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【Unity】Game Creator 2 概要 ― 機能一覧とゲーム作成の進め方

【Unity】Game Creator 2 概要 ― 機能一覧とゲーム作成の進め方

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本記事は、Unity用のゲーム制作ツールキット「Game Creator 2」(以下GC2)の全体像と、ゲームを作り始めるための流れについて解説します。

公式ドキュメント:Game Creator 2 Documentation

GC2は公式ドキュメントが全1860ページ前後と非常に膨大ですが、本シリーズでは各モジュールの機能詳細を日本語でまとめていきます。まずはこの記事でGC2の全体像を掴んでいただければと思います。


Game Creator 2 とは

Game Creator 2は、Unity上でコードを書かずに(あるいはコードと組み合わせて)ゲームを組み立てられるノーコード/ローコード系のゲーム制作ツールキットです。開発元はCatsoft Worksとなります。

対象ユーザーとしては以下のような方々が想定されています。

  • 初心者:覚える概念が少なく、学習コストが低い
  • 経験者/プログラマ:UnityのAPIを隠蔽せずに露出させているため、スクリプトから拡張できる
  • レベル/アートデザイナ:プレイアブルキャラクターとカメラを数クリックで用意し、環境テストが即できる

基本パッケージである「Game Creator 2(コア)」と、それを拡張するモジュール群の組み合わせで構成されます。

なお、GC1(旧バージョン)とは互換性がありません。アーキテクチャが刷新されていますが、概念は類似しています。

バージョンと前提

  • Unityの最新バージョンを推奨。v2.17.51以降でUnity 6に対応
  • レンダリングパイプラインはBRP/URP/HDRPどれでも利用可能。GC2のマテリアルは Edit > Rendering > Materials > Convert all built-in materials to URP/HDRP で変換できます

パッケージ構成(コアと各アセット)

GC2は1本のコアパッケージと、複数のアドオン型モジュールに分かれて販売されています。モジュールはコアが必須となります。

コア(Game Creator 2)

ゲームの基盤となる4つの機能を提供します。

機能概要
Charactersプレイヤー/NPCを扱うキャラクターシステム。移動・ジャンプ・IK・足音・ラグドール・ナビメッシュなどを1つの Character コンポーネントに集約
CamerasMain Camera と、その挙動を差し替える Camera Shot(三人称/一人称/追従/固定/ロックオンなど)
Visual Scriptingノードグラフではなく「タスクリスト方式」のビジュアルスクリプト。Actions(命令の列)/Triggers(イベント受信)/Conditions(分岐)の3コンポーネントで構成
VariablesName Variables(名前で参照)とList Variables(配列)。さらにLocal(シーン内)とGlobal(シーン間共有)の2スコープ

上記に加え、コアには次の補助機能が含まれます。

  • Audio(Ambient/Music/SFX/UI/Speechの5チャンネル音声システム)
  • Signals(識別子付きメッセージのブロードキャスト)
  • Properties(動的な値の取得/設定抽象)
  • Save & LoadIGameSave インターフェースと Remember コンポーネントによるセーブ/ロード)
  • Tweening(値の補間アニメーション)
  • Data Structures(Unique ID/Singleton/Dictionary/Tree/State Machine/Spatial Hash等の汎用構造体)

モジュール(別売りアセット)

モジュール主な役割
Inventoryアイテム定義・バッグ(所持品)・装備・クラフト・ショップ・ドロップ・ソケット/ルーン、通貨(Currency)、属性継承
Dialogue分岐会話、話者(Actor)、UIスキン、ポートレート切り替え、会話ノードの条件分岐
StatsRPG的な能力値(Stat)/ステータス(Attribute)/クラス(Class)/状態異常、Formulaによる計算式
Questsクエスト/タスク階層、日誌(Journal)、ミニマップ、ナビゲーションコンパス、インジケータ
BehaviorAI全般。ステートマシン、ビヘイビアツリー、GOAP、Utility AIの4方式を同居させた Processor
Perception視覚・聴覚・嗅覚・第六感(Feel)センサとAwarenessメーター、Evidenceシステム
Shooter遠距離戦闘。Weapon/Projectile/Muzzle/Sight/Shell/FK・IK、アイアンサイト、リコイル
Melee近距離戦闘。Weapon/Combo/Skill/Shield/Parry/リアクション
Traversalクライミングなど移動拡張(開発中)

