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Steamでストアページを作成・審査・公開するための方法の解説

Steamのストアページを作成・審査・公開するための方法

本記事は個人ゲーム開発者(もしくはインディー開発)が Steam でストアページの作成と公開をするために必要な手順の解説です。

Steamでゲームを販売するための手順の流れについては以下ページをご確認ください。
尚、本手順は2025年9月に実際に私が登録した際の手順となりますので、Steam側の都合で手順が変更される可能性はありますので、あらかじめご了承ください。

ちなみに筆者がSteamに登録を申請したゲームは以下のものです。興味があれば覗いてみてください。

ストアページの準備と公開までに必要な作業

Steamでは自分の販売したいゲーム用のストアページを作成することが必須となっています。

ストアページというのは一つ一つのゲームごとに設けられている専用ページのことで、具体的には以下のようなページのことを指しています。
ストアページはそれぞれのゲームに合わせて自由にカスタマイズ出来るようになっていますが、最低限必要なものがいくつかあります。

今回は以下のステップの通りに、実際に私がストアページを準備・公開までした際の手順について解説します。

先に言っておきますが、ストアページの作成はかなり大変ですし、時間がかかります。すべて準備するのに数日は掛かることを念頭においてください。

①販売したいゲーム(アプリ)の新規作成
②ストアページ「基本情報」の準備
③ストアページ「説明」の準備
④ストアページ「レーティング」の準備
⑤ストアページ「早期アクセス」の準備
⑥ストアページ「グラフィックアセット」の準備
⑦ストアページ「予告編」の準備
⑧ストアページ「特殊設定」の準備
⑨ストアページ「ローカリゼーション」の準備
⑩ストアページ「公開」の準備
⑪アプリアイコンとショートカットアイコンの準備
⑫ストアページの審査と公開


尚、ここで挙げる作業はすべてSteamworks内での作業となりますので、Steamworksに未登録の方は以下の記事を確認し、Steamworksに登録してから作業を開始してください。

販売したいゲーム(アプリ)の新規作成

Steamworksの初回登録直後の状態だと、ダッシュボードを見てもアプリ(ゲーム)が一つも登録されていないことが分かります。

そのため、最初にすべきことは「販売したいゲームをSteamworksに登録する」ことからです。

まずは「アプリとパッケージ」のタブから「すべてのアプリケーション」を選択してください。
すると、開いた画面の右側に「新規アプリケーションを作成」という項目が出ています。

販売したいゲームを一つ登録するたびに「アプリクレジット」というものを消費するのですが、Steamworks登録時に支払ったデポジットによって、最初から1つ保有している状態となります。

そのため、2回目以降は再度$100を支払ってアプリクレジットを買う必要があります。これが、前の記事でも言っていた販売するゲーム毎に費用が掛かるという話です。

今回は初回のため、そのまま「アプリを新規作成」を押して大丈夫です。
販売するゲームの大雑把な情報を入力する画面が出てきますので、製品タイプに「ゲーム」を選択します(販売したいのがアプリの場合はアプリを選んでください)。

製品名に販売したいゲームのタイトルを入力してください。実際にストアページに表示されるタイトル名は別で設定できますので、ここでは自分が管理しやすい名前で良いです。

オプションでは無料の製品かどうか選べますが、有料で販売したい場合はチェックを付けないようにしてください。

ちなみに無料の製品でも$100のアプリクレジットは消費しますので、Steamをお手軽なフリーゲーム置き場にすることは出来ませんのでご注意ください。

無料で販売されているゲームの多くは「ゲーム内での課金要素や有料DLC」を持っているものが多く、純粋なフリーゲームはクレジットの関係でかなり少ないと思います(一部は制作者の名前を広げるため等の理由で出しているものもあると思いますが)。

とりあえず、入力が終わったら「今すぐ作成」を押してください。ここの入力情報も後で変えられるので、そこまで深く考えなくても問題ありません。
暫く待つと、以下のようにアプリが作成された旨のダイアログが出ますので、確認したら閉じましょう。

