ヴィシュヌはインド神話やヒンドゥー教の維持神で、創造神ブラフマー、破壊神シヴァと並ぶ三神一体(トリムールティ)の一柱として、世界の調和を保つ役目を担っています。世界が崩壊の危機に陥るとアヴァターラ(化身)の姿で地上に現れて人々を救うとされていて、『ラーマーヤナ』のラーマ王子や『マハーバーラタ』のクリシュナ、さらには仏教の開祖ブッダまでがヴィシュヌの化身だと考えられています。小人の姿でアスラの王バリに三歩分の土地をねだり、元の姿に戻って三歩で天と地をまたいでしまった逸話がとくに有名です。
神話・宗教・伝説 最強ランキング TOP100
本記事は、世界の神話・宗教・伝説に登場する神々や怪物、英雄たちを強さ順に評価した「神話・宗教・伝説 最強ランキング TOP100」のうち、6位:ヴィシュヌ(インド神話、ヒンドゥー教)を紹介する記事です。
ランキング全体の一覧(TOP100)や強さ評価の前提が知りたい人は、以下のまとめ記事から確認してもらえればと思います。
6位:ヴィシュヌ(インド神話、ヒンドゥー教)


概要
ヴィシュヌはインド神話とヒンドゥー教において、ブラフマー(創造神)・シヴァ(破壊神)と共に三神一体(トリムールティ)の一柱として知られる維持神です。
ヴィシュヌの主な役割は宇宙と世界の調和を保ち、崩壊の危機に瀕したときに救済をもたらすことです。
救済をもたらすときは主に「アヴァターラ(化身)」を使って、地上に現れるとされています。今回のランキングでは化身は本体の力の一部という扱いなので、インド神話で有名な化身たちは基本的にヴィシュヌの力の一端としています。
ヴィシュヌの有名なエピソードとして、インドラを倒して三界(天・地・空)を支配した強力なアスラであるバリ王に対して、小人に姿を変えたヴィシュヌが「三歩分の土地を恵んで欲しい」と願いました。
バリ王は小人の三歩分程度なら問題ないと答えたところ、ヴィシュヌは本来の姿に戻り、三歩だけで天界、地上界、そしてバリ王を踏みつけて地下の世界に押し込んだとされることから、ヴィシュヌは三歩で世界を跨ぐほどの強大な神として信仰されることになりました。
ヴィシュヌには無数の化身がありますが、その中でも特に力を持った化身が10の化身あるとされています。その中でも特に有名な化身としては、ラーマ王子(『ラーマーヤナ』の主人公)や、クリシュナ(『マハーバーラタ』に登場する英雄)が挙げられます。
他にも魚(マツヤ)、亀(クールマ)、猪(ヴァラーハ)といった動物の姿で現れることもあります。尚、意外なものとして仏教の開祖であるブッダもヴィシュヌの化身とされており、悪魔を欺き惑わす存在として扱われています。
最後の化身とされる10番目の化身カルキは時間を司る力を持っており、宇宙に跋扈する悪を全て滅して黄金時代を到来させる存在とされていることからも、時間や宇宙規模の力を持った破格の存在です。
ランキングの理由
ヴィシュヌはシヴァと同格の存在とされながらも、ヴィシュヌ本人が戦うエピソードは神話上ではほとんど無く、基本的には化身がヴィシュヌの代わりに地上に降りて戦うため、シヴァと比較すると力の強さが分かりづらい部分があります。
基本的にはクリシュナがヴィシュヌの持つ力を多く持ち合わせているという化身ですが、倒したアスラや軍勢は数多くいるものの、上位の神々程度の力しか見せていません。
ただ、クリシュナとアルジュナとの会話で「ヴィシュヴァールーパ」というヴィシュヌの本来の姿を見せた時、「その神の中には多様に分かたれた無限の世界が収められている」とアルジュナは理解し、ヴィシュヌ自身も「この世を滅ぼす力であり、時間である」と言っていることからも、シヴァと同様に世界を滅ぼす力も時間を超越した力も持っていると考えられます。
今の宇宙自体がヴィシュヌの見ている泡沫の夢に過ぎないという説も有るくらいなので、ヴィシュヌは世界や宇宙よりも遥かに高い次元の存在であるということですね。
これらのことから、ランキングの順位としてもこの位置としました。
ヴィシュヌが原典でどのように語られているのか――その神話の全体像は、原典解説シリーズでくわしく読めます。
書籍の紹介
本ランキングの内容を1冊にまとめた書籍を執筆しました!ランキングの理由は各神話などの逸話を踏まえたものにしているため、それなりの納得感はある一冊だと思います。
書籍の方にしか載せていないコラム等も多数ありますので、興味があれば以下から確認してみてください。
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