神話・宗教・伝説 最強ランキング TOP100
世界の神話・宗教・伝説に登場する最強の神々や怪物、英雄たちを強さ順にランキングした本を執筆しました!
もちろん、ランキングは私の主観などが多分に入っていますが、それでもランキングの理由は各神話などの逸話を踏まえたものにしているため、それなりの納得感はある一冊だと思います。

今回は本のランキングに登場しているキャラクターを一部紹介したいと思います。
もちろん、今回挙げたキャラクター以外もたくさんランキングに登場するので、神話や宗教、伝説などに興味がある人には気に入ってもらえる一冊だと思いますよ!
49位:モイライ(ギリシア神話)


概要
モイライはギリシア神話に登場する三姉妹の運命の女神たちであり、ゼウスでさえ彼女たちが決定した運命には逆らえないとされていることからも、ギリシア神話の中で突出した権能を有しています。
モイライはクロートーが運命の糸を紡ぎ(命の始まり)、ラケシスが糸の長さ(命の長さ)を決定し、アトロポスが糸を切る(命の終わり)ことで運命が決定されます(北欧神話のノルンに相当)。
尚、モイライは当初一柱の女神とされていましたが、神話が時代ごとに変わっていくにつれて三姉妹の女神となったとされています。
今回のランキングでの取り扱いは悩みましたが、三姉妹揃って一人という印象が強いというか、三姉妹揃わないとほとんど意味の無い女神であることから、特別に三姉妹揃った状態での評価にしています。
モイライは運命の女神ですが、実は自由に運命を決定するまでの力は持っていないとされる説が強く、より上位の存在であるアナンケー(運命と必然の女神)が定めた運命を実現している等とも言われています。
実際そうでなければ、ギガントマキア(巨人族との戦争)やテュポーンとの戦いをする必要なんて無く、巨人やテュポーンの運命を紡ぐだけで終わったはずなので、権能に制限が有るのは確実です。
一方で、アポロンにお酒を飲まされて、本来死ぬはずだったアドメトスの運命を変えるといったこともあるので、運命の行使に一定の裁量権が与えられているであろうことも予想されます。
これはアキレウスの死に関しても、事前に2つの運命を用意していた描写があることからも間違いないでしょう。
ランキングの理由
モイライの三女神はギリシア神話の中で特権に近い権能である「運命」を司っており、ゼウスですらモイライの下した運命を覆せないといった描写が神話上でも出てきます。
また、モイライの司る運命は、死ぬ場所や時間といったものだけでなく、人生の筋書き全て(日常で誰と言葉をかわすか等)を対象としており、汎用性も非常に高い権能です。
現代におけるギリシア神話の解釈ではゼウスに従属する神として扱われていますが、昔のギリシア神話ではモイライはゼウスよりも上位の存在であったという説も強く、権能が異常に強い理由でもあると考えられています。
しかし、モイライの運命の権能は万能では無いと予想され、神話上でも主に人間の生死に対しての運命を定めることが多い一方で、神族や巨人などに対して死の運命を決定する描写はありません。
恐らく、神族や巨人のような強大な力を持つ存在や不死の力を持つ存在の運命を決めるのは、モイライであっても難しいのでしょう。
ただ、相手が絶大な力を持つ神や巨人などが相手でも多少の干渉は可能であると考えられ、それを示唆しているのがテュポーンに対して「無常の果実」を渡して食べさせている場面です。
モイライが機転を利かせたようにも見えるシーンですが、テュポーンか自分たちの運命を予知していたからこそ出来たと考えれば、割と納得のいくシーンでもあります。
ちなみにモイライの三女神は運命の権能が強く、直接戦闘能力が低そうに見えますが、ギガントマキアでは巨人族のアグリオスやトオーンといった強力な巨人たちを青銅の棍棒で殴り倒して活躍しており、純粋な戦闘能力でもギリシア神々の中で上位と考えられます。
更に運命を操作する力で同格以上の相手であっても、自分たちが多少有利になるように仕向ければ、神々の中でも最上位に匹敵する力が有るであろうと判断し、ランキングではこの位置で評価しました。
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