【相場格言集】情報分析と投資手法に関する相場格言の一覧と解説

投資

情報分析と投資手法に関する相場格言

株式市場には数多くの格言が存在し、投資家たちに重要な教訓を提供してきました。

こういった格言は基本的に先人達の経験則から述べられているものなので、これらを知っておくことで相場で有利に立ち回れることが出来るようになります。

本記事では情報分析と投資手法に関する相場格言を紹介し、その意味について簡単に解説しています。
  • 筋の耳うちは信用するな
  • 早耳の早耳だおれ
  • ケイ線は相場師の杖
  • 目先観で相場を張るな
  • 相場の器用貧乏
  • 漁師は潮をみる
  • 悪材料出尽くしは買い

筋の耳うちは信用するな

この格言は市場の「仕手筋」や「内部者」を語る者からの情報、いわゆる「うまい話」や「耳打ち情報」を鵜呑みにしてはいけないという教えです。

よくSNS等では「〇〇を買えば絶対儲かる」とか「この銘柄を買わない奴はセンス無いよ」とか様々な煽りをする人達がいます。

こういった人達は「煽り屋」と呼ばれ、中には本物の仕手筋の人達も混じっています。

なぜ彼らがそういった煽り行為をするのか?といった部分に焦点を当てて考えれば分かる通り、彼らは自分たちが儲けたいから煽り行為をしているのです。

彼らは事前に特定の銘柄を安く大量に仕込んで置き、煽り行為で群がってきた信者や初心者の人等に高く売りつけて、相場を抜け出すことを常套手段としています。

当然ですが、高く売りつけられた人たちの中には大損をする人が出てきますし、その時の損失が致命傷となり相場から引退することも多々あります。

そのため、「筋の耳うちは信用するな」の格言通り、相場に存在する様々な「煽り屋」や「仕手筋」の人達の声は無視して、自分なりの投資手法を確立するのが最も成功への近道となります。

早耳の早耳だおれ

この格言の指す「早耳」というのは、相場の上げ下げに関する材料を人よりも早く入手することです。

相場で長く生きている人ほど情報を早く入手するために、様々な情報収集を行っていますが、「早耳」はそういった努力の成果とも言えます。

しかし、早すぎる情報は誤った情報である可能性が高く(ガセ情報)、仮に正しかったとしても相場に大きな影響を与えるほどの材料では無いというケースも多いです。

そのため、「早耳」で得た情報を根拠に相場に飛びついてしまうと、逆に大損することが多いという、投資家に戒めを伝えている格言となります。

確かに人よりも早く情報を手にすることが相場で有利に働くこともありますが、重要なのはその情報の正確性と実際に与える影響の大きさを的確に分析するための判断力なのです。

罫線は相場師の杖である(ケイ線は相場師の杖)

この格言の「罫線」と呼んでいるものは、株価の過去の値動きをグラフにしたものであり、いわゆる「株価チャート」のことです。

一番代表的な株価チャートは「ローソク足」ですが、他にも「カギ足」「ラインチャート」等の種類があります。

「罫線は相場師の杖である」は明治の大相場師として有名な田附政次郎の言葉で、意味としては「罫線(株価チャート)」は相場師にとって指針を決めるための重要な杖(判断基準)であるということです。

これは相場は過去と同じような動きをすることも多く、また過去の高値や安値が一つの目安にもなってくることから、相場を歩いていくための方向性を定めるのに役立つからです。

何を当たり前のことをと思う人もいるかもしれませんが、現実には材料が出たらすぐ飛びつく人や、とにかく上がっている株を買ってしまう人も多いので、情報収集をするのであれば最初に「罫線」を見なさいと言っている真っ当な格言だと思います。

また、すべてを「罫線」だけで判断するのではなく、あくまで「杖(判断基準)」として使い、最終的には他の材料や自分自身の相場経験等から判断するのが大切であることは忘れないでください。

目先観で相場を張るな(目先観で投資するな)

