相場格言の一覧
株式市場には数多くの格言が存在し、投資家たちに重要な教訓を提供してきました。こういった格言は基本的に先人達の経験則から述べられているものなので、これらを知っておくことで相場で有利に立ち回れることが出来るようになります。
- 株式投資で使われる相場格言59個と、それぞれの意味
- 月や季節ごとのアノマリーと、季節に関係ない通年のアノマリー25個
- 各格言の詳しい意味解説記事へのリンク
本記事は以下の8つの分類に分けて、格言とその意味を一言ずつ表にまとめています。それぞれの格言がどういう場面の話なのかや、似た格言どうしの違いまで知りたい方は、表の下にある個別の記事の方を閲覧ください。
・売買のタイミングに関する相場格言(12個)
・リスク管理に関する相場格言(12個)
・市場心理と群衆行動に関する相場格言(7個)
・市場の性質に関する相場格言(11個)
・情報分析と投資技術に関する相場格言(7個)
・投資家の心構えに関する相場格言(10個)
・月や季節ごとのアノマリー(11個)
・季節に関係ない通年のアノマリー(14個)
売買のタイミングに関する相場格言
売り買いをいつするかについての格言で、急いで売買するなという教えと、勢いのある相場には逆らうなという教えの両方が含まれています。
| 格言 | 意味 |
|---|---|
| 売り買いは三日待て | 売買を即断即決せず、数日は相場を観察してから判断する |
| 買いたい弱気 売りたい強気 | 買いたいのに安くなるのを待ち、売りたいのに高くなるのを待って、売買の機会を逃してしまう心理 |
| 相場は明日もある | 好材料が出た直後に慌てて買わなくても、よく調べてから翌日以降に買えば遅くない |
| 押目待ちの押目なし | 強い上昇相場では、下がるのを待っているうちに下がらないまま上がっていく |
| 戻り待ちの戻りなし | 弱い下落相場では、反発を待っているうちに反発しないまま下がっていく |
| 株を買うより時を買え | 銘柄を選ぶことよりも、売買するタイミングのほうが重要 |
| 小回り三月 大回り三年 | 相場のトレンドは短くて3か月、長いと3年続く |
| 天井三日 底百日(三年) | 高値の期間は短く、底値の期間は長い |
| 初押しは買い 初戻りは売り | 上昇トレンドで最初の下落は買い場、下落トレンドで最初の反発は売り場 |
| 売りは早かれ 買いは遅かれ | 底値近くで買うのは比較的易しいが、天井近くで売るのは難しい |
| 天井を売らず底を買わず | 天井と底を狙わず、ある程度の利益が出る水準で満足する |
| 新値には黙ってつけ | 高値を更新した銘柄は上昇トレンドが続いている可能性が高いので、そのトレンドに乗る |
リスク管理に関する相場格言
損をしたときにどう動くかと、資金をどう配分するかについての格言です。似た意味の格言が多いのは、それだけ多くの投資家が同じ失敗をしてきたからだと思います。
| 格言 | 意味 |
|---|---|
| 命金には手をつけるな | 生活に必要なお金は投資に回さず、余裕資金だけで投資する |
| 見切り千両 | 損失が出始めたときに素早く売って見切りをつけることには、千両の価値がある |
| 損は落とせ、さらば利益は大ならん | 損失の出ている銘柄は早く切り、利益の出ている銘柄は長く持つ(ウォール街の格言) |
| 利食い腰は強く、引かれ腰は弱く | 利益が出ているときは粘って持ち、損失が出ているときは早めに手放す |
| 眠られぬ株は持つな | 夜も眠れないほど不安になる株を持つのは、リスクを取りすぎている証拠 |
| 卵は一つのカゴに盛るな | 1つの銘柄に全ての資金を集中させず、分散して投資する |
| つかぬはやめよ | 負けが込んで流れがつかめないときは、投資を休んだほうが良い |
| 落ちてくるナイフはつかむな | 暴落している最中の銘柄に、底値だと思って手を出すと大怪我をする |
| 頭と尻尾はくれてやれ | 最高値と最安値は狙わず、ほどほどのところで売買する |
| 売り買いは腹八分 | 満足する手前で売買を止める。資金の8割までしか投資しないという意味もある |
| バラを切るごとく売るべし | 満開になる前の八分咲きで切るバラのように、上がりきる前に売る(ウォール街の格言) |
| 二度に買うべし 二度に売るべし | 一度に全て売買せず、二度に分けて平均の値段をならす |
市場心理と群衆行動に関する相場格言
みんなが同じ方向を向いたときこそ逆を考えるべきだ、という逆張りの格言が中心になっています。「人の行く裏に道あり花の山」はこの中でも特に有名です。
| 格言 | 意味 |
|---|---|
