神話・宗教・伝説

日本神話 最強ランキング|スサノオ・アマテラスは世界で何位か

日本神話 最強ランキング|スサノオ・アマテラスは世界で何位か

日本神話における最強議論

世の中には様々な神話や宗教、伝説などが存在しますが、日本神話は日本人にとって最も身近でありながら、強さの議論になると途端に難しくなる神話だと思います。

私は以前、全ての神話・宗教・伝説を対象として最強ランキングを作成しましたが、日本神話からランキングに名を連ねたのはわずか4柱で、最高位も48位という結果になりました。

【神話・宗教・伝説 最強ランキング】最強の神、怪物、英雄がこの一冊を読めば全部分かる!senkohome.com/myths-religions-legends-ranking-1/

ギリシア神話が21体、北欧神話が12体入っていることを考えると、かなり少ない数字となっています。

そこで今回は以前に作成した最強ランキングを元に、日本神話のみを対象とした個別のランキングを作成しました。あわせて、ヤマトタケルやオオクニヌシのような有名どころがなぜ入らなかったのかについても紹介していきます。

あくまで、この順位は私の主観が入っていますので、絶対に正しいというものではありませんし、そもそも絶対に正しいランキングなんて誰にも作れませんので、様々な意見が合って当たり前だと思っています。

なので、ぜひ皆さんも自分でランキングを考えてみて、私にもその結果を教えてもらえると大変嬉しく思います。

そもそも日本神話とは

日本神話は、8世紀初頭に編纂された「古事記」(712年)と「日本書紀」(720年)に記された神々の物語を指すのが一般的です。この二つをまとめて「記紀」と呼びます。

他にも各地の「風土記」や平安時代の「先代旧事本紀」などに独自の伝承が残っていますが、今日イメージされる日本神話はほぼ記紀の内容だと思ってもらって良いかと思います。

話の流れとしては、天地開闢からイザナギ・イザナミの国生み、アマテラスの天岩戸、スサノオの出雲での活躍、オオクニヌシの国造りと国譲り、そして天孫降臨から神武東征へと続いていきます。

ここで強さを測るうえで重要になるのが、記紀は神話であると同時に、天皇家の支配の由来を語る歴史書としての性格を強く持っているという点です。

そのため、ギリシア神話のティタノマキアや北欧神話のラグナロクにあたるような、神々が総力を挙げてぶつかり合う場面が日本神話にはほとんど存在しません。最大の衝突である国譲りですら、力比べが1回あるだけで決着してしまいます。

日本神話の神々についてさらに深く知りたい方は、以下の書籍も参考にしてみてください。

最強ランキング(日本神話)

それではここから下位から順にランキングを発表していきます。ランキングの対象は、神話内で明確に力を示すシーンがあった存在を中心としています。

そのため、有名な神や英雄であっても、神話上の描写からは強さを測るのが難しい対象については、ランキングから除外しています。

除外した存在については数が多く、しかも日本神話の場合はそちらの方が有名なくらいなので、ランキングの後にまとめて紹介していきます。

4位:タケミカヅチ(総合ランキング73位)

タケミカヅチはイザナギが我が子カグツチを十拳剣で斬った際、その剣に付いた血から生まれたとされる、剣そのものを神格化した武神です。

葦原中国平定(国譲り)では十掬剣を波頭に逆さまに突き立て、その切先の上にあぐらをかいて座るという形で出雲へ降り立ちました。唯一抵抗したタケミナカタとの力比べでは、掴まれた腕を氷柱から剣へと変えて怯ませ、逆に相手の手を握り潰して投げ飛ばしています。神武東征の際には自らは降りず、布都御魂剣だけを下して敵を平定させました

詳細は以下の記事をご確認ください。

タケミカヅチ(日本神話)の強さ|神話最強ランキング73位senkohome.com/myths-religions-legends-ranking-rank73/

3位:ヤマタノオロチ(総合ランキング64位)

ヤマタノオロチは八つの頭と八つの尾を持ち、その体は八つの谷と八つの峰にまたがるほど巨大とされる大蛇の怪物です。目はホオズキのように赤く、背には苔と杉や檜が生えていたと『古事記』には描写されています。

