【相場格言集】投資におけるリスク管理に関する相場格言の一覧と解説

投資

リスク管理に関する相場格言

株式市場には数多くの格言が存在し、投資家たちに重要な教訓を提供してきました。

こういった格言は基本的に先人達の経験則から述べられているものなので、これらを知っておくことで相場で有利に立ち回れることが出来るようになります。

本記事ではリスク管理に関する相場格言を紹介し、その意味について簡単に解説しています。
  • 命金には手をつけるな
  • 見切り千両
  • 損は落とせ、さらば利益は大ならん
  • 利食い腰は強く、引かれ腰は弱く
  • 眠られぬ株は持つな
  • 卵は一つのカゴに盛るな
  • つかぬはやめよ
  • 落ちてくるナイフはつかむな
  • 頭と尻尾はくれてやれ
  • 売り買いは腹八分
  • バラを切るごとく売るべし
  • 二度に買うべし 二度に売るべし

命金には手をつけるな

この格言は株式投資において最も重要な原則の一つです。「命金」とは、生活に必要不可欠な資金のことを指します

株式市場は常に変動し、予測不可能なリスクが伴います。どんなに慎重に投資しても、損失を被る可能性は常にあります。

そのため、生活に支障をきたすような資金を投資に回すことは絶対に止めるべきだというのがこの格言です。

つまり、この格言は投資は余裕資金で行うべきだということを強調しているものです。

投資に失敗しても生活に影響がない程度の資金で取り組むことで冷静な判断ができ、長期的な視点で投資を続けることができるのです。

見切り千両

この格言は投資が失敗して損失が出始めた際に、素早く見切りをつけて売却してしまう行為には千両の価値があるというものです。

多くの投資家は損失を認めたくないという心理から「もう少し待てば値上がりするかもしれない」と考えて損失を抱え続けてしまいがちです。

しかし、こうした行動は往々にして更なる損失につながります。素早い損切りには主に以下のメリットがあります。

・損失を最小限に抑えられる
・投資資金を他の有望な銘柄に回せる
・心理的な負担が軽減される


多少の損を受け入れることで大損を防ぎ、資金を別のものに速やかに移動させることこそが投資の極意の一つという訳ですね。

ただし、「すばやく」といっても場当たり的に行動するのではなく、事前に損切りラインを決めておくなど計画的に行動することが大切です。

損は落とせ、さらば利益は大ならん

この格言は先ほどの「見切り千両」とほぼ同じ意味の格言です。

もともと、この格言はアメリカの金融街として有名なウォール街で生まれた相場格言であり、損失が出ている銘柄は素早く損切りすべきということを教えています。

ですが、損切りを素早くという意味だけでなく、利益が出ている銘柄は出来るだけ長く持つことで利益がより増していくということを教えている格言でもあります。

一般的に投資初心者は損失が出ている銘柄を長く抱えて、利益が出ている銘柄はすぐに利確してしまう傾向が強いですが、プロはこの逆をするということです。

利食い腰は強く、引かれ腰は弱く

この格言は「見切り千両」「損は落とせ、さらば利益は大ならん」と同じ意味を持っています。

すなわち、利益が出ているときは出来るだけ長くその銘柄を持ち続け、逆に損失が出ているときは素早く見切りをつけて売ってしまうのが良いということです。

こうして似たような格言が多数あることからも分かる通り、この考え方は投資のリスク管理において基本とすべき指針であると理解してください。

眠られぬ株は持つな

この格言の「眠られぬ株」とは、保有していることで不安や心配が募り、夜も眠れないほどストレスを感じる株のことを指します。

大体は非常にリスクの高い株に資産を全て投資している際等にこの状況は起きます。つまり、「リスクの取りすぎ」ということです。

株式投資において、過度の不安やストレスは冷静さを損なわせる原因となります。

それは結果として、感情的な判断や場当たり的な行動につながり、投資パフォーマンスを悪化させる可能性があります。

この格言は以下のようなリスク管理をすることで「眠られぬ株」を持つなと警告しているのです。

・自分の許容できるリスク範囲内で投資する
・投資先の企業や業界について十分理解する
・長期的な視点を持ち、短期的な変動に一喜一憂しない
・分散投資によりリスクを軽減する


投資は利益を得るための手段ですが、同時に心の平安を失うほどの代償を払うべきではありません。この格言は精神的な健康と投資のバランスの重要性を教えてくれています。

卵は一つのカゴに盛るな

相場格言の中でも特に有名なものの一つがこの「卵は一つのカゴに盛るな」だと思います。

卵を一つのカゴに盛ってしまうと、そのカゴを落とした時にはすべての卵がダメになってしまうことから、投資において一つの銘柄にすべての資金を集中することの危険性を説いています。

投資家は経験が浅い人ほど特定の銘柄に固執して、資金を集中させてしまいがちですが、プロ投資家はほとんどと言って良いほどポートフォリオを組んでリスク分散させています。