| 美人投票 | 自分が良いと思う銘柄ではなく、他の人が良いと思うであろう銘柄を当てるのが投資だというケインズのたとえ |
| 靴磨きの少年 | 投資と縁のなさそうな人まで株の話をし始めたら、相場は天井に近い(1929年の大恐慌直前の逸話) |
| 万人が万人強気なら、たわけになりて米を売るべし | 誰もが上がると確信しているときこそ、売りに回る |
| 万人があきれはてたる値が出れば、それが高下の界なりけり | 誰もがあきれるほどの極端な値段は、相場の転換点になりやすい |
| 野も山も皆一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし | 誰もが悲観しているときこそ、買いに回る |
| 人が売るときに買い、人が買うときには売れ | 悲観されて売られたものを買い、人気が絶頂のものは売る |
| 人の行く裏に道あり花の山 | 人が向かわない裏道の先にこそ、利益(花の山)がある |
市場の性質に関する相場格言
相場がどういう動き方をするものなのかを表した格言で、理屈どおりにいかないのが相場だという考えが根っこにあります。
| 格言 | 意味 |
|---|---|
| 株価の里帰り | 一時的な暴騰や暴落があっても、長い目で見ると株価は元の水準に戻る傾向がある |
| 山高ければ谷深し | 急激に上がった株価は、その後の下落も激しくなりやすい |
| 行き過ぎもまた相場 | 想像を超える値上がりや値下がりも起こるのが相場で、必要以上に気にしない |
| 石が浮かんで、木の葉が沈む | 常識や理屈では説明できないことが起きるのが相場 |
| 相場に過去はない | 過去の売買を悔やんでも変えられないので、今の投資に集中する |
| 相場は相場に聞け | 自分の予想と値動きが違うときは、こだわらずに相場の動きに従う |
| 相場に王道なし | 必勝法は無いので、地道に銘柄研究と勉強を重ねるしかない |
| 株というものは高いときには最上に、安いときには最低にみえるものだ | 買われている株は魅力的に、売られている株は魅力がないように見えてしまう |
| 大保合いは大相場 | 長く横ばいが続いた銘柄は、そこを抜けると大きく動きやすい |
| 閑散に売りなし | 出来高が減って値動きもない時期は、売りが一巡して底を打っている可能性が高い |
| 逆日歩に売りなし、逆日歩に買いなし | 逆日歩が付いた銘柄は空売りの買い戻しで急上昇しやすいので売らないが、それが終わると急落しやすいので買いにも向かない |
情報分析と投資技術に関する相場格言
情報との付き合い方と、小手先の売買への戒めについての格言です。SNSで「この銘柄は絶対に上がる」と煽る人が多い今のほうが、むしろ当てはまる場面は増えていると思います。
| 格言 | 意味 |
|---|---|
| 筋の耳うちは信用するな | 仕手筋や内部者を名乗る人からの「うまい話」を鵜呑みにしない |
| 早耳の早耳だおれ | 早すぎる情報は誤っていることが多く、正しくても相場を動かすほどではないことが多い |
| 罫線は相場師の杖である | 過去の値動きを表したチャートは、相場の方向を決めるのに役立つ |
| 目先観で相場を張るな | 目先の小さな損得を狙った売買では大きく儲けられず、最後は損をすることが多い |
| 相場の器用貧乏 | 上げ下げの両方で小器用に稼ごうとしても、小さな利益しか得られない |
| 漁師は潮をみる | 漁師が潮の流れを見て漁場を探すように、相場全体の流れを見て売買を判断する |
| 悪材料出尽くしは買い | 悪い材料を全て織り込んで値動きが止まった株は、買い場になりやすい |
投資家の心構えに関する相場格言
相場との向き合い方についての格言で、勝つことよりも負けないこと、続けることを重視しているものが多いです。
| 格言 | 意味 |
|---|---|
| 名人になるより素人らしく | 経験を積んでも、素人のころの謙虚さと真剣さを忘れない |
| わかってくるほど、わからなくなるのが相場 | 相場が分かってきたと思うほど、こだわりが増えて儲けにくくなる |
| 名人は相場の怖さを知る | 名人とは儲ける人ではなく、リスクを理解して無理をしない人のこと |
| 備えあれば迷いなし | 買う理由と、想定が外れたときの対応、資金の管理を事前に考えておけば迷わない |
| 相場師は孤独を愛す | 他人の意見や市場の雰囲気に流されず、自分の分析で判断する |
| 強弱よりも運用を学べ | 株価が上がるか下がるかを当てるより、自分の投資戦略を磨くほうが重要 |
| 休むも相場 | 買うか売るかだけでなく、何もしないで休むことも選択肢の一つ |