ちなみにSteamには様々なIDがありますので、簡単にここで紹介しておきます。

パートナーID: Steamworksのユーザーに紐づくID(外部への公開は非推奨
AppID: ゲームに紐づくIDでストアのURL等に使用されている(外部にも公開されている
デポID: ゲーム本体や体験版、DLC等にそれぞれ紐づくID(外部にも公開されている
ビルドID: ゲームのアップロードしたバージョンと紐づくID(外部にも公開されている
パッケージID: Steam内部の販売形態などと紐づくID(外部への公開は非推奨


大体こんな感じでしょうか? Steamworksの色んなところでIDの表示がされているのですが、正直どれがどのIDなのか良く分からなくなります。

判別が面倒なので、私の記事ではID系はすべて隠していますが、正直非推奨のものもバレたところでそんなに問題は起きないと思います。
アプリの作成が終わると、すべてのアプリケーションの画面に先ほど登録したゲームが表示されています。

以降はこの個別のゲームに対して、ストアページの作成を行っていく形になります。

まずは、このゲームのタイトル名をクリックして個別のページに飛んでください。
すると、対象のゲームのストアプレゼンス(ストアページのこと)、ゲームのビルド情報、リリース情報などが表示されます。

現在はまだ何も設定していないので、どれも作業の手順が表示されているだけですね。
画面を下に進めると、様々な項目が出てきます。

最終的にはどの項目も入力していく必要があるのですが、最初にストアページの整備からしていきます。

それでは「ストアプレゼンス」の欄にある「ストアページを編集」を押して、ストアページの作成をしていきましょう。

ストアページ「基本情報」の準備

ここからストアページの各タブに対する入力について解説していきますが、入力箇所が多いので、最終的に私が入力した内容を軽く伝えていく感じにしたいと思います。

正直、私自身これが正しい入力なのか良く分かっていない部分も多いので、あくまで参考レベルに留めておいて、ご自身で判断して入力されることをオススメします。

ちなみに画面にも映っている「ストアページのベストプラクティス」のリンクを見れば、困った時にどういったことをすれば良いのかが分かるようになっています(尚、理解できるとは言わない)。
開発者、パブリッシャーは設定したいものを自由に入力してください。

今後Steamでこの名前でやっていく可能性が高くなりますので、長く使っていける名前にしておくと良いと思います(出来れば英語が良いかと)。

まぁ、後で変えることも出来るので、そこまで深刻になる必要はないと思いますが。

シリーズは今後シリーズ化するのであれば一応入力しておいて良いと思いますが、基本的には入力不要だと思います。
「リンク」を押すと次のような画面がでますが、これはSteam内にクリエイターホームページかコミュニティグループをあらかじめ作っていないと選択出来ないようです。

今後、それらを作るようであれば、作ったあとにでも設定しておきましょう。
外部リンクの項目はゲームのウェブサイトや掲示板サイトなどあれば設定することが出来ます。

私の場合はゲーム用のウェブサイトを作成してあるので、そこをオンラインマニュアルURLも合わせて入力しておきました。

必須項目ではないので、特に入力しなくても問題はないと思います。
Steam Deck との互換性については、Steamが設定している方法で確認を事前に取っているのであれば、入力することが出来ます。

ただ、個人開発者の99%は事前に確認なんて取れないと思うので、未入力で問題ないと思います。
対応プラットフォームの項目には、あなたが販売したいゲームの最低システム要件と推奨要件を記載する必要があります。

中には深く考えていなかったという人も多いと思いますが、そういう場合は間違いなく動くことが確認できている、自分のPCスペックを書いておけば大丈夫でしょう。

ただ、自分のPCスペックが非常に高い場合、ゲームを動かすためには高いスペックが必要なのだと閲覧者に思わせてしまう可能性が高いため、できるだけ正確な方が良いでしょう。
ゲームに求められるスペックなので、人それぞれだと思いますが、私のゲームはBakin製なので、Bakinのツールを動かすための要件を使わせてもらっています。

まぁ、ツールを動かすための要件とゲームを動かすための要件は厳密には違うのですが、ツールが動くだけのスペックがあれば間違いなくゲームは動くはずなので…。
ちなみに対応プラットフォームの入力は後で登場する「対応言語」に合わせて複数パターンの入力が必要です。

