中国神話・道教における最強議論
世の中には様々な神話や宗教、伝説などが存在しますが、その中でも中国神話は『西遊記』の孫悟空でおなじみであり、概念レベルの至高神から武闘派の英雄まで、非常に幅広い存在が登場するのが魅力です。
私は以前、全ての神話・宗教・伝説を対象として最強ランキングを作成しましたが、多くの中国神話・道教の神々や英雄たちがランキングに名を連ねました。
そこで今回は以前に作成した最強ランキングを元に、中国神話・道教のみを対象とした個別のランキングを作成しました。
あくまで、この順位は私の主観が入っていますので、絶対に正しいというものではありませんし、そもそも絶対に正しいランキングなんて誰にも作れませんので、様々な意見が合って当たり前だと思っています。
なので、ぜひ皆さんも自分でランキングを考えてみて、私にもその結果を教えてもらえると大変嬉しく思います。
そもそも中国神話・道教とは
中国神話は非常に長い歴史の中で積み重ねられてきたため、明確な一つの体系というよりは、古代の神話、道教の神学、そして『西遊記』や『封神演義』などの物語が混ざり合った、幅広い世界観を持っています。
中でも重要なのが道教です。道教では宇宙の根本原理を「道(タオ)」と呼び、この「道」を極めることで不死となり、火や水を操り、時間や空間といった概念にすら干渉できるようになるとされています。
道教の頂点に立つのが「三清(さんせい)」と呼ばれる三柱の至高神(元始天尊・太上道君・太上老君)であり、これらはほとんど概念に近い、宇宙の根源的な存在です。
一方で、中国神話の魅力は孫悟空や哪吒といった圧倒的な武闘派キャラクターの存在にもあります。今回のランキングでは、こうした概念神と武闘派が入り混じるのが大きな特徴となっています。
なお、今回は『西遊記』は中国神話の一つとして扱い、神話とのズレが大きい『封神演義』は小説扱いとしています。また、三清の一柱である太上道君は「道そのもの」を神格化した不変の概念的存在で、そもそも戦うという行為自体ができないため、今回のランキングからは対象外としています。
中国神話・道教の世界をさらに深く知りたい方は、以下の書籍も参考にしてみてください。
最強ランキング(中国神話・道教)
それではここから下位から順にランキングを発表していきます。ランキングの対象は、神話内で明確に力を示すシーンがあった存在を中心としています。
ちなみに他にもマイナーですが強い存在は中国神話に大量におり、それらを全てランキング化するのは厳しいことから、今回のランキングは有名どころを中心にしていることもご理解ください。
9位:沙悟浄(総合ランキング82位)
沙悟浄は『西遊記』に登場する妖仙で、元は天界に仕える高位の神将「捲簾大将」でした。三蔵法師の護衛役を務めることが多く、戦う場面は少なめです。
それでも、重さ約3トンの降妖宝杖を武器として軽々と扱っていることから、人間とは比較にならない身体能力を持つのは間違いありません。猪八戒とは互角ですが、有利な水辺で戦った末の互角のため、実力は猪八戒より少し下と評価しました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
8位:猪八戒(総合ランキング81位)
猪八戒は『西遊記』のギャグ担当のイメージが強いですが、元は天界水軍の元帥「天蓬元帥」だったれっきとした神将クラスの実力者です。
重さ約3トンの「九歯の釘鈀」を振り回せば山を砕き、火炎旋風すら巻き起こせるとされ、力だけなら上位神クラスと互角以上に渡り合えます。ただし不死性は低く、抜けた部分が多いため、この順位としました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
7位:羿(総合ランキング76位)
羿は中国神話最大の英雄と呼ばれる伝説的な射手で、地上を灼熱地獄にしていた「9つの太陽を射落とした」という偉業(羿射九日)で知られています。
数多くの強大な怪物も退治しており、確実に並の戦神以上の力を誇ります。一方で、弟子の不意打ちで殺されていることから不死性は人間レベルで、攻撃面の高さに比べて防御面が弱すぎる点が評価を下げました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
6位:哪吒(総合ランキング58位)
哪吒は美少年の姿をした戦神で、生まれて数日で龍王を殺すなど幼少から凄まじい力を誇りました。一度死んだ後、釈迦如来によって蓮の化身として蘇り、不死身の存在となっています。
