【相場格言集】季節に関連しない(通年)のアノマリーに関する相場格言の一覧と解説

投資

季節に関連しない(通年)のアノマリーに関する相場格言

株式市場には数多くの格言が存在し、投資家たちに重要な教訓を提供してきました。

こういった格言は基本的に先人達の経験則から述べられているものなので、これらを知っておくことで相場で有利に立ち回れることが出来るようになります。

本記事では季節に関連しない(通年)のアノマリーに関する相場格言を紹介し、その意味について簡単に解説しています。
  • 小型株効果
  • バリュー効果(割安株効果)
  • 配当利回り効果
  • モメンタム効果
  • リターン・リバーサル効果
  • 低ボラティリティ戦略
  • 大統領サイクル
  • 月替わり効果(TOM効果)
  • 曜日効果(月曜の株安)
  • 魔の水曜日
  • 2日新甫は荒れる
  • 干支(十二支)に関連するアノマリー
  • サザエさん効果
  • ジブリの法則

月や季節ごとのアノマリー

本記事は季節に関連しない(通年)アノマリーについて紹介していますが、過去に月や季節単位で存在するアノマリーに関する記事を書いています。

興味があればそちらの方もご確認ください。実際アノマリーと言えば月や季節に関連する方が有名なものが多いと思います。

小型株効果

このアノマリーは時価総額が小さい小型株は時価総額の大きい大型株よりも、平均的に高いリターンとなる確率が高い傾向のことを指します。

小型株は市場での注目度が低く割安で放置されていることが多いことや、短期間での業績の変化率が高いこと等が理由とされています。

個人的にはアノマリー(理論的に説明出来ない経験則)というよりも株の基本知識の一つだと思います。また、学術的にもほぼ正しいことが証明されている事象でもあります。

何故なら時価総額の低い小型株の方が少ない資金で株価を上げることが出来るため、人気化すれば大型株よりも大きい上昇率となるのは当然のことです。

とは言え、逆に小型株は暴落するときは大型株よりも大きく下げますので、そのリスクについては理解したうえで投資するようにしてください。

尚、体感的に「小型株の目安は大体100億円以下」とされることが多い印象です。

バリュー効果(割安株効果)

このアノマリーは「割安株(業績に対して時価総額が低い)」の平均リターンは「割高株(業績に対して時価総額が高い)」よりも高い傾向があるというものです。

普通に考えれば当たり前の気はしますが、意外に多くの投資家は割安か割高かというものを気にしておらず、目先の株価が上がるかどうかしか興味がありません。

ウォーレン・バフェット氏が言うように長期的に見た場合に株価というものは業績に見合った水準に動いていくため、割高株よりも割安株の方が将来性があるのです。

一般的な「割安株の目安はPER15倍以下、PBR1倍以下」とされることが多いです。

配当利回り効果

このアノマリーは「配当利回りの高い(高配当)」銘柄の平均リターンは配当以外が同水準の銘柄と比較して高い傾向があるというものです。

これもある意味当たり前のことかもしれませんが、高配当株は様々な情報媒体で良く紹介されており、投資が良く分からない人でも買うことが多いため、一般的な株と比べて値上がりしやすいのは当然です。

しかし、配当というのは業績が堅調だからこそ出せるものであり、業績が傾けば配当を減額したり(減配)、配当なし(無配)に変更されることもあります。

そのため、一見すると安定した収益が得られそうな高配当株投資ですが、リスクはそれなりに有るということだけは理解しておく必要があります。

ちなみに「高配当の目安は年間利回り4%以上」とされることが多いです。3%超えていればそこそこの配当と考えてもらって良いかと思います。

モメンタム効果

このアノマリーは一度方向性(トレンド)が決まった銘柄はその方向性に進みやすい傾向があることを指しています。

例えば、一度上昇トレンドになった銘柄は更に株価が上がり続けることが多いですし、逆に下降トレンドに入った銘柄は更に下げ続けることが多くなります。

これはアノマリーを聞かなくても経験則的に理解している人が多いと思いますが、この傾向があるために多くの投資家は上げトレンドなのか下げトレンドなのかをとても気にしています。

