はじめに
本記事は自作マンガをKindle出版する方法について解説しています。
前提として、すでに自作マンガを制作済みの方に向けた内容となっていますので、未だ自作マンガを作ったことが無いという方は以下の記事を読んで先に自作マンガを作成して下さい。
Kindle出版について
Kindle出版というのは自作本をAmazonが運営している、Kindleストアに公開することを指しています。
公開した自作本は通常の本同様に設定した金額で販売されるか、もしくはKindle Unlimitedの読み放題ユーザに読まれるかすることで印税を得ることが出来ます。
この辺についての詳細は過去に以下記事で解説していますので、Kindle出版自体について詳しく知りたい場合はこちらを先に読んでください。
今回解説する自作マンガの出版も先ほどの記事と基本的に同じ方法でKindle出版することになりますが、ここで問題となってくるのは文章がメインの本とマンガ本ではファイル形式が基本的に異なるためです。
文章がメインの自作本であればWordで作りさえすれば、そのまま何の加工等もせずにKindleに出版が出来ます。
しかし、マンガ本のようにイラストがメインの自作本の場合は一ページ毎の画像ファイル(gif、ping、jpg等)のため、そのままのファイル形式ではKindle出版が出来ません。
Kindle出版でサポートされているファイル形式は公式サイトにある通り、WordファイルやHTML、TXTやPDF等といった汎用的なものと、Kindle専用のファイル形式(KPFやMOBI)となっています。
そう、画像ファイル(gif、ping、jpg等)のままではKindle出版は出来ないのです!
もちろん、イラストがメインのマンガ本も無理やりWordで作ることは可能(イラストを貼って都度ページ区切りを入れる等)ですが、正直無駄に手間が掛かりますし、出来栄えもあまり良くありません。
そのため、イラストのような画像ファイルがメインとなるマンガ本については「Kindle Comic Creator」という専用のツールを使って、Kindle出版が出来る形式に変換しておく必要があります。
Kindle Comic Creatorの使い方
「Kindle Comic Creator」はKindleが公式で提供しているマンガ本作成のためのツールです。
先ずは公式サイト(https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G201217140)からダウンロードして、PCにインストールしてください。
尚、ツールを使い始める前にマンガ本に使うための画像ファイルは事前に用意しておいてください。ツールの中で画像ファイルを設定する個所が出てきます。
インストールした「Kindle Comic Creator」を起動すると、次のような画面が表示されます。
新しくマンガ本を作成する場合は「新しい本を作成」を押してください。一度作った後は「既存の本を開く」で再度開けるようになります。
そうすると、次のように新しい本を作成する際の条件を指定する画面が出てきます。
ここで設定する内容は初めての人であればこの画像の通り(デフォルト)で問題ないと思います。
本のページ進行方向だけはマンガのスタイル次第となりますが、日本式のマンガであれば基本的に右から左が大半だと思います。
設定に問題が無いことを確認して「続ける」で先に進むと、次のような画面が表示されます。
「タイトル」にはマンガ本に付ける予定の本の名前を設定してください。
「著者」にはあなたのペンネームを設定してください。今後複数本を出版する予定があるのであれば、全てで統一しておく方が良いと思います。
「カバー画像」は本の表紙になる画像のことです、あらかじめ出力しておいたマンガ本の表紙画像を設定しましょう。
「新しい本をどこに保存しますか」はこのツールで作成される本の保存先となりますので、どこか適当な位置に空のフォルダを作成して、そこを設定してください。
全ての設定が完了したら、「ページの追加を開始」を押してください。
そうすると、マンガ本にするための画像ファイルを選択することが出来ますので、あらかじめ出力しておいたマンガ本用の画像ファイルを選択して下さい。
それらの設定が終わると、上のように選択した画像ファイルがマンガ本のページとして設定される形で、ツール上に表示されます。
ページの並び順が問題ないかの確認や、2話目以降は別の画像ファイルで管理している場合は、「ページを追加」を押して、マンガ本にしたい画像を全て設定していってください。
ただ、このままページを追加しているだけだと、マンガ本としてタブレットやPC等の横幅が広い画面で見た場合も、1ページずつでしか表示されません(スマホで見る人ならこのままでも良いのですが)。
そのため、各ページについてはタブレットを横向きにした場合等は普通のマンガ本同様に画面に2ページ表示される設定にしておく方が良いです。
設定は次の画像の通り、「ページ設定」をクリックして、「2ページ表示」を選択するだけです。
左側のページ部分で特定のページを選択している場合は、そのページの前後だけが2ページ表示となります。
一気に全てのページを2ページ表示にしたい場合は、左側ですべてのページを選択した状態にしたうえで、ページ設定をしてください。
最後に作成したマンガ本をKindle出版するためのファイル形式で出力します。
次の画像のように「ファイル」から「KF8ブックとしてエクスポート」を選択して、好きなフォルダにファイル出力してください。
ファイルを出力すると指定したフォルダに次のようなMOBIファイルが2つ出来ます。
正直、片方のカッコが付いたファイルはツールのバグで出力されているだけだと思いますので、カッコが付いていないファイルをKindle出版すれば良いです。
MOBIファイルというのは本解説の最初の方でKindle出版可能なファイル形式として説明した通りのもので、このMOBIファイルの中に今回作成したマンガ本が出来た状態となります。
自作したマンガ本をKindle出版
MOBIファイルの作成さえ完了すれば、後はWordファイルの本を出版するときの手順と全く同じです。
Kindle出版手の手順を進めていき、「原稿」のところで今回作成したマンガ本用のMOBIファイルを設定してください。
それ以外の個所は全て前の記事で解説した、Word本の出版と同様です。これで自作したマンガ本をKindle出版が出来ます。
まとめ
本記事は自作マンガをKindle出版する方法について解説しました。
前回の記事と合わせれば文章が主体の自作本もイラストが主体のマンガ本もどちらもKindle出版する方法が分かったと思います。
今後は自作本をKindle出版する人が非常に増えてくると予想されますので、今のうちにそれぞれの方法についてしっかり理解しておくことをお勧めします。
特にマンガ本は文章主体の本よりも市場規模が断然大きいため、自作のマンガ本というのは今後かなり広まってくると思います(個人的な感想ですが)。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
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