Extensions(無料拡張)

公式サイトから .unitypackage 形式で配布される無償の拡張機能です。

  • Transitions:ローディング画面付きのシーン遷移
  • Localization:Unity Localizationとの統合(テキスト/画像/GameObjectのローカライズ)
  • Addressables:Unity Addressablesとの統合
  • Footsteps:既存アニメーションクリップにGC2の足音フェーズを自動付与

ゲーム作成の基本ワークフロー

公式ドキュメントの “First Steps”(第4章)をベースにした最小構成の流れです。5分程度で動くキャラクターとカメラが用意できます

プロジェクトの準備

  1. Unity Hubから最新版Unityをインストールし、空のプロジェクトを作成する
  2. Unity Asset Storeから**Game Creator 2(コア)**を購入・ダウンロードし、Package Managerからインポート
  3. 上部メニューに Game Creator が現れ、Hierarchy/Projectの右クリックメニューに Game Creator サブメニューが追加されていればインストール成功

Gitで管理する場合

.gitignore に以下を追記します。

# Game Creator
/Assets/Plugins/GameCreator/Documentation.pdf
/Assets/Plugins/GameCreator/Packages

Packages 行は省略可です。コードも手元に残したい場合は1行目のみでOKとなります。

最小構成のシーンを作る

  1. :Hierarchyで右クリック → 3D Object > Plane
  2. ライトLight > Directional Light を追加し、床を照らすように配置
  3. カメラCreate > Camera。タグを MainCamera に変更し、床を向ける

プレイヤーキャラクターを作る

Hierarchyで右クリック → Game Creator > Characters > Player を選択します。

Tポーズのキャラクターが配置され、Is Player がONになった Character コンポーネントが付きます。Playを押せば、WASD/ゲームパッドの左スティックで移動可能です。

注意点として、Is Player を持てるのはシーンあたり1体だけです。切替は Change Player インストラクションを使います。

カメラを設定する

  1. Hierarchy右クリック → Game Creator > Cameras > Camera Shot
  2. 初期状態は Fixed Position。型名をクリックして Third Person に変更
  3. Look TargetOrbit Target にPlayerを指定
  4. Playするとマウス/右スティックでカメラがPlayerを軌道周回するようになる

Camera Shot作成時にシーンカメラへ自動的に Main Camera コンポーネントが付加され、Shotが割り当てられます。

ビジュアルスクリプトでゲームロジックを足す

Visual Scriptingは次の3コンポーネントが中心です。

  • Actions:上から下へ順に実行する命令リスト。Add Instruction で追加
  • Triggers:シーン上のイベント(開始時/衝突時/入力時など)を受けて処理を開始
  • Conditions:条件分岐。Branch に条件リストと命令リストを持たせる

追加でHotspotsというコンポーネントもあり、インタラクト可能オブジェクトを視覚的に強調したり、Characterに頭を向けさせたりできます。

命令はすべて組込みドキュメント付き(右クリック → Help)です。ブレークポイントDisableで個別にデバッグ可能となっています。

変数でゲーム進行を管理

  • Name Variablescore のように名前で参照
  • List Variable:0始まりの添字で要素にアクセス
  • Local:シーン限定。Hierarchy右クリック → Game Creator > Variables > Name/List Variables
  • Global:プロジェクト全体。Project右クリック → Create > Game Creator > Variables > Name/List Variables
  • サポート型:Number/String/Boolean/Vector3/Color/Texture/Sprite/GameObject(Texture・Sprite・GameObjectはセーブ不可)
  • Nested Accesstarget/health のようにスラッシュ区切りで「変数が指すオブジェクトが持つ変数」を辿れる

セーブ&ロード

  • コアにセーブ/ロードシステムが内蔵されています。Remember コンポーネントを付けたオブジェクトのみ状態が記録されます
  • 独自データを保存する場合は IGameSave インターフェースを実装し、OnEnable/OnDisable で登録/解除します
  • カスタムDB(クラウドなど)にも差し替え可能です

サンプルで学ぶ

  • Game Creator > Install... でサンプル/テンプレートを選択してインストール
  • インストール先は Assets/Plugins/GameCreator/Installs/<module>.<example>@<version>/
  • 依存関係は自動で解決されます。削除はフォルダを右クリック → Delete