上の画像では「英語」の記載でしたが、私のゲームは「日本語」にも対応していますので、それぞれの言語で記載しています。

言語の切り替えは「最低システム要件」の右横にある選択ボックスから出来ますので、ゲームが対応している言語分の記載をしてください。
次に「リリース日」の項目が出てきますが、今回は入力済みなので指定された日と顧客に表示される日が表示されていますが、本来は鉛筆マークのようなアイコンを押して設定します。
鉛筆マークアイコンを押すと、次のようなリリース予定日設定画面が出てきます。

ここは自分がリリースしたい予定日を入力すれば問題ありませんが、リリース予定日が2週間以内だと変更不可になるらしいので、直近過ぎる日は設定しないようにしておきましょう。

逆にゲームが完成してビルドも終わっているようであれば、具体的なリリース日を決めてアナウンスする方が良いと思います。
その次に出てくるのは「アダルトコンテンツ」の欄ですが、ここは後で「レーティング」のところで解説しますので、一旦飛ばします。
次に出てくるのが「対応言語」の欄です。ここでは販売するゲームが何の言語に対応しているのかを設定します。

この設定は極めて重要でして、対応言語を増やすほどにストアページで用意する文章や画像などが増えていくことになります。

それにゲーム自体もここで選択した言語にちゃんと対応していないと、リリースが出来ませんので(恐らく審査で弾かれる)、対応言語を追加するのは非常に大きな労力が必要となります。
そのため、あまり多くの言語に対応したくないと思い、日本語だけにしか対応しない個人開発者の方は多いです。

しかし、その考え方は労力が少なくなると同時に、海外ユーザーに自分のゲームを買ってもらう機会を失ってしまうことも意味します。

実際、Steamの利用ユーザーも以下ポストの通り、日本語ユーザーというのは非常に少なく、英語と中国語のユーザーだけで6割以上を占めています。
この事実を踏まえれば、最低でも英語には対応しておかないと、個人ゲーム開発者の数少ないチャンスをみすみす捨ててしまうことになってしまいます。

もちろん、他言語に対応したからといって、実際に海外ユーザーに売れる可能性がどこまであるかは販売するゲーム次第だと思います。

迷っている人がいるのであれば、以下の記事も参考にしてみてください(Steamでの販売にあたり重要な認識を書いています)。
ちなみにストアページの公開後(審査後)でも対応言語を追加することは出来ますが、タイトル名だけは審査後に追加する場合、別途サポートへの連絡が必要となります。

そのため、最初の審査に出す前に対応すべき言語は決めておき、それぞれのローカライズ設定を追加した状態で審査に出すことをオススメします。

主要言語の下にはマイナー言語の対応について選択する項目が出てきますが、まぁ個人ゲーム開発者にとっては関係ないでしょう(マイナー言語対応するほど余力は無いはずなので)。
続いて、「プレイヤー」という項目が出てきますが、これは1人用のゲームなのか、それとも複数人用のゲームなのかを入力する項目です。

個人ゲーム開発者が作れるゲームというのは大体が一人用だと思いますので、「シングルプレイヤー」にチェックを付けておけば問題ありません。

もし、複数人プレイに対応しているのであれば、「マルチプレイヤー」などの自分のゲームに一致するものにチェックを付けてください。
その次は「対応している機能」の項目が出てきます。

どの機能に対応しているかはそれぞれのゲーム次第なので、自分のゲームが対応しているものにチェックを付ければ問題ありません。

基本的にはどの項目も意識して実装しなければならない機能なので、特に意識して実装していない場合はすべてチェック無しとなります。

ただ、あとでチェックリストのところでも出てきますが、「Steam実績」「Steamクラウド」はSteam側で推奨している機能です。

そのため、出来ればこの2つは意識して実装して対応するのが良いかと思います。

この2機能に興味がある方は、別途記事を書きたいと思いますのでそちらをご確認ください。
次に出てくるのは「ジャンル」の項目です。ここでは販売するゲームがどういったジャンルなのかを選択します。

ジャンル選び自体に迷うことは少ないと思いますが、ここでは主要ジャンル1つとサブジャンル1~2つくらいにしておく方が良いと思います。

あまりに多くを選択しすぎると、何のゲームなのかユーザーを混乱させてしまい、逆に購買意欲を削ぐことになりかねませんので。
ジャンルの下にあるのは「タグ」です。

これは5個以上のタグを選ぶことが出来ますし、ストアページ上では4~5つ程度しかユーザーには見えませんので、恐らく大量に選択してもジャンルほど問題は無いと思います。