戦い自体はスサノオが用意した八塩折之酒で酔って寝入ったところを斬られる形なので、正面からぶつかった描写ではありません。ただ、その尾から三種の神器の一つである草那藝之大刀(天叢雲剣)が出てきたことを考えると、神器を体内に宿すほどの存在だったと言えます。体躯の大きさと合わせてこの位置としました。

詳細は以下の記事をご確認ください。

ヤマタノオロチ(日本神話)の強さ|神話最強ランキング64位senkohome.com/myths-religions-legends-ranking-rank64/

2位:アマテラス(総合ランキング61位)

アマテラスは高天原を治める主宰神であり、太陽を司る神であり、天皇家の祖先とされる皇祖神でもあります。日本神話における立場としては文句なしの頂点です。

有名な逸話は天岩戸で、弟スサノオの乱暴に怒って岩屋に隠れた結果、世界から光が失われて災いが満ちました。姿を隠すだけで世界が闇に沈むという影響力は別格ですが、自ら戦って相手を倒したという描写が記紀を通してほとんど存在しません。最高神でありながら戦闘記録が無いというのが、総合61位に留まっている理由となります。

詳細は以下の記事をご確認ください。

アマテラス(日本神話)の強さ|神話最強ランキング61位senkohome.com/myths-religions-legends-ranking-rank61/

1位:スサノオ(総合ランキング48位)

スサノオはイザナギが鼻を洗って生まれた三貴子の一柱で、荒ぶる神として知られています。高天原では田の畔を壊し、御殿に糞をまき散らし、天の斑馬を逆さまに皮を剥いで機織り小屋に投げ落とすという乱暴を働き、追放されることになりました。

そして追放先の出雲でヤマタノオロチを退治し、その後は根の堅州国の主となってオオクニヌシに試練を与える側に回っています。スサノオを1位としたのは、日本神話において強大な敵を明確に打倒したと書かれている神が、ほぼこの神しか居ないためです。

詳細は以下の記事をご確認ください。

スサノオ(日本神話)の強さ|神話最強ランキング48位senkohome.com/myths-religions-legends-ranking-rank48/

ランキングに入らなかった有名な神々と英雄

日本神話には有名で強そうな神や英雄が大量に居るのですが、実際に記紀を読んでみると力を振るう場面がまったく書かれていない、あるいは戦った相手が人間だったというケースが非常に多くなっています。

総合ランキングは全盛期における1対1の強さを基準としているため、こうした存在はTOP100に入れることができませんでした。ただ、有名でないから外したわけでは無いので、それぞれ理由と一緒に紹介していきます。

ヤマトタケル

日本最大の英雄と言えば、まず名前が挙がるのがヤマトタケル(小碓命)でしょう。女装して宴に紛れ込みクマソタケルを討ち、出雲建とは友を装って木刀とすり替えたうえで討ち取り、東征では草薙剣で草を薙ぎ払って野火から脱出しています。

それでも総合ランキングに入らなかったのは、この英雄が倒した相手が全て人間だからです。クマソタケルも出雲建も人間の豪族の長に過ぎず、軍勢を単騎で圧倒したわけでも、人間を超えた存在を打ち倒したわけでもありません。そして唯一、神格を持つ相手に挑んだ伊吹山では侮った結果、白い猪の姿をした山の神に氷雨を浴びせられて衰弱し、能煩野で命を落としています。

悲劇の英雄としての格は日本神話でも最上位ですが、強さという物差しではどうしても届きませんでした。

オオクニヌシとタケミナカタ

オオクニヌシも知名度では日本神話でトップクラスの神ですが、この神の逸話は知恵と人望、そして周囲の助けで切り抜けるものがほとんどとなっています。

八十神には二度も殺されており、そのたびに母神や神々の力で蘇生させてもらっています。根の堅州国でスサノオから受けた蛇の室や野火といった試練も、スセリビメやネズミの助けで乗り切ったものです。そして国譲りの場面では自ら戦うことなく、判断を息子たちに委ねて退いています。