短期から中期(3ヶ月から1年程度)で特に強い効果が見られますが、長期的にはリバーサル効果に転じる傾向があります。

近年はこの効果を狙った投資家の増加により、その強さが弱まっているという指摘もあります。

リターン・リバーサル効果

このアノマリーは過去の株価動向とは逆の動きが将来発生する傾向を指します。

例えば過去の株価上昇率が低い銘柄がその後は長期的に高い上昇率を出し、逆に過去の株価上昇率が高い銘柄がその後は長期的に低い上昇率になることを指しています。

このアノマリーは長期(3〜5年)で観察されることが多く、中期ではモメンタム効果が優位です。

簡単に言えば、下がった銘柄はいつか元に戻ってくる、もしくは上がり過ぎた銘柄はいつか下落するという当たり前のことですが、この性質を利用したのが「逆張り投資」となります。

ただし、企業の業績が株価の上昇率に追いついた場合や逆に業績が下がり続けている企業等はこのアノマリーが起きずに、トレンドが継続し続ける可能性は十分にあることを理解しておいてください。

低ボラティリティ戦略

このアノマリーは株価の上下の変動幅(ボラティリティ)の低い株式が、高いボラティリティの株式よりも高いリターンを生み出す傾向があるというものです。

このアノマリーは従来の金融理論(リスクが高いほどリターンも高い)と矛盾するため、注目を集めました。

理由としては低ボラティリティ株の持続的な業績や安定した配当等が挙げられており、学術的にも一定保証されているアノマリーです。

個人投資家は変動幅の大きい(ボラのある)銘柄を好みますが、現実はボラの少ない安定した株を長期的に持つ方が儲かりやすいという教訓にも近いですね。

大統領サイクル

このアノマリーは4年に一度の米国大統領選挙に関連しており、選挙の前年は株価の上昇率が最も高く、翌年の選挙年も比較的高めの上昇率となる現象のことです。

逆に選挙後の1~2年は株価の上昇率が低くなる傾向が強くなるので、この一連のサイクルを「大統領サイクル」として呼んでいる訳ですね。

大統領選挙の前年と当年の上昇率が良い理由は、選挙に向けて景気刺激政策を打ち出すことが多いため、これを期待していることからだと言われています。

尚、民主党か共和党のどちらの候補者が大統領となるかでこのサイクルが逆になる事象もアノマリーとしてありますが、実際のデータ的にはどちらの候補者でも大した違いは無いようです。

月替わり効果(TOM効果)

月の変わり目のことを「Turn of the Month(TOM)」と呼び、このアノマリーでは月末が安値になりやすく、月初が高値になりやすい傾向があることを表しています。

ヘッジファンドの締め日と買い戻しが月末と月初に行われることが起因していると言われていますが、近年ではそこまで信頼性の高いアノマリーではなさそうです。

曜日効果(月曜の株安)

このアノマリーはとても分かりやすく、月曜日は株価が下がりやすく、金曜日は上がりやすいというのものです。

これは株式市場がお休み(土日)の間に悪材料が出てくることが結構有り、その影響で月曜日に相場が急落する現象が度々見られることからアノマリーとして呼ばれています。

とは言っても、休日に好材料が出る可能性もありますし、どちらの材料も出ない可能性もあります(どちらかというとその方が多い)ので、個人的にはそこまで気にする必要は無いアノマリーだと思います。

ただし、相場が非常に不安定(ボラが大きい)時や異常に吊り上がっている銘柄等を土日持ち越すと、月曜日に悲惨なことになるは結構多い印象なので、そういったときは金曜日に手仕舞いしておくのも戦略の一つです。

魔の水曜日

このアノマリーは「SQ(特別清算指数)」の算出が有る週の水曜日は株価が下落しやすい傾向があるというものです。

「SQ」というのは「Special Quotation」の略称で株価指数先物取引(TOPIX等)、またはオプション取引等を最終的な決済期日で決済する際の清算価格(指数)のことを指します。