ただ、この相場格言は「資産を守る」という点においては間違いなく正しいのですが、「資産を増やす」という点においては少し難点もあります。

リスクを分散させた場合はリターンも分散する傾向があるため、いわゆる投資で大勝ちというのがし辛くなるということです。

一般の投資家で有名になった人は一つの銘柄で大勝ちして資産を形成した人が多いので、そういった夢のある勝ちを目指す人はリスクを理解したうえで集中投資するのも個人的には有りだとは思います。

ちなみに最近ではインデックス投資という様々な銘柄を分散して購入してくれる商品も出ているので、そうした商品であれば一つだけ買ってもこの格言のような問題は起きません。

つかぬはやめよ(つかぬときはやめよ)

この格言の「つかぬ」というのは「ついていない時」を指しており、相場で負け込んでいて自分の運が悪いと感じる時などを指しています。

つまり、「つかぬはやめよ」というのは、自分が相場で勝てるイメージが湧かない時(運が悪い、相場の流れがよく分からない、投資判断に自信が持てない)は投資を休んだ方が良いという意味となります。

株式市場は複雑怪奇で、常に自信をもって投資をし続けられる状況というのは非常に稀です。そういった状況で無理に投資を続けても資産が増えることはほぼありません。

そういったときは、自分が自信をもって投資が出来るような状況になるまで休み、その間に情報収集等をしながら材料を集め、気持ちを落ち着かせるべきということを教えてくれる格言です。

落ちてくるナイフはつかむな

この格言は「落ちてくるナイフ」すなわち、「暴落している最中の銘柄」に手を出すと上手く掴めずに大怪我をしてしまう可能性が高いという意味となります。

一般投資家の多くは逆張り思考の人のため、暴落している銘柄を見ると「底値で買える」チャンスだと考えがちです。

しかし、現実にはそのような行動が利益に結び付くことよりも、さらなる暴落に巻き込まれてしまって大損をすることの方が圧倒的に多いです。

そのため、基本的には株価の下落が止まり安定した状態となってから、投資すべきかを改めて検討することが損失から身を守る術となります。

頭と尻尾はくれてやれ

この格言は投資する際には、銘柄の頭(最高値)と尻尾(最安値)を無理して狙わずに、ほどほどのところを狙って売買する方が良いという教えです。

実際の相場では最高値と最安値は誰にも分からないため、完璧なタイミングを狙いすぎてしまうと十分に利益が見込める水準の売買でも見逃してしまうことが多々あります。

それならば、最初から完璧なトレードを目指さずに頭と尻尾は他人にくれてやるつもりで、自分は利益が出ると思える水準まで来たならば速やかに売買する方が良いことが圧倒的に多いのです。

そもそも投資におけるトレードというのは自分が売ったものを買う人がいて、自分が買ったものは誰かが売ったものです。

他の市場参加者も可能な限り自分の利益が大きくなるように売買をしますので、限界までそれに付き合ってしまえば、身を滅ぼしかねないということです。

売り買いは腹八分

この格言は先述の「頭と尻尾はくれてやれ」と基本的には同じ意味となります。

最高値や最安値を追い求めるのではなく、腹八分が指すように満腹を目指さずに、気持ちが腹八分目くらいまでの水準まできたら売買すべきという考えです。

ただ、この格言はもう一つの意味を含んでいる時もあり、それは売買に使うお金は最大でも資産の8割(腹八分)で止めておき、決して全財産を投資に回してはいけないという意味です。

このもう一つの意味は「命金には手をつけるな」と同じですね。つまり、この格言は2つの格言を兼ねたものということになります。

バラを切るごとく売るべし(薔薇を切るごとく売るべし)

この格言はアメリカの金融街として有名なウォール街で生まれた格言であり、日本の「頭と尻尾はくれてやれ」「売り買いは腹八分」と同じ意味合いです。

バラ(薔薇)は満開が最も美しいがすぐに枯れてしまう。そのため、バラは八分咲きになったものを切り花にすることで長く美しさを楽しむことが出来るのです。

このことから投資においても最高値(ピーク)を求めるのではなく、八分咲き(ピークの少し前)に売る方が賢明な投資家であるということを教えてくれています。

二度に買うべし 二度に売るべし

この格言は言葉通りの意味で、一度に全て売買するのではなく、二度に分けて売買する方が良いという教えとなっています。

相場というのは常に自分の予想通りに進むということは稀で、自分が安いと思って買った時から値下がることも多くあります。

そういったときに資金の半分で一度買っておき、さらに値下がったところで資金の半分で買えば平均単価をより低い水準で買うことが出来ます。

売るときも同様に二度に分けて売ることで、リスクを一定コントロールできることが出来るようになるという格言です。

もちろん、二度にこだわらずに更に複数回に分けて売買しても良いです。逆に平均単価が上がったりすることもあると思いますが、それでも大きなリスクを回避するには有効な方法なのです。

まとめ

今回は市場におけるリスク管理に関する相場格言を紹介しました。

こういった格言を事前に知っておけば、どれだけ荒れた相場でも必ず乗り越えられると思いますので、売買をする際には必ず思い出すようにしてください。

以前、投資の基礎知識についても以下の記事で解説していますので、投資の基礎を知りたいという方は閲覧ください。

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。

https://senkohome.com/investment-fundamentals-stocks-crypto-nisa/

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