実際にタグを選択する画面には「自分のタイトルにタグ付けをする」を押せば、専用の画面が開きます。
タグ用の画面では右側の青字部分を押すと、それぞれのタグを選択できますので、自分のゲームに合ったタグを選択しましょう。

タグは表示の優先順も変えられるため、自分のゲームにとってより重要なものを上位にすれば、それで問題ないかと思います。

この画面で選択し終えれば、元の画面にもタグがいくつ設定されたのかを確認できます。
次に「コントローラーのサポート」という項目が出てきますが、これは販売するゲームがどのコントローラーをサポートしているのかを選択するところです。

ペンのアイコンを押せば、いくつもの質問が出てきますので、その質問に答えれば自動で設定されます。
実際に出てくる質問は以下のような感じです。流石に多いので縮小版だけ置いておきます。

自分のゲームがどのコントローラーに対応できているか分からない人は、その旨を回答すればよいとは思いますが、出来れば事前にコントローラーを買っておき、試したうえで回答するのが良いと思います。
続いて「アクセシビリティ」という項目ですが、これは販売するゲームがどれだけ多くの人に配慮出来ているかというものです。

これもペンのアイコンを押すか、「ウィザードを開始」を押せば専用の質問画面に飛びます(初回はペンのアイコン無いかも)。
難易度調整が出来るかどうかや、カメラを自由に切り替えできるか、音量を自由に調節出来るかなど、シンプルな質問が続いていきますので、それぞれ答えていってください。

ここで選択した内容はストアページの右側にひっそりと表示されるので、可能な限り正確に答えていくことをオススメします。
次に出てくる、「サードパーティーDRM」「サードパーティーアカウント」「アンチチート」などは個人開発者で実装している人はほぼ居ないと思いますので、すべてスルーでOKです。

実装している猛者がいれば、その内容を入力してください。
「法的通知」も個人レベルだとスルーで問題ないかと思います。

「サポート連絡窓口」は自分のウェブサイト(Ci-enなどがOKなのかは不明です)、サポートメールにはSteam用のメールアドレスを入力してください。

すべて入力が終わったら「保存」を押してください。これで「基本情報タブ」での入力尾は終わりですので、次のタブの入力に移りましょう。

ストアページ「説明」の準備

ここからはタブを移動して「説明」の記入を進めます。

このタブは非常に分かりやすいタブで、ストアページに表示されるゲームの紹介文を書くための場所となっています。
ゲームの紹介内容自体はそれぞれが考えて書く以外にはありませんが、いくつか重要な点がありますので解説しておきます。

まず、この紹介文も対応言語毎に用意する必要がありますので、紹介文の右上にある言語の選択ボックスから、対応言語の分をそれぞれ選択したうえで記入してください(言語毎に内容が記録されます)。

また、紹介文では見出しや太字等の文字の装飾が出来ますので、単調な文章を書くだけよりも、こういった装飾を活用する方が見た人の印象を良く出来ます。

あとは文章内に画像を差し込むことも可能で、文字の装飾の横にある画像っぽいアイコンをクリックすれば、事前にアップロードしたスクリーンショットを貼り付けられます(画面の下部で画像をアップロード出来ます)。
紹介文とは別に「短い説明」という項目も入力が必要です。

「短い説明」とはストアページを開いた時の動画や画像の右側に出ている、短い紹介文のことですね。

開いて最初に見る説明文であり、人によっては結構印象に残るものなので、ここには詳細な説明よりも、ゲームの魅力を使える一言を載せるイメージが良いと思います。
その下の「レビュー」「受賞リスト」「特別お知らせ欄」は世界的に有名な機関などに評価されたり、賞を受賞したかという話ですので、個人開発者には関係のない世界でしょう。

これ以降は特に入力するものもな無いので、「説明」タブの解説は以上となります。

尚、私はこのとき気づいていないのですが、よく考えると「ゲームのタイトル名」のローカライズverを設定していません。審査を出した時に指摘されるので、詳しくは記事の後半をご確認ください。

