Steamworksに登録する方法の解説
本記事は個人ゲーム開発者(もしくはインディー開発)がSteamworksの配信プログラムに参加する際の方法について解説するものです。
Steamでゲームを販売するための全体の流れについては以下ページをご確認ください。
尚、本手順は2025年9月に実際に私が登録した際の手順となりますので、Steam 側の都合で手順が変更される可能性はありますので、あらかじめご了承ください。
ちなみに筆者がSteamに登録を申請したゲームは以下のものです。興味があれば覗いてみてください。
Steamworksへの登録手順
個人開発者やインディーゲーム開発社が Steam で制作したゲームを販売しようと考えた際に、必ずSteamworksへの登録が必要となっています。
そして、上の記事でも書いていますが、Steamworksに登録するためには$100(2025年9月の相場で約1万5千円)のデポジットと、登録完了までに30日間の待機期間が必要となります。
そのため、軽い気持ちでSteamworksに登録することはオススメ出来ませんが、逆に本気でSteamでの販売を考えている人は、30日間の待機を終わらせておくためにも早めに登録することをオススメします。
それではここからSteamworksに登録するための手順について解説していきます。
Steamアカウントの作成
まずは、Steamworksの公式ページに移動してください。移動すれば、以下のような画面が表示されます。
■Steamworks公式ページ
https://partner.steamgames.com/
続いて、「Steamアカウントを作成」を選び、Steamworksでのログインに使用するSteamアカウントを作成しましょう。
すでにゲームを遊ぶのに使用しているSteamアカウントを持っている人もいるかも知れませんが、基本的に遊び用と販売用のアカウントは分けておくほうが無難とされています。
まぁ、Steamの場合は一緒でも良いんじゃないかっていう人も多いですが、今回は念の為に新規で販売用アカウントを作成する手順で解説していきます。
「Steamアカウントを作成」のボタンを押下後は次のような画面となりますので、ゲーム販売用に使いたいメールアドレスと居住国を入力し、機械チェックを終えたうえで「続行」を押下してください。
その次にSteamアカウント名とパスワードを入力する画面が出てきますので、このSteamアカウントで使用したい名前とパスワードを入力して、「完了」を押下してください。
ここで設定したアカウントとパスワードが今後Steamworksのログインでも使用するアカウントとパスワードになりますので、他の人に不正ログインされにくいようなものにしたうえで、忘れないように管理しておく必要があります。
Steamworksに登録(配信プログラムに参加)
Steamアカウントを作成後に再度Steamworksの公式ページに移動し、今度はアカウントの作成ではなく、「サインイン」してください。
そうすると、次のようなSteamworksのダッシュボード画面に移動できますので、ここからSteamworksに登録するための入力作業を進めてくことになります。
まずは、「Steamworksに登録しようと思った理由は何ですか?」の質問に対して、自身の立場に合っているものを選んで「登録」を押下してください。
このページを見ている人の大多数は「自分自身が開発者またはパブリッシャーであるため。」に該当すると思います。
※以降の画像では、私のアカウント情報やキャプチャしたら不味そうな箇所は灰色の枠で塗りつぶしてあります
そうすると、配信プログラムに参加するためのステップなどを色々説明してくれるページが表示されますので、軽く目を通していってください。
ここで、上でも書いた前払い料金($100が必要)についてや、銀行・税金に関しての情報が必要になること、ストアページとゲームのビルドに1~5営業日が必要になるということ等について触れられています。
全てに目を通し終わって問題なさそうであれば、画面下部にある「続ける」を押下することで先に進めます。
名前と住所の入力
そうすると、最初にゲームを販売する人(今回は自分自身)の正式名称と会社形態、住所の入力をする必要があります。
ここでいう正式名称はゲームを販売した時の利益を入金して貰う予定の銀行に届け出されている、名前(英語)と一致している必要があります(銀行入力は後で出てきます)。
会社形態は例に記載されている通り、個人事業主の人なら「A Sole Proprietorship」、純粋な個人での登録なら「Sole Proprietorship」と入力しておけば問題有りません。
続いて、住所についても銀行に届け出されているものと一致する必要がありますが、更に重要な点として、ここでの住所は英語で入力する必要があります。