その息子の中で唯一抵抗したのがタケミナカタですが、タケミカヅチに腕を掴み潰されて投げ飛ばされ、諏訪まで逃げたところで降伏しました。諏訪大社の祭神として非常に有名な神でありながら、神話に残っている戦闘描写が一方的に負けた記録だけというのは評価が難しいところです。

イザナギとイザナミ

日本の国土と八百万の神々を生んだ、文字通り根源にあたる二柱です。格という点だけで言えば日本神話の最上位に置いても誰も文句を言わないでしょう。

戦闘に近い描写もあり、イザナギは我が子であるカグツチを十拳剣で斬っていますし、黄泉から逃げる際には黄泉醜女や雷神、そして1500の黄泉軍に追われ、桃の実を三つ投げつけて撃退しています。

ただ、カグツチの件は生まれたばかりの子に対する一方的なものですし、黄泉の場面は戦って勝ったのではなく、逃げ切って千引の岩で道を塞いだという話になります。創世神としての格は最上位でも、1対1で戦った時にどれくらい強いのかを測る材料が乏しいというのが実際のところです。

ツクヨミ

ツクヨミはアマテラス・スサノオと並ぶ三貴子の一柱で、立場としては完全に最上位クラスの神です。

ところが『古事記』では夜の食国を治めよと命じられる場面以外、ほぼ何も書かれていません。『日本書紀』の一書に、ウケモチノカミが口から食物を出してもてなしたことに怒って斬り殺したという話があるくらいで、この一件でアマテラスと不仲になり昼と夜が分かれたとされています。

逸話がこれだけしか残っていないため、強さを評価しようがないという結果になりました。

アメノミナカヌシとアメノタヂカラオ

アメノミナカヌシは天地開闢で最初に現れた造化三神の筆頭であり、日本神話における最高位の神格にあたります。ところが記紀には「独神となりまして、身を隠したまひき」とだけ書かれ、以後まったく登場しません。

アメノタヂカラオは天岩戸をこじ開けてアマテラスを引き出した怪力の神で、投げた岩戸が信濃の戸隠山になったという伝承まで残っています。ただ、怪力の描写はあっても戦った相手が居ないため、他の神々と比較しようがありませんでした。

この二柱以外にも、『日本書紀』での国譲りの主役であるフツヌシ(タケミカヅチと逸話が重複するため除外)、国造りを行ったスクナビコナ(戦闘描写が無い)、東征で長髄彦らを平定した神武天皇(相手はいずれも人間で、しかも布都御魂剣や八咫烏の助力を受けている)などが同じ理由で外れています。

まとめ

今回のランキングは以前に全ての神話や宗教、伝説を合わせた総合ランキングの中で、日本神話にのみ焦点を当てたものとしました。

日本神話は凄い神は大量に居るのに、戦って勝った神が極端に少ないという特徴があり、順位を付けられたのがスサノオ・アマテラス・ヤマタノオロチ・タケミカヅチの4柱だけという結果になりました。

これについては、記紀が王権の由来を語る歴史書としての性格を強く持っており、神々の戦いそのものを描くことが目的ではないためだと考えられます。ラグナロクやティタノマキアのような総力戦があれば、どの神がどの神に勝ったのかという記録が大量に残るのですが、日本神話にはそれが無いんですよね。

また、総合ランキングの最上位を占めているのは時間や空間といった概念そのものを操る神々ですが、日本神話でその位置に来るはずのアメノミナカヌシが何もしないまま身を隠してしまうことも、上位に食い込めない理由の一つでしょう。

とは言っても、これは日本神話が劣っているという話ではありません。日本神話は争いを描く神話ではなく、国土がどう生まれ、誰がこの国を治めることになったのかを語る神話です。八百万の神という言葉のとおり、一柱の絶対者に力を集中させない構造にもなっています。

尚、日本神話には今回紹介しきれなかった神々もまだ大勢いますので、今後時間があれば追記する形でランキングを拡充していこうと思います。

今後、他の神話なども同様に個別の神話や宗教内でのランキングを別で作成しようと考えていますので、興味があれば閲覧いただければと思います。

日本神話や世界の神話についてさらに詳しく知りたい方は以下の書籍も参考にしてみてください。

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