インド神話における最強議論
世の中には様々な神話や宗教、伝説などが存在しますが、その中でもインド神話は特にスケール感が大きく、最強議論では必ず話題になります。
私は以前、全ての神話・宗教・伝説を対象として最強ランキングを作成しましたが、多くのインド神話の神々等がランキングに名を連ねました。
そこで今回は以前に作成した最強ランキングを元に、インド神話のみを対象とした個別のランキングを作成しました。
あくまで、この順位は私の主観が入っていますので、絶対に正しいというものではありませんし、そもそも絶対に正しいランキングなんて誰にも作れませんので、様々な意見が合って当たり前だと思っています。
なので、ぜひ皆さんも自分でランキングを考えてみて、私にもその結果を教えてもらえると大変嬉しく思います。
そもそもインド神話とは
インド神話の最強ランキングを発表する前に、「インド神話」と呼んでいるものがそもそも何かということについて話をしておきたいと思います。
インド神話は時代とともに徐々に変化していったため、当初の内容と後半の内容では登場する神の力などが大きく変化しているのが特徴です(インド神話特有のパワーインフレ)。
インド神話の時代の流れは大別すると、以下の3つに分類されます。
ヴェーダ神話 (紀元前1500年~紀元前500年頃):『リグ・ヴェーダ』に登場する神々(インドラ、アグニ、ヴァルナなど)が織りなす物語。ヒンドゥー教の前身であるバラモン教の元となっている神話。
エピック(叙事詩)神話 (紀元前500年~紀元後500年頃):『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』などインド神話を代表する数々の文献が作られた。クリシュナ、ラーマなどの神格化された英雄が登場し、ヒンドゥー教(ヒンドゥー神話)に移行されていく。
プラーナ神話(紀元後300年~1000年頃) :シヴァ、ヴィシュヌ、デーヴィ(女神)などの物語が膨大に展開され、今日のヒンドゥー教的世界観に直結した神話。
この流れの中で神々の立ち位置なども変わり、ヴェーダ神話の時代は最高神として称えられていたインドラがプラーナ神話の時代では、明確にシヴァやヴィシュヌの格下として扱われるようになりました。
他にも最新のインド神話(ヒンドゥー教)の中ですら、ヴィシュヌ派、シヴァ派、シャクティ派、スマールタ派といった宗派が存在しており、それぞれで最高神の扱いが異なっているという異例の状態となっています。
そのため、インド神話の最強ランキングを作ろうとすると、いつ時点の神話を元にしたのか、どの宗派に基づいた視点なのか、といった要素を考慮する必要があり、すべての人が納得するようなランキングを作ることは最初から不可能となっています。
今回のランキングではそういった要素を考慮しつつも、基本的には最新までの神話を基準としたうえで、私の独断と偏見に基づいて順位を決めていますので、そちらについてはあらかじめご了承ください。
最強ランキング(インド神話)
それではここから下位から順にランキングを発表していきます。
ランキングの対象は、神話内で明確に力を示すシーンがあった存在を中心としています。
有名どころでいうと、アグニ・ガネーシャ・スカンダ等は相当の強さを持っているはずですが、神話上の描写からは強さを測るのが難しいため、ランキングから除外しています。
また、ヴィシュヌの化身(ラーマやクリシュナ等)のように個別の存在として神話に登場しているものの、本来は同一存在とされている者たちは、元の存在の一部として扱うことにしています(化身等は個別にランキングに入れない)。
ちなみに他にもマイナーですが強い存在(ラクタヴィージャ等)はインド神話に大量におり、それらを全てランキング化するのは厳しいことから、今回のランキングは有名どころを中心にしていることもご理解ください。
14位:ビーマ(総合ランキング75位)
ビーマはインド神話のヘラクレスと呼ばれることもあるほどの英雄で、「一万頭の象に等しい腕力の持ち主」とされています。
肉体の強さや毒等への耐性は並の神よりも遥かに強いような描写が多く、明らかに人間の領域を超越した存在です。
詳細は以下の記事をご確認ください。
13位:カルナ(総合ランキング65位)
カルナは太陽神スーリヤと人間の子供であり、生まれたときから不死身となる装備を身に付けていたとされる、半神の大英雄です。
神すら滅ぼすとされる「インドラの神槍」を扱うことも出来るため、並の神々と比べても遥かに強い力を持った存在です。
詳細は以下の記事をご確認ください。
12位:インドラ(総合ランキング57位)
ヴェーダ神話の文献『リグ・ヴェーダ』では、内容の4分の1近くがインドラを称えるものとなっており、インド神話の最初期では疑う余地の無い至高の存在でした。
しかし、時代の変化とともに徐々に扱いが悪くなっていき、最終的にはすぐに敵にボコボコにされて、シヴァやヴィシュヌに泣きつくという情けない立場にまで落ちたという非常に不憫な存在でもあります。
詳細は以下の記事をご確認ください。
11位:マヒシャ(総合ランキング54位)
マヒシャはインド神話に良く出てくるチート加護を持ったアスラであり、「男神には倒されない」という力を持っています。
このマヒシャを倒すために生み出されたのが女神ドゥルガーであり、今日でもインドのお祭りなどで語られている存在です。
詳細は以下の記事をご確認ください。
10位:ハヌマーン(総合ランキング50位)
ハヌマーンは主に叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する最強のヴァナラ(猿神)であり、西遊記の孫悟空のモデルになった神とも言われています。
一度死んだ後に多数の神々から強力な加護を貰うという、なろう系主人公のような存在ですが、神話内ではラーマ王子の家臣として活躍する形となっています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