ストアページ「レーティング」の準備

続いて、「レーティング」のタブに移動してください。

これはゲームのレーティング(全年齢ゲームなのか、R12やR18といった制限が必要なのか等)に関する記入をする場所です。

とは言え、直接の入力は別の画面でするため「コンテンツアンケートページにアクセス」を押下してください。
そうすると、次々と販売するゲームについて質問が出てきます。

すべて正直に答えていけば問題無いですが、私のゲームみたいに露骨な性描写や暴力描写は無くても、多少のお色気要素(胸が揺れたり、パンチラしたり等)があれば、以下の画像のような回答となります。

すべて入力して「公開(2度目以降は保存)」を押せば、そのゲームの内容がどういったレーティングとなるか自動で決定されます。

私の場合は全年齢でOKみたいな感じでしたけど、このレーティングは後から変えられる可能性もあるらしいので、暫定verと思っておくほうが良いかもしれません。
元の画面に戻ってくると、画面の表示が少し変わっており、正式なレーティング機関によるレーティングがあれば選択するように言われます。

日本で有名なCEROも並んでいますが、個人開発者が事前にそういった機関にレーティングを受けることはまず無いと思いますので、全てチェック無しで大丈夫です。

念の為に「Save」でもしておけば、この「レーティング」タブでの入力は終わりです。

ストアページ「早期アクセス」の準備

続いて、「早期アクセス」のタブの入力入ります。

ただ、このタブは販売するゲームを早期アクセスにしたい場合以外には入力が不要です。

正直、個人開発レベルのゲームでは9割以上が早期アクセスを使う必要は無いと思いますので、こんな機能があるんだな程度に思っていれば大丈夫です。

もちろん私も使いません。なので、このタブでの入力は特に無しです。

ストアページ「グラフィックアセット」の準備

Steamのストアページ作成における最大の難所がこの「グラフィックアセット」の準備です。

ここでは「ストアアセット」の画像を最低4枚、「スクリーンショット」の画像を最低4枚、「ライブラリアセット」の画像を最低5枚作成する必要があります。

それぞれの画像はサイズが指定されているので、そのサイズに合わせた画像を作成する必要があります。

それぞれ細かく設定が別れているので、個別で解説していきます。

尚、これらの画像は原則として対応言語毎に用意する必要がありますので、言語が一つ増えるごとに作業が増していきます(流用できるものなら問題ないですが)。

ストアアセットの設定

「ストアアセット」というのはSteamストア内に表示される販促画像になります。

「ヘッダーカプセル(Header Capsule)」はストアページの右上に表示される画像で、ユーザーがページを開いた瞬間に目にするもののため、力を入れた画像にしておく必要があります。

「小型カプセル(Small Capsule)」はユーザーがSteamストアで検索を掛けた時に一覧で表示される小さなバナーのことで、小さい画像のため可能な限りロゴと主人公等のキャラクター画像を拡大して配置するの望ましいです。

「メインカプセル(Main Capsule)」ストアのトップページに載ったとき等に表示されたり、ストアページのURLをXに載せたりした場合に表示されます。

「垂直カプセル(Vertical Capsule)」は季節のセール期間中などに表示されるらしいですが、正直あまり使われる印象は無いですね。

個人開発者の多くがこれらの画像は使いまわしで済ませている人が多いですが、数少ないアピールの場なので出来れば印象に残るようなものにしておく方が良いかと思います。
ストアアセットの各画像を作成してアップロードすると以下のような確認画面が出てきます。

共通してロゴが画像の大きな部分を占めるようになっているかという確認がありますので、ロゴの大きさは意識する必要があるということだけは覚えておいてください。

スクリーンショットアセットの設定

「グラフィックアセット」タブの中にある「スクリーンショットアセット」タブは名前の通り、スクリーンショットをアップロードしていく場所です。

ただし、スクリーンショットといってもサイズは明確に指定されていますので、Windowsの機能で取得したそのままでは基本的に駄目で、サイズ調整をしてからアップロードする必要があります。

ここでアップロードした画像がストアページのトレーラー動画の横に表示される各画像なので、ユーザーが魅力的に思うようなゲーム画面をアップロードするのが良いかと思います。