SQは3月、6月、9月、12月の4半期ごとの第2金曜日に行われるものを「メジャーSQ」と呼び、それ以外の月でオプション取引に関するSQを「ミニSQ」と呼んでいます。

このアノマリーは「メジャーSQ」に絡むものですので、つまり「魔の水曜日」を具体的にいうと「3月、6月、9月、12月の第2金曜日の有る週の水曜日は相場が悪くなりやすい」となります。

「メジャーSQ」の直前はヘッジファンド等の大口が様々な思惑で売買が活発になりやすく、それらの警戒感から売りが多くなりやすいというのが主な発生理由とされています。

2日新甫は荒れる

「新補(しんぽ)」というのは先物取引で月の最初の取引日を指しており、このアノマリーは1日が祝祭日等で取引日にならずに、2日が次の最初の取引日となった場合の相場は値動きが大きく動きやすいというものです。

結構有名なアノマリーらしいですが学術的な根拠はほぼ無く、「月替わり効果」と大差ないと考えても問題ないかと思います。

干支(十二支)に関連するアノマリー

干支(十二支)に関するアノマリーは様々なものがあります。

「子は繁栄」「丑つまずき」「寅千里を走る」「卯跳ねる」「辰巳天井」「午尻下がり」「未辛抱」「申酉騒ぐ」「戌笑う」「亥固まる」といったもの等です。

全てを詳細に解説すると長くなるので簡単にまとめたものを以下で表にしておきます。

正直な話、このアノマリーの信頼性はほぼ皆無です。年間通して干支によって相場の傾向が変わってくるというよりも、月や季節毎のアノマリーの方が未だ信頼性は高いです。

話のタネとして知っておけば十分なレベルかと思います。
干支アノマリー意味
子 (ね)子は繁栄上昇相場になりやすい
丑 (うし)丑つまずき下落相場になりやすい
寅 (とら)寅千里を走る相場が荒れやすい
卯 (う)卯跳ねる相場が跳ねるように上昇する
辰 (たつ)辰巳天井相場が天井をつけやすい
巳 (み)同上同上
午 (うま)午尻下がり下落相場になりやすい
未 (ひつじ)未辛抱辛抱が必要な相場になりやすい
申 (さる)申酉騒ぐ相場が荒れやすい
酉 (とり)同上同上
戌 (いぬ)戌笑う笑えるくらいの上昇相場になりやすい
亥 (い)亥固まる落ち着いた相場になりやすい

サザエさん効果

このアノマリーはアニメの「サザエさん」の視聴率が高いと株価が下がり、視聴率が低いと株価が上がるというものです。

馬鹿馬鹿しいアノマリーだと笑う人もいるかもしれませんが、大和総研が2005年発表した調査結果によれば、かなり高い相関関係があったことが確認されたとしています。

理由として考えられているのは、株価が上がっている(景気が良い)時は日曜日に外出をする機会が増えるため、「サザエさん」を見なくなる人が増えるからだとされています。

これは正にアノマリー(理論不明だが良く起きる事象)らしいアノマリーだと思います。

ジブリの法則

このアノマリーは「金曜ロードショー」で「ジブリ映画」が放送されると翌週の相場が不安定になり、円高と株安が起きやすいというものです。

実際のところは「金曜ロードショー」の放送時間が米雇用統計の発表時間と重なることが多く、多くの投資家はこの米雇用統計を投資の指針とすることが多いことに起因しているようです。

そのため、「ジブリ映画」が放送される部分はほぼ関連の無い事柄だと思われますが、相場には面白いアノマリーがあるのだなと覚えておいて貰えれば良いかと思います。

まとめ

今回は季節に関連しない(通年)のアノマリーに関する相場格言を紹介しました。

こういった格言を事前に知っておけば、どれだけ荒れた相場でも必ず乗り越えられると思いますので、売買をする際には必ず思い出すようにしてください。

以前、投資の基礎知識についても以下の記事で解説していますので、投資の基礎を知りたいという方は閲覧ください。

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。

https://senkohome.com/investment-fundamentals-stocks-crypto-nisa/

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