9位:メーガナーダ(総合ランキング46位)
メーガナーダはインド神話の叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する羅刹王ラーヴァナの息子であり、天界の最高神である雷神インドラを倒したことで「インドラジット(インドラに勝利した者)」という異名で呼ばれるようになりました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
8位:ラーヴァナ(総合ランキング45位)
ラーヴァナはインド神話の叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する大魔王であり、南方の島国ランカー(現代のスリランカ)を支配した最強の羅刹王です。
ラーヴァナもインド神話に良く出てくるチート加護を持ったアスラの一人であり、「神々には倒されない」といった強力な力を持っています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
7位:アルジュナ(総合ランキング40位)
アルジュナは半神でありながら数多くの神々の武器「アストラ」を使用することができ、雷神インドラを退けたこともある、人間の領域を超越した存在です。
本来であれば半神がこんなにランキング上位に来ることなど有り得ないのですが、アルジュナは「ブラフマシラーストラ」と「パーシュパタ」を扱える規格外の存在であるため、これだけの高評価となっています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
6位:ヒラニヤカシプ(総合ランキング38位)
ヒラニヤカシプはインド神話における「チート・オブ・チート」と言っても過言ではない力を有しており、「神に、アスラに、人に、獣に、昼の間に、夜の間に、家の中でも外でも、地上でも空中でも、どんな武器でも殺されない体」という加護を持っています。
普通に考えてどうやっても倒せない存在であり、ここまで徹底した無敵を持っているのはパワーインフレが激しいインド神話においても、ヒラニヤカシプくらいでしょう。
詳細は以下の記事をご確認ください。
5位:パールヴァティー&ドゥルガー&カーリー(総合ランキング20位)
パールヴァティー、ドゥルガー、カーリーは同一の存在とされることが多い女神のため、今回のランキングでも一緒に扱っていますが、ランキング理由の9割以上はカーリーの存在です。
カーリーは「踊っただけで世界を崩壊させる」というシヴァに準ずるほどの力を持っている存在であり、ヒンドゥー教の宗派の一つである「シャクティ派」においても特別視されています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
4位:ブラフマー(総合ランキング10位)
ブラフマーはインド神話における創造神であり、ヴィシュヌ、シヴァと並んでヒンドゥー教の三神一体(トリムールティ)の一柱として知られています。
神話内での扱いは良くないのですが、設定上の力や格はヴィシュヌとシヴァに次ぐレベルなのは間違いなく、他の神々とは比にならないスペックを誇っています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
3位:ヴィシュヌ(総合ランキング6位)
ヴィシュヌはインド神話とヒンドゥー教において、ブラフマー(創造神)・シヴァ(破壊神)と共に三神一体(トリムールティ)の一柱として知られる維持神です。
クリシュナやラーマ王子といった強力な力を持った化身として活動することが多いですが、シヴァと同格の力を持った存在として神話内では扱われています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
2位:シヴァ(総合ランキング5位)
シヴァはインド神話やヒンドゥー教において、最も有名かつ重要な三神一体(トリムールティ)の一柱です。
シヴァはインド神話における最強の力を持った破壊神であり、その力は踊っただけで宇宙を破壊出来るほどだとされており、スケール感の大きいインド神話の中でも群を抜いた力を持っています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
1位:パラ・ブラフマン(総合ランキング2位)
ヒンドゥー教では様々な宗派があると冒頭でも言いましたが、ほとんどの宗派に共通する考えとして「パラ・ブラフマン(最も高次元の究極的存在)」が神々の根源(一つの真理)としています。
つまり、ヴィシュヌやシヴァといった規格外の力を持つ神々も「パラ・ブラフマン」から現れている一つの側面でしかないということです。
この「パラ・ブラフマン」は人格を持っている派と持っていない派で更に宗派が分かれるのですが、人格を持っているという宗派の中でアディ・パラシャクティ(もしくはマハデヴィ)こそがパラ・ブラフマンだと言う人たちはシャクティ派とされています。
詳細は以下の記事をご確認ください。
まとめ
今回のランキングは以前に全ての神話や宗教、伝説を合わせた総合ランキングの中で、インド神話にのみ焦点を当てたものとしました。
インド神話はスケール感がとにかく大きく、登場する神も非常に多いため、今回のランキングに登場していないものでも、非常に強力な存在は多数います。
流石にそれら全部を評価するのは大変だったので、今後時間があれば追記する形でランキングを拡充していこうと思います。
特にガルダやラクタヴィージャなどの強力な存在はインドラにも匹敵するはずなので、正式なランキングを作ると間違いなく入ってくるはずです。
今後、他の神話なども同様に個別の神話や宗教内でのランキングを別で作成しようと考えていますので、興味があれば閲覧いただければと思います。
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