英語版の住所がわからない人が多いと思いますので、住所の英語変換サイトなどを利用するのが良いかと思います。
支払通知メールなどは個人のメールよりも、事業用のメール等を別で作って分けておくほうが良いと思いますが、そこら辺はご自身の好きなようにしてください。
FAX番号は必須入力項目ではないので、空欄のままで OK です。
すべての入力が完了したら、「続ける」で先に進んでください。エラーが起きた場合は、該当箇所を修正してから再度押してください。
NDA(秘密保持契約)に署名
続いて、「秘密保持契約」について同意を求められます。
ここら辺はかなり事務的なことが書かれていますので、ざっくり読んで貰えばそれで良いと思います(どのみち同意しないとサービス使えませんし・・・)。
秘密保持契約の内容に問題なければ、画面下部のチェックを入れて「続ける」で先に進んでください。
SDA(Steam配信契約)に署名
続いて、「Steam配信契約」についても同意を求められます。
これもざっくり目を通してもらえばそれで良いです。
内容を読み終わったら、画面下部にある署名欄に自身の名前を英語で記入してください。
また、署名者の肩書きは例に記載の通り、個人ゲーム開発者なら「Owner」と入力すれば問題有りません。
後は電話番号とチェックボックスにチェックを入れて、機械チェックの項目を入力したうえで「続ける」を押下してください。
料金のお支払い
次がSteamworksの登録において、最重要箇所の一つである$100のデポジットの支払いです。
ここに$100の支払いとそれが返金はされないこと、そしてSteamでの売上が$1,000を超えれば回収(事実上の返金)される旨の記載があります。
内容を確認したら、「続ける」を押下してください。
次は$100の支払い方法について選択を求められます。
支払方法の種類はかなり多様で、大体の人はVisaで払えば良いと思いますが、Visaカードを持っていない人は、コンビニ払いか銀行振込でも選べば誰でも問題なく支払えると思います。
各入力欄に英語で入力して、「続ける」を押下してください。
そうすると、$100が日本円換算された額での購入ページに飛ぶことになります。
私の場合は1万4300円でしたが、これは為替次第で変わってくると思いますので、あくまで目安でお願いします。
支払いに同意された方は「購入」を押下してください。
そうすると、購入完了画面に戻りますので「STEAMWORKSパートナーサイトに戻る」の「続ける」を押下してください。
何か私の場合は通常のSteam画面に飛ばされてしまったので、もう一度Steamworksの公式ページから入り直して、ダッシュボードの「登録プロセスを続行」から続けることになりました(他の人も同じになるかは分かりません)。
支払&税金情報の入力
このSteamworksの登録作業における最後にして最大の難関箇所が、この支払&税金情報の入力です。
ここでは実際にSteamでゲームが売れた時の利益をどの銀行口座に振り込むべきかについて、最初に設定します。
「銀行口座の詳細入力」のところで「お支払い詳細の入力」を押下して進めてください。
そうすると、次のポップアップ画面が表示されますので、銀行口座の開設国を選択してください。
恐らくほとんどの人は「Japan」となりますので、問題なければ「続ける」を押下してください。
次にお支払い少佐の入力画面が出てきますので、Steamでの売上を振り込んで欲しい銀行の口座情報を入力していきます。
ここでの入力もすべて英語の必要がありますので、受取任命も銀行名や銀行住所などもすべて英語で入力してください。
銀行のSWIFTコードや英語名と英語住所がわからない場合は、Googleで「該当の銀行名 英語」等で検索したりすると、普通に出てくるはずですので、その内容で入力してください(地方銀行とかも出てくるのかは分かりませんので、大手銀行を使うほうが良いかも)。
銀行の情報を入力すると、その次に「中継銀行の詳細情報を入力」と出てきますが、日本の大手銀行を利用する場合は、ここら辺の入力は不要のはずです(私の場合は不要でした)。
銀行の入力がすべて終わったことを確認したら、画面下部の「保存」を押下してください。
そうすると、元の画面に戻ってきますので、続いて「税金情報の入力」を押下してください。
税金に関するインタビューが始まりますので、内容に軽く目を通してから、「続く」を押下してください。
いきなり面倒そうな画面が出てくるのですが、赤い※が付いた必須項目はすべて入力する必要があります。
一番上の登録のところは、本記事を読んでいる人であれば「個人/個人事業主また」で問題ないと思います。
名前のところはこれまでに入力した名前が事前に入力されているので確認だけしてください。
生年月日は自分の生年月日を正確に入力してください。恐らく後で提出する身分証明書と照合されるので、ここで嘘の情報を書くと登録が弾かれる可能性が高いです。
