ったり、最初から詐欺目的であることが大半です。

そういった人や商品は投資家を信用させようと色々な説明をしてくれると思いますが、自分の大切な資産をそのような詐欺まがいの商品に預けることは絶対にしない方が良いです。

中には良心的なものが存在する可能性はゼロでは有りませんが、それを見極めるのは非常に困難であり、かつ上で述べたように投資家を守る法律等がほとんど無いものを信じて投資するというのは投資家としてはしてはいけません。

NISAって何?

最後に話題のNISAについても簡単に触れておきます。

NISAは簡単に言えば専用のNISA口座を開設し、その口座で取引することで一定額までという条件はありますが、本来発生する約20%程度の税金が非課税となる制度のことです。

NISAには元々3種類があり、年間120万円までかつ最大5年間非課税に出来る「一般NISA」、年間40万円までかつ最大20年間非課税に出来る「つみたてNISA」、そして未成年向け向けの「ジュニアNISA」です。

そして最近話題の新NISAというのは、「一般NISA」が「成長投資枠」と名称が変更され、年間投資枠が240万円に拡大されかつ非課税期間が5年から無期限に変更となりました。

また、「つみたてNISA」も「つみたて投資枠」に名称が変更され、年間投資枠が120万円に拡大されかつ非課税期間が20年から無期限に変更されました。

そして残念ながら利用者が少なかったのか知りませんが、「ジュニアNISA」が廃止されました。

この大きな制度変更が2024年1月1日から始まり、この制度変更から始まった新制度のNISAのことが「新NISA」と呼ばれています。

要は「新NISAとは年間360万円まで本来約20%の税金が掛かるところを非課税で運用できる制度」ということです。

この制度を使うことによるデメリットは基本的に無く、口座開設の手続きが多少面倒というもので、利用する方が圧倒的にお得な制度となっています。

まぁ、政府としてはこれくらいの優遇制度を作ることで、国民の資金が市場に大量に流入して経済が活性化していくことを期待しているのでしょうね。

金融庁の公式ページで新NISAと旧NISAの比較の表が載っていますので確認してください。

まとめ

全て軽く触れただけのつもりでしたが、思った以上の文章量となってしまいました。。。

本記事に書いてあることを読めば、とりあえず投資の基礎知識としては十分だと思います。

勿論、本記事では表面的な部分にしか触れていないので、より詳しく個別のことに知りたいのであれば各々で勉強していく必要があります。

ちなみにここまで記事にした私の主観ですが、資産は以下くらいの割合で投資しておくのが最もバランス良いと思います。

貯金(20%)+オルカン・S&P500(60%)+個別株(20%)

急に現金が必要になることは普通に生活していれば間違いなくあり得ることなので、手元にすぐ使える現金を貯金として20%程度は残しておく必要はあると思います。ここは手持ちの資金と相談して割合を自由に変えてください。

その上で安定した投資先としてオルカンやS&P500に資産の半分程を入れておくことで、安定した資産の維持と向上を行うことが出来ます。

最後の個別株は投資初心者の内は無くても良いですが、今後投資の知識が徐々に身についてきたならば絶対に株価が上がるであろうと自分が信じれる株に投資していくと、より投資が面白く感じられるようになると思います。

資産を増やすのと同じくらい知識を増やすことは重要であると私は考えているので、何も考えずにオルカン等を買うだけだと今後世の中が変化した時についていけなくなる可能性もあるため、全てをオルカンだけにするというのは個人的にはあまり好きな考えでは無いですね。

私の解説は以上となります。今後それぞれの項目についてより詳しくした内容の記事等も書くかもしれませんので、興味があれば閲覧ください。

また、他にも以下のようなバリュー投資に必須の指標一覧などの記事もまとめていますので、興味があれば合わせて閲覧ください。

バリュー投資に必須の指標一覧(PER,PBR,ROE,ROA,EPS,BPS,EV/EBITDA,配当利回り等) – センコの活動記録 (senkohome.com)

バリュー投資に必須の指標一覧(PER,PBR,ROE,ROA,EPS,BPS,配当利回り等)
バリュー投資に必須のオススメ指標一覧(PER,PBR,ROE,ROA,EPS,BPS,EV/EBITDA,時価総額,配当利回り,売上高成長率,売上総利益(粗利),営業利益,経常利益,税引前当期利益,純利益,負債比率)とその計算式や具体的にどの程度の値であれば買えば良いか、逆に買ってはいけないか等について解説しています。

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