火尖槍・乾坤圈・風火輪など多数の宝貝を使いこなし、三面六臂の神通力で並の戦神では勝負にならないほど圧倒的です。ただし西遊記で孫悟空に二度敗れていることから、孫悟空には一歩届かない強さと判断しました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
5位:玉皇大帝(総合ランキング56位)
玉皇大帝は中国神話・道教における天界の最高神であり、宇宙の秩序を維持する役割を担っています(ただし三清よりは下位)。
神話上は権力の象徴としての側面が強く直接戦う描写は無いものの、最高神まで上り詰めた修行の力を考えれば、大半の戦神クラスは圧倒できる仙術を扱えると考えられます。一方、孫悟空を処理しきれず釈迦如来に助けを求めたことから、武闘派の二郎神らよりは戦闘力が一段落ちると判断しました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
4位:孫悟空(総合ランキング43位)
中国神話で最も有名な石から生まれた最強の猿が孫悟空です。仙術を極めたうえに不死の桃や金丹を食べるなど、複数重ね掛けの異常な不死性を持ち、天界の神々の誰にも殺せませんでした。
重さ8トンの如意金箍棒を振り回す怪力、一瞬で地球一周級の筋斗雲、軍勢を生み出す分身能力など、世界の神話でも屈指のスペックを誇ります。孫悟空に勝てるのは最上位レベルの権能を持つ神々に限られてくるでしょう。
詳細は以下の記事をご確認ください。
3位:二郎神(総合ランキング42位)
二郎神は道教に登場する治水の神であり、『西遊記』では天界最強の神将として描かれます。
天兵10万や多数の神々ですら敗れた孫悟空に対し、二郎神は完全な1対1の勝負で僅かに優勢に立ち回り、最終的に捕らえてみせました。天眼で変化を見破る力や七十二変化なども扱う、直接戦闘も搦め手も強い万能の武神です。孫悟空ほどの異次元の不死性は無いものの、今回の基準では孫悟空の上に置きました。
詳細は以下の記事をご確認ください。
2位:太上老君(総合ランキング12位)
太上老君は道教の最高神格「三清」の一柱であり、宇宙の根本原理「道(タオ)」を極めた老師です。三清の中では唯一、地上によく現れる存在でもあります。
「道」を極めているため、宇宙全体を崩壊させたり、時間や空間の概念に干渉したりできるほぼ全能の存在です。ただし、「道」そのものを変更・破壊することはできないため、宇宙の法則自体を書き換えられる超越神よりは下位と評価しました。それでも超越神に準ずる力を持つのは間違いありません。
詳細は以下の記事をご確認ください。
1位:元始天尊(総合ランキング7位)
中国神話・道教の頂点に立つのが、三清の筆頭である元始天尊です。「太元」=宇宙が生まれる前の根源的な存在を神格化したもので、この世の全て(物質・概念・時間や空間)よりも先に在った究極的存在とされています。
死という概念が無く、宇宙の根源であるため倒すことは事実上不可能であり、神々であってもまともに勝負が成り立つ存在ではありません。総合ランキングでも7位という、概念レベルの力を持つ存在です。「道」そのものの操作は他の三清の管轄である点だけが、唯一の弱点と言えるかもしれません。
詳細は以下の記事をご確認ください。
まとめ
今回のランキングは以前に全ての神話や宗教、伝説を合わせた総合ランキングの中で、中国神話・道教にのみ焦点を当てたものとしました。
中国神話の面白さは、元始天尊や太上老君といった宇宙の根源そのものの概念神と、孫悟空や哪吒といった超武闘派が同じ神話に同居しているという、極端な振れ幅にあると思います。
特に上位の三清は、総合ランキングでも7位・12位に食い込むほどの概念レベルの力を持っており、これはインド神話と並んで中国神話のスケールの大きさを示しています。一方で孫悟空のように、武闘派でありながら異常な不死性で最上位の神々すら手を焼かせる存在がいるのも大きな魅力です。
なお、中国神話には登場する神や仙人、英雄が非常に多いため、今回のランキングに登場していないものでも、強力な存在は未だ残っています。流石にそれら全部を評価するのは大変だったので、今後時間があれば追記する形でランキングを拡充していこうと思います。
今後、他の神話なども同様に個別の神話や宗教内でのランキングを別で作成しようと考えていますので、興味があれば閲覧いただければと思います。
中国神話についてさらに詳しく知りたい方は以下の書籍も参考にしてみてください。
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