その他の出生地などは最初の方で入力した英語の住所などを使えば問題ないと思います。
出生国家や国籍は自分のものをそのまま選択すれば問題ないと思います。主な連絡先は、自分の携帯番号などを入力してください。
最後の身分証明書はこの入力の後に写真で提出する必要があるので、パスポートか運転免許証のどちらか持っている方を選んでください(持ってない人はパスポート取得する必要があるかも?)。
下の画像からは見えませんが、運転免許証を選んだ場合は免許証に記載の番号(第◯◯・・号)と有効期限、免許の発行国を入力する必要があります。
すべての入力が完了したら、「続く」で先に進んでください。
次は本籍地の入力を求められる画面です。
何度も同じような入力させるなよと思われるかもしれませんが、少し前に入力したのは銀行に届け出されている住所であって、本籍地とは別物です。
ここでいう本籍地は身分証明書に記載されているものと同じものである必要がありますので、運転免許証かパスポートに記載のものと同じ内容のものを英語で入力してください。
必須項目すべての入力が完了したら、「続く」を押下してください。
尚、日本の住所と相性が悪いのか、最初に「続く」を押下すると正しい住所なのにエラーが表示される可能性が高いようで、1つ目のチェックボックスに書かれている通り、エラーが出たらチェックボックスにチェックを付けて進めてください。
その次は電子署名への同意を求められる画面が表示されますので、両方とも「はい」をチェックして、「続く」を押下してください。
次は米国の市民・居住者・法人かどうかを確認する項目が出てくるので、本記事を読んでいる人のほとんどは「いいえ」で問題無いと思います。
チェックを付けたら、「続く」で進めてください。
その次は受益者のタイプについて聞かれるのですが、ここまで個人や個人事業主で進めてきた人は、最初から「Individual」で設定されていると思います。
そう設定されていれば問題有りませんので、「続く」で進めてください。
だんだんダレて来ると思いますが、次は米国人かどうかを再確認するチェック項目が出てきます。
どれも該当しなければ、一番下にチェックを付けて「続く」で進めてください。
今度は居住国について確認されますので、「Japan」を選択して「続く」を押下してください。
そして次は納税者番号(TIN)について確認される画面となります。
納税者番号については良く知らないという人が多いと思いますが、日本の場合はマイナンバーが代わりとなります。
そのため、TINをお持ちですかの質問については「はい」を選択し、一番下の「外国TINをお持ちの場合は、・・・」というところに、マイナンバーの番号を入力して、その下のチェックボックスにもチェックを付けてください。
これらを入力したら、「続く」で先に進んでください。
所得分類について云々と出てきますが、米国源泉所得に対する源泉徴収税率は0%ですとなっていれば問題ないです。
確認したら、「続く」で先に進んでください。
いい加減にして欲しいと言いたくなるくらい、入力画面が続きますが、そろそろ終わりが近いので頑張りましょう。
次は米国で何か資産を持っていて、効率的に連続な収入がある場合は税金関係に影響あるけど、あなたはそういうの持っていますか?という確認ですね。
99%の人はそんなもの持っていないので、これも「いいえ」を選択して「続く」で進めてください。
そうすると、ここまで色々質問に答えて入力していった内容を踏まえた、 W-8BEN という税金関係の証明書が作成されます。
正直、米国の税金関係のことを言われてもほとんど理解不能だと思いますが、一応軽く目は通しておいてください。
確認が終わったら、画面下部にある「続く」を押してください。
もし、内容に異議があればプリントして、別途確認する必要があるみたいですが、流石にそこら辺の手順は私には分かりません…。
小さいポップアップが出てきますが、これは次の画面の内容をちゃんと理解して、チェックボックスをつけること、そして署名することを念押ししているだけのものです。
「閉じる」でさっさと閉じましょう。
そして、最後のチェックと署名を行うための画面となります。
内容を読んだうえでチェックを付けていき、問題なければ署名(英語)して、Steamアカウント作成の際に登録したメールアドレスを入力します。
事業能力は個人開発者やインディー開発の場合は「indiviual」を入力すれば問題有りません。
すべての入力が完了したら、「 W-8BEN を提出します」を押下してください。
これでようやく税金関係のインタビューは完了です。
「インタビュー終了」を押して、先に進んでください。
しかし、何故かダッシュボードに戻ってみると、「税務情報の確認が必要です」という警告が出てきます。
これは、先程までの入力では身分証明書を提示されていないので、まだインタビューは完了していないよという意味になります。