言語毎に必要なため、このストアページを作る時点で対応言語のスクリーンショットが取れる状態まではゲームを作っておかないと駄目だということは覚えておいてください。

ライブラリアセットの設定

「グラフィックアセット」タブの中にある「ライブラリアセット」タブは「ストアアセット」の焼き増しのような画像を追加で作成する必要があります。

このライブラリアセットというのは、ユーザーが購入した後のライブラリ画面で表示される画像のようで、力を入れても販売数が伸びるというものでは無いと思います。

あくまで購入してくれたユーザーへのご褒美画像に近いので、余力がなければストアアセットの画像をサイズ変更して使い回すくらいで良いでしょう。

逆に購入者に感謝の気持ちを示したいなら、購入者にしか見れない魅力的な画像を付けておくというのも有りだとは思います。ここら辺は販売者のさじ加減ですね。
工夫が必要な箇所として、アップロードしたロゴ画像と巨大サイズのヒーロー画像を合体させる必要があるのですが、それはこの「配置ツール」を使います。

各画像のアップロードが終わったら、「配置ツールを開く」を押してください。
すると、アップロードしたヒーロー画像とロゴ画像が表示されるので、ロゴ画像を動かして、画像として良い感じにする必要があります。

このロゴ画像の移動は以下の画面のように、右上の角などをつまむことで場所移動させることが出来ます。

と言うか、それ以外の方法で場所移動させられないので、かなり使い勝手の悪いツールです…。
以下のようにロゴ画像とヒーロー画像を良い感じの配置に出来たら完成です!

ブロードキャストアセットの設定

「グラフィックアセット」タブの中にある「ブロードキャストアセット」タブはライブ配信に対応した画像のようですが、正直どこまで効果があるのか分かりません。

そもそも配信ライブをしてもらえる個人開発ゲーム自体少ないでしょうし、この画像を変えたところで大きな意味もあまり無さそうには感じます。

絶対変えたほうが良いなどという意見があれば、私も聞きたいくらいなので、特別な理由がない限りはデフォルトのままでも特に問題ないと思います。

ストアページ「予告編」の準備

次のタブは「予告編」となりますが、ここではゲームのトレーラー(予告動画)やPV(紹介動画)、プレイ動画などをアップロードすることが出来ます。

動画は必須ではないのですが、ユーザーの大多数がストアページの動画の出来栄えを見て、購入するかどうかを判断するという報告もあるようなので、事実上の必須項目です。

また、ストアページ公開時点では動画を作成しなくても問題ないのですが、体験版などをゲームビルド際には作成が必須となりますので、どのみち後で作る必要はあることを覚えておいてください。

特に動画の開始から5秒~10秒くらいの印象が極めて重要で、その数秒間でユーザーに面白そうなゲームと思ってもらえるような動画にした方が良いようです。

まぁ、個人開発者がそんな事言われても困るとは思いますので、そういう人は普通にゲームのプレイ動画を編集して、盛り上がっている箇所を最初に持ってくるだけでも良いと思います。

とりあえず「新しい予告編を作成」のところに、動画の名前を設定して「作成」を押してください。
そして、動画をページにアップロードすると暫くの間は以下のように「Converting...」みたいな表示となります。

動画をSteam用に変換しているみたいなので、この表示の間は別の箇所の修正をすると良いと思います(ページを移動しても問題有りません)
動画の長さ次第でこの時間は変わると思ますが、大体1時間程度経って再度このページを見に来ると、以下のように動画のアップロードが完了しています。

アップロードが完了すると動画のサムネイル画像をアップロードできますので、自分の好きなサムネイルを設定しましょう。

サムネイルには少し前に作成したカプセル画像を使っても良いかもしれませんね。

カテゴリーなども選択したら「保存」を押してください。言語は何を選択していても、対象外の国を設定しなければ、すべての国に対して表示されるようです。
ちなみに対応言語が複数ある場合にほとんど同じ動画だけど、字幕や一部だけ変えたような多言語verを作る場合、「ベース動画」を設定すればよいです。

私は以下のようにほとんど同じ内容のPVを言語ごとで切り替えていますが、英語verにはベース動画を設定せずに、中国語と日本語verにはベース動画として英語を設定しています。