Toolbar(バージョン2.3.15以降)

シーンビューに常駐するドック可能なツールバーです。主要オブジェクトをワンクリックで生成できます。

表示されない場合はシーンビュー上部タブで右クリック → Overlay MenuGame Creator をONにしてください。


どんなゲームを作れるか ― モジュールの組み合わせ例

GC2の強みはモジュール同士の相互運用にあります。例として公式が挙げているのは次のような組み合わせです。

  • Dialogue × Stats:会話の選択肢に「力(strength)が一定以上なら成功」のような条件を付与
  • Perception × Behavior:敵の視覚・聴覚からAwarenessを上げ、BehaviorTreeで警戒行動に遷移
  • Shooter × Inventory:弾薬をアイテム化し、装備スロットから武器を切替
  • Quests × Dialogue:NPCとの会話でQuestを受注し、Tasksの進行で報酬Instructionを発火
  • Melee × Stats:攻撃力Statと武器プロパティをFormulaで合成してダメージ算出

ゲームを作り始めるときのおすすめ手順

公式ドキュメントの各モジュール導入セクションからまとめた推奨ステップです。

  1. コアのみで”動く”状態を作る
    • Player + ThirdPerson Camera + Planeで移動・カメラ操作を確認
  2. Visual Scriptingに慣れる
    • Trigger(On StartOn ClickOn Collision Enter)+ Actionsでゲーム開始メッセージやシーン遷移を組んでみる
  3. VariablesとSave/Loadで進行状況を管理できるようにする
  4. 作りたいゲームジャンルに応じてモジュールを導入
    • RPG:Stats + Inventory + Dialogue + Quests
    • アクション:Melee/Shooter + Behavior + Perception
    • アドベンチャー:Dialogue + Inventory + Quests
  5. Examplesのシーンを開いて、近いジャンルのサンプルをベースに改変する
  6. 必要に応じてExtensions(Transitions/Localization/Addressables/Footsteps)を導入
  7. プログラマがいればカスタムInstruction/Condition/Eventを追加し、独自ロジックをVisual Scriptingのパレットに登録

学習・コミュニティリソース

公式ドキュメントが案内している外部リソースです。

  • 公式サイトhttps://gamecreator.link/core
  • Courses:サイト上に無料のステップバイステップ教材あり
  • YouTube:公式チャンネルでビデオチュートリアルを公開
  • Game Creator Hub:コミュニティが無償でInstruction/Condition/Eventを公開しているWebプラットフォーム
  • Errata:ドキュメントの誤りは docs@gamecreator.io に報告

公式ドキュメント全体の構成(参考)

公式ドキュメント documentation.pdf は全1860ページ前後あり、大きく次の11部に分かれています。

内容PDFページ
IGame Creator(コア:Getting Started/Characters/Cameras/Visual Scripting/Variables/Advanced/Releases)〜917
IIInventory918〜
IIIDialogue1127〜
IVStats1195〜
VQuests1291〜
VIBehavior1379〜
VIIPerception1451〜
VIIIShooter1575〜
IXMelee1715〜
XTraversal(WIP)1832〜
XIExtensions(Transitions/Localization/Addressables/Footsteps)1834〜

本シリーズでは、この章立てに対応させて各機能の詳細を個別記事としてまとめていきます。


公式リンク


まとめ

本記事ではGame Creator 2の全体像について解説しました。如何だったでしょうか。

GC2はコアパッケージ+モジュールの組み合わせで、ノーコードから本格的なスクリプト拡張まで幅広い開発スタイルに対応したツールキットです。

5分程度でプレイヤーキャラクターとカメラを用意できる手軽さがありながら、モジュールを組み合わせることでRPG、アクション、アドベンチャーなど様々なジャンルのゲームを制作できます。

次回以降の記事では、各機能(Characters、Cameras、Visual Scripting、Variables等)について詳しく掘り下げていきますので、ぜひ合わせてご覧ください。

全記事一覧 ― Game Creator 2 完全ガイド シリーズ総合案内senkohome.com/gamecreator2-series-index/

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。

📚 シリーズ:Game Creator 2 完全ガイド(1/16)