正直かなりウンザリしてしまいますが、登録のために必要な手順として身分証明書の提示をする必要があります。
ただし、身分証明書の提示はSteamworks側からメールで連絡が来るので、その連絡を待つ必要があります。私の場合は、確か2~3時間程度で届いたと思います。
身分証明書の提示
上記の手順終了後、暫くすると以下の画像のようなメールが届きます。
メールの内容を確認して「GO TO STEAMWORKS」を押下してください。
すると、Steamworksの次のような画面に遷移します。
内容を確認すると身分証明書をDrop Boxにアップロードしてくださいというものになりますので、以下の写真を準備する必要があります。
・パスポートもしくは運転免許証の表と裏
・身分証明書を持って、自分の顔といっしょに撮った写真(自撮り)
身分証明書のパスポートもしくは運転免許証というのは理解できると思いますが、自撮りも必要というのは正直ちょっと嫌ですよね…。
まぁ、ここら辺は他人が偽って登録するのを防ぐ目的なんでしょうけど、もしもSteamが情報流出事故を起こすと、致命的な個人情報が大量に出回る事態になりそうです。
ただ、Steamでゲームを販売したいなら、この情報の提示は避けられませんので、どうしても嫌な場合はSteamでのゲーム販売自体を諦める必要がありますね。
そういったリスクをすべて受け入れたうえで Steam でゲームを販売したいという人は、画面の下の方にある「Open Doropbox File Request」を押して、開いたDrop Boxの画面に身分証明書の写真と自撮りをアップロードしてください。
尚、このページの注意書きにも書いてあるように、画像はJPEGかPDF形式でないと駄目なようです。加工などもしていたらアウトでしょうね。
ここまででSteamworksの登録作業は一旦終了となります。
Drop Boxへのアップロード後はSteam側の審査完了を待つ必要があります。期間的には大体1週間前後とされています。
身分証明書などに問題があって再提出をメールで連絡されることも多いようなので、毎日朝晩にでもSteamからメールが来てないかはチェックしておきましょう。
登録完了!
そして私の場合ですが、身分証明書と自撮りのアップロードから、次の日にはSteamworksの画面が次のようになっていて、画面上部の警告文が消えていました。
ただ、まだSteam側から審査完了のメールは来ていなかったので、これで進めて問題ないのかがちょっとわからない状態になりました。
更に1日待っても特にメールなどは来なかったので、とりあえず「登録プロセスを続行」の「続行する」を押して進めました。
そうすると、税金情報の入力画面が表示されますが、「あなたの組織の税務情報は承認されました。」と表示されていて、無事に審査が完了していたことがわかりました。
いや、審査完了のメールとか来ないの?と思ってしまいましたが、私の場合は特に来ませんでした。
なので、Steamworksに登録を試している人はメールを待たずにダッシュボードの画面を毎日確認しておくのが重要そうです。
とりあえず、審査は問題なさそうなので、画面下部にある「アカウント作成を完了」の「続ける」を押下して進めます。
これでついに、Steamworksのパートナーとして登録が完了しました!
正直、登録作業が面倒過ぎて、途中で脱落した人がかなり多くいると思いますが、まだSteamworksに登録が終わっただけです。
ここから、ゲームの販売に向けてストアページの準備やビルド等の本当に必要な作業が数多くあります。
とりあえず、登録後のダッシュボードに移動してみると、更に郵送先の住所や電話番号などを追加してねといった表示が出ていますが、そこら辺は任意で対応してください。
この最近のアプリという欄に今後ストアページなどが表示されることになるのだと思いますが、私も自分で試しながら確認していきます。
まとめ
今回はSteamworksの登録方法(配信プログラムに参加)について、自分でも試した経験を踏まえて記事にしました。
私の感想を言うなら「登録作業があまりにも面倒過ぎる」ですが、実際に国際的なお金が関係してくるため、登録作業もかなり正確なものを要求されるのは仕方が無いのかもしれません。
しかし、Steamworksの登録はSteamでゲームを販売するまでの道のりの入口でしかありませんので、本当に大変な作業はこの先からです。
それでも、自分のゲームをSteamに出したいという強い思いを持っている方は、この次のストアページの準備と公開の手順の方にも挑戦してもらえればと思います。
それでは、本記事はここで終わりにしたいと思います。興味があれば他の記事も閲覧してみてください。
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