こうすると、英語圏のユーザーには普通に英語verのPVが表示され、中国語圏には中国語ver、日本語圏には日本語verが表示されるようになります。

対応言語が多い人ほどこの機能は役立つと思いますので、活用するのが良いと思います。

ストアページ「特殊設定」の準備

次は「特殊設定」タブになりますが、ここはDLCコンテンツや体験版の設定などが出来るようになっています。

今回は初回のストアページ作成という前提なので、バンドルやDLCなどは特に無い想定ですが、体験版があるならここで追加することが出来ます。

ただ、ストアページ公開の時点では体験版が無いことの方が多いので、今回のタイミングでは特に設定しないことにします。

ちなみにストアページ公開というニュースと、体験版作成のニュースは分けた方が販促的にも良いらしいです(2回盛り上げることが出来るので)。

体験版の作り方についてはゲームビルドの方の記事で解説しますので、そちらをご確認ください。
その下ではテスト希望者にアクセス権を提供できる機能やライブ配信をするための設定などがありますが、個人開発者は基本的には使うことは無いと思います。

使う場合は、書かれた内容に沿ってユーザーを追加すれば良いだけだと思いますが、私も使ってないので詳しくは分かりません・・・。
シリーズなどがあれば、最後の欄に設定できるみたいですが、初回には特に不要ですね。

ストアページ「ローカリゼーション」の準備

続いて「ローカリゼーション」のタブですが、ここは各ページで行っていた言語対応を一括で行うことが出来る機能です。

まぁ、機能というかJSONというテキストのような形式でローカライズが必要な箇所をすべて出力して、そこに自分で入力してアップロードするだけの原始的な機能っぽいですね。

ここは各画面で言語対応をしているのであれば、別に使う必要はない機能です。

もし、対応言語数が非常に多く、各画面で一つ一つ入力すると時間が掛かり過ぎるという場合に使うための機能だと思われます。

ストアページ「公開」の準備

最後の「公開」タブは初回の公開が終わらないと特に何も意味のない画面ですね。

後で初回のストアページ公開が終わったら、どんな画面になるかを確認しておきます。
公開後に確認したら以下のような表示になっていました。

どうやらこの「公開」タブでは公開後に変更した内容を取り消したり、変更した箇所の確認などが出来る機能のようですね。
ここまで終わればストアページを公開できる・・・とはいきません。

ストアページ公開のためのチェックリストがまだ一部完了になってないことに気が付くと思います。

そのため、残った作業について紹介していきます。

アプリアイコンとショートカットアイコンの準備

チェックリストで未完了となっているものとして、アプリアイコンとショートカットアイコンの設定というものがあると思います。

チェックリストの該当項目をクリックすると、以下の画面に飛びますので、ここで指定されたサイズと形式のショートカットアイコンをアップロードする必要があります。

ゲーム起動時のアイコンとなりますので地味に重要な設定です。

尚、「アップロード時にショートカットアイコンをアプリアイコンに変換します」にチェックを入れておけば、ショートカットアイコンのみでアプリアイコンが自動設定されます。
このようにアプリアイコンの方は自動で設定されました。

あえて分けたいという思いが無ければ、一緒に設定してしまって問題ないかと思います。

ストアページの審査と公開

ストアページの審査

ここまでの設定が完了すると、以下のようにストアプレゼンスのチェックリストがすべて完了の状態となります。

この状態となれば、ストアページを審査に出すことが出来るようになります。
審査に出す前に自分でもストアページの内容が問題ないか確認しておきましょう。

以下のようにアプリ画面の「ストアページを表示」から「ベータモードで表示」を選んでみてください。
そうすると、自分の作成したストアページが表示されます。

ここで自分の設定したとおりになっているか内容を良く確認したうえで、審査に出しましょう。

審査には時間が掛かるので、何度も凡ミスを繰り返すとそれだけで非常に長い時間が掛かってしまいます。
対応言語が複数ある場合はプレビュー画面のURLの末尾に「&l=english」などを付与すれば、英語verでのプレビュー画面に表示を切り替えることが出来ます。

