当サイトを閲覧いただきありがとうございます。本記事は、世界の神話・宗教の「原典」を解説するシリーズの一篇で、「中国神話」の原典をまとめた一覧ページです。
天地を生んだ盤古、人間を作った女媧、太陽を射落とした后羿など、雄大なスケールを持つ中国神話。しかし、ギリシア神話などと同じく物語をまとめた単一の聖典は存在しません。
中国神話は、地理書・思想書・歴史書など、さまざまな古典の中に断片的に記された記述を集めることで、その全体像が見えてきます。
なお、中国神話の原典は、ギリシア叙事詩のような一続きの「物語」ではなく、地理書『山海経』や思想書『淮南子』、歴史書『史記』など、さまざまな古典に断片的に散在しています。そのため本シリーズでは、それらの原典から再構成される神話を、内容のまとまりごとに3つの記事に分け、各所で出典(どの古典に記されるか)を示しながら解説していきます。
なお、各神話・宗教を含む全体の一覧は、以下の総合インデックスからご覧いただけます。
中国神話の原典の全体像
中国神話のおおもとを伝える代表的な原典は、以下のとおりです。神話そのものを語る本ではなく、別の目的の書物の中に神話が記されているのが特徴です。
主要な原典を一覧にすると、以下のようになります。
| 原典 | 性格 | 内容 |
|---|---|---|
| 山海経(せんがいきょう) | 地理書 | 各地の山河と、そこに住む神・怪物・霊獣を記録。最重要の神話資料 |
| 淮南子(えなんじ) | 思想書 | 女媧の天の補修、后羿が太陽を射る話などを伝える |
| 史記(しき) | 歴史書 | 三皇五帝を、中国の歴史の始まりとして記述 |
| 封神演義・西遊記 | 後世の小説 | 神話・伝説を題材にした明代の文学作品 |
それでは、各記事が何を解説しているのかを紹介していきます。
記事①:創世神話 ― 盤古と女媧
シリーズ第1弾では、世界と人類がどのように生まれたのかを描く創世神話を解説します。
混沌の卵から世界を生み出した巨人「盤古(ばんこ)」、泥から人間を作り、壊れた天を五色の石で補修した女神「女媧(じょか)」の物語を、詳しく扱います。
記事②:三皇五帝と文明の始まり
シリーズ第2弾では、人々に文明を授けたとされる伝説の聖王たち「三皇五帝(さんこうごてい)」を解説します。
人々に狩りや文字を教えた「伏羲(ふくぎ)」、農耕と医薬を教えた「神農(しんのう)」、そして大洪水を治めた「禹(う)」などの物語を扱います。
記事③:神話の英雄たち
シリーズ第3弾では、中国神話を彩る英雄や神々の物語を解説します。
10個の太陽を射落とした弓の名手「后羿(こうげい)」、月へ昇った「嫦娥(じょうが)」、太陽を追いかけた巨人「夸父(こほ)」など、印象的な物語を扱います。
中国神話の3つの特徴
中国神話は、ギリシア神話や北欧神話とはかなり性格が異なります。読み解くうえで知っておきたい、3つの大きな特徴があります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| ① 歴史化している | 神々が「神話の神」ではなく「大昔の聖王」として歴史に組み込まれている |
| ② 体系がなく断片的 | 神々の系譜や一貫した物語がなく、各古典に散らばっている |
| ③ 後世に再生した | 道教や明代の小説(西遊記・封神演義)の中で物語として甦った |
とりわけ重要なのが①「神話の歴史化」です。中国では、伏羲・神農・黄帝といった神々が、神そのものというより「文明を築いた偉大な帝王(聖王)」として語られ、歴史書『史記』の冒頭にまで組み込まれました。神話と歴史の境目が、はじめから曖昧なのです。
また②のとおり、ギリシアのオリンポス十二神のような整理された神々の体系は存在せず、物語は地理書・思想書・歴史書にバラバラに残されています。それらが後世、③のように道教の神々として整理されたり、『西遊記』『封神演義』といった小説の題材として物語化されたりして、再び生命を得ました。私たちが親しむ孫悟空やナタ(哪吒)のイメージも、この再生の産物です。
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まとめ
本記事では、中国神話の原典の全体像と、シリーズ全3記事が扱う内容を紹介しました。如何だったでしょうか。
中国神話は単一の聖典を持たず、『山海経』『淮南子』『史記』といったさまざまな古典に散在する記述から再構成されます。創世から、文明を築いた聖王たち、そして英雄たちの物語まで、雄大なスケールを持つのが特徴です。
他の神話・宗教の原典も解説しています。全体の一覧は世界の神話・宗教の原典まとめからどうぞ。
神々や英雄の強さについては、こちらのランキング記事も参考にしてみてください。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
📚 シリーズ:中国神話の原典解説(1/4)