この格言は言葉通りの意味で、目先の小さな損得を狙って売買をしても相場で大きく儲けることは出来ず、最終的に損をすることの方が多いという教訓です。

相場を何度か経験して小さな勝ちを出せるようになってくると、それに味を占めて目先の相場で同じことを繰り返すようになりますが、いずれは失敗して損を出すことになります。

相場では目先の小さな利益にこだわらず、どっしりと構えて大きな利益を狙う方が最終的には勝ちやすいということですね。

相場の器用貧乏

この格言は「目先観で相場を張るな」とほぼ同じ意味です。

小手先のテクニックで上げ下げの両方の局面で小器用に儲けようと立ち回っているものは、小幅な利益を上げることしかできず、大きな利益は期待できないということを伝えている格言です。

相場では器用に立ち回って、上げ下げの両面で利益を出している人を凄いと感じるかもしれませんが、それで大成したという人は相場にはほぼ存在しません。

そのようなシーソーみたいな投資は長い目で見ると上手くいかず、小幅な利益を一時的に出すことが出来ていても、いずれは負けて損失を出してしまうことが多いのです。

そのため、相場では器用に立ち回ろうとせずに大きな利益を出せそうな銘柄や材料をしっかり調べたうえで、それらに投資する方が良いということです。

漁師は潮をみる

この格言は漁師が潮の流れを見て魚が取れそうな漁場を探すように、投資家も相場の流れを見て売買の判断をしなければ儲けることは出来ないという意味です。

相場の流れで分かりやすいのは、すべての銘柄が上昇しているようなアゲアゲ相場と、逆にすべての銘柄が暴落して恐慌状態となった相場です。

こういった相場なら売買の判断はしやすいですが、更に細かい流れとしてはその時の注目セクター等です。

過去にもゲーセクバブル(ゲームセクターの関連株の多くが好調だったとき)があったように、2023~2024年もAIバブルでAI関連株が全体的に値上がりしていました。

そういった相場全体でどういった銘柄に資金が集まっているか等を株価の上昇率や出来高等から予想して、少しでも儲かりそうなところに投資をすることこそが「漁師は潮をみる」の格言を体現することになりますね。

悪材料出尽くしは買い

この格言の「材料出尽くし」というのは、株価に影響を与えそうな材料がすべて反映されてしまった状態で株価がほとんど値動きしなくなる状態を指しています。

そして、「悪材料出尽くし」というのは言葉通りの意味で、株価が値下がりするようなネガティブ材料を全て織り込んだ状態の株価のこととなります。

株価の値下がり要因がすべて織り込まれている時点で現状より下げる可能性は低いため、多くの投資家が買いだと判断して、急に株価が上昇していく現象が相場では良く発生します。

そのため、この格言が示すように悪材料が出尽くして、これ以上は下げそうにない株は買い向かった方良いということです。

しかし、本当に悪材料をすべて織り込んだ株価なのかどうかは確かめようがないため、実際は更にネガティブな情報が出て下げることも多いですし、特に上がらず株価の低迷が続くこともあります。

更にこれを難しくしているのが、公式で発表されていない情報でも多くの人が既にそれを期待していて、株価に反映されている場合は実際に発表されても動かないか、逆の方向に動くことも多々あります。

例えば次の決算は非常に良いだろうという憶測が先に出回っていて、それを期待して株価が既に上がった状態で実際に決算が発表されると、予想通りに良い決算だったにも関わらずに急落することがあります。

逆も同様に、悪いと思っていた決算前にすでにそれを織り込んでいて株価が下がりきっていたならば、実際に悪い決算が発表されることで急騰することもあります。

このように材料が本当に出尽くしているかを判断するのは極めて難しいため、本当に株価に織り込み済みなのかどうかはチャートや投資家心理を良く研究して判断する必要があります。

まとめ

今回は市場における情報分析と投資手法に関する相場格言を紹介しました。

こういった格言を事前に知っておけば、どれだけ荒れた相場でも必ず乗り越えられると思いますので、売買をする際には必ず思い出すようにしてください。

以前、投資の基礎知識についても以下の記事で解説していますので、投資の基礎を知りたいという方は閲覧ください。

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。

https://senkohome.com/investment-fundamentals-stocks-crypto-nisa/

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