英語の場合は「&l=english」、中国語(簡体字)の場合は「&l=schinese」です。それ以外の言語のは「Steamworksドキュメント」「API言語コード」をご確認ください。
審査に出す方法は、アプリ画面の上部に表示されている「ストアプレゼンス」の欄にある「レビューの準備完了」を押下するだけです。
そうすると、次のようにレビュー準備完了の画面とメモを残す画面が出てきますので、必要な内容を記載したうえで「OK」を押してください。
正直、このメモ欄に細かい情報を載せる必要はないですが、私は念の為にどんなゲームなのかを簡単に解説し、レーティングに関するコメントなどを書いておきました(以下はメモ内容の翻訳結果)。
提出が終わったら、画面が以下のようになります。

直前の画面でレビューは2~3日と書いてあったのに、こっちの画面では3~5日になっていますね・・・。

まぁ、こういう日数の表記ブレはSteamの至る所にありますので、長い方で見ておけば問題有りません。

あとは審査が完了するまで数日待機するだけです。

ちなみに審査期間中もストアページの編集自体は問題ないようです。ただ、申請から大きく変えすぎている場合は再審査の通告が来る可能性もあるようです。
そして、私の場合だと5営業日経ってようやく審査結果の連絡がメールで来ました。

審査結果としては「問題有り」ということで、どこが問題なのかについてコメントがあります。

内容的にはタイトルがローカライズ対応してないよっていう指摘なのですが、確かに言われればタイトルをローカライズ対応した記憶がありません。
調べたところ、ストアページの設定ではなく、「テクニカルツール」「Steamworks設定を編集」からタイトルのローカライズ対応が出来るようでした。
「アプリケーション」タブを開けば、以下のようにアプリケーション名前(タイトル)をローカライズ対応することが出来ます。

いや、ストアページにこういう設定を置けばいいじゃんって正直思いましたが、現状は別れた場所で記載するのが仕様のようなので、大人しく従いましょう。

ここで指摘箇所を修正してローカライズ名を追加しましたので、あとは同じ手順で再レビューを投げるだけです。
そして、更に待つこと4営業日(土曜日に再申請して、次の週の木曜日に結果が来ました)、無事に承認されました。

思ったよりもすんなりと承認された印象ですが、人によっては4~5回程度指摘されたりもするらしいので、複数回指摘されてもめげずに対応して申請すれば、承認されるはずです(2~3回の指摘が平均っぽい?)。
承認後のアプリの状態は以下のような感じになります。

あとはストアページのリリース日を「近日登場」に変えれば公開出来るようです(審査後に自動で公開される訳じゃなくて、手動で公開にするみたい)。

と思いましたが、他のゲームを見てみるとリリース日がずっと先なのにSteamの近日登場の一覧に載っているものが多くあるんですよね。
それで気になったので「近日登場として投稿」ボタンを押してみると、普通に公開できそうでした。

つまり、ストアページを公開することを「近日登場」と呼んでいますが、リリース日の「近日登場」とは全く別のことを指していることになります。

そのため、リリース日は暫く先の状態にしたままで、「今すぐ公開」を押してストアページを公開してみましょう。
暫く時間が掛かりますが、公開が終わると次のように最大10分ほどで近日登場として、Steamに表示されると伝えられました。
実際にURLを確認してみると、Steamに私のゲームが公開されていることを確認できました!
非常に長くなりましたが、これでSteamのストアページを準備から公開するまでの手順について解説しました。

長すぎてほとんどの人が途中で脱落したと思いますが、ストアページの公開はこれくらい大変だというのがご理解いただけたかなと思います…。

まとめ

今回はSteamのストアページを準備・公開するまでの手順について解説しました。

一つ前のSteamworks登録手順も非常に面倒な作業が多かったですが、ストアページの準備はそれを遥かに凌ぐ作業が必要ということが身にしみて分かりました。。。

とは言え、自分が頑張って作ったゲームを紹介するためのページを作っていると考えれば、大変な作業もそれなりに楽しくは感じます

今回の手順はあくまで私のゲームを公開する時の手順でしたので、人によっては手順を変える必要もあるでしょうし、私が詰まらなかった部分で手こずることも十分に有りえます。

ただ、諦めずに作り続ければ必ず最後は公開まで出来ると思いますので、この苦労が自分の糧になると思って、挑戦してみてもらえればと思います。

それでは、ストアページ公開後は体験版等のビルドと公開、そして実際のリリースなどが待っていますので、興味があれば以降の記事も閲覧いただければと思います。
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