| 当たり外れは世のならい | 予想が当たっても思い上がらず、外れても思い詰めない |
| 心ゆるめば財布もゆるむ | 大きく儲けた後は気が緩み、雑な投資をして大損しやすい |
| 売りは迅速、買いは悠然 | 買うときは落ち着いて待ち、売ると決めたら即座に動く |
月や季節ごとのアノマリー
アノマリーというのは、理論的に明確な説明が付く訳ではないものの、経験則として多くの人が体感している相場の規則性のことです。格言とは少し違いますが、相場格言として語られることも多いので一緒にまとめています。
| アノマリー | 時期 | 意味 |
|---|---|---|
| 1月効果 | 1月上旬 | 12月末から1月上旬は株価が上がりやすい |
| 節分天井 | 2月上旬 | 1月からの上げ相場は節分の頃に天井を付けやすい |
| 春の彼岸底 | 3月中旬 | 節分天井の後、春の彼岸の頃まで下げ相場が続きやすい |
| 4月高、こいのぼり天井 | 4月上旬〜5月初旬 | 新年度の資金で4月から上がり、5月5日頃に天井を付けやすい(主に日本株) |
| Sell in May | 4月末〜5月上旬 | 5月頃に天井を迎えて下落に入りやすいので、5月中に売っておく |
| 夏枯れ相場 | 7月上旬〜8月末 | 夏休みで市場参加者が減り、出来高が落ちて下がりやすい |
| 秋の彼岸底 | 9月下旬 | 5月後半からの下げが一旦終わる目安になりやすい |
| ハロウィン効果 | 10月末 | 10月31日を境に上昇トレンドに変わりやすい |
| 11月最終週は高い | 11月下旬 | 12月の節税売りの前で、株価が高くなりやすい |
| 節税売り | 12月初旬〜中旬 | 年間の損益を確定させるための売りで下がりやすい |
| 掉尾の一振 | 12月最終週 | 年末の最後に株価が上がりやすい。比較的再現率が高いとされる |
季節に関係ない通年のアノマリー
学術的な研究で確かめられてきたものから、ほとんど話のタネでしかないものまで混ざっているので、信頼性の差は大きいです。
| アノマリー | 意味 |
|---|---|
| 小型株効果 | 時価総額の小さい株は、大きい株よりも平均的なリターンが高い傾向がある |
| バリュー効果(割安株効果) | 業績に比べて割安な株は、割高な株よりも平均的なリターンが高い傾向がある |
| 配当利回り効果 | 配当利回りの高い株は、他の条件が同じ株よりもリターンが高い傾向がある |
| モメンタム効果 | 一度上がり始めた株は上がり続け、下がり始めた株は下がり続けやすい |
| リターン・リバーサル効果 | 3〜5年の長い期間で見ると、過去の値動きと逆の動きをしやすい |
| 低ボラティリティ戦略 | 値動きの小さい株のほうが、値動きの大きい株よりもリターンが高い傾向がある |
| 大統領サイクル | 米国大統領選挙の前年は株価の上昇率が最も高く、選挙の年も高めになりやすい |
| 月替わり効果(TOM効果) | 月末に安く、月初に高くなりやすい |
| 曜日効果(月曜の株安) | 週末の間に出た悪材料の影響で、月曜日は下がりやすい |
| 魔の水曜日 | SQ(特別清算指数)の算出がある週の水曜日は下がりやすい |
| 2日新甫は荒れる | 1日が休みで2日から取引が始まる月は、相場が荒れやすい |
| 干支(十二支)のアノマリー | 「辰巳天井」「午尻下がり」など、その年の干支で相場の傾向が変わるという言い伝え |
| サザエさん効果 | アニメ「サザエさん」の視聴率が高いと株価が下がり、低いと上がる |
| ジブリの法則 | 金曜ロードショーでジブリ映画が放送されると、翌週の相場が荒れやすい |
よくある質問
Q: 相場格言は現代でも通用しますか? A: 基本的には通用すると思います。相場格言は先人たちが何十年・何百年もかけて積み上げた経験則です。個別の数字や期間は現代の高速取引に合わせて解釈する必要がありますが、「人間の心理」に基づいた格言は今でも当てはまる場面が多いです。ちなみに、格言が言っている心理の偏りの多くは、行動経済学では「損失回避」や「バンドワゴン効果」のような認知バイアスとして研究されています。
Q: 相場格言はどうやって活用すればよいですか? A: 売買の意思決定の前にチェックリストとして使う方法があります。「今の相場状況はどの格言に近いか」と考えることで、感情的な判断を抑えて冷静な投資判断に繋げやすくなります。
Q: 初心者が最初に覚えるべき格言はどれですか? A: 「見切り千両」「卵は一つのカゴに盛るな」「休むも相場」の3つは、リスク管理の基本として特に大事だと思います。
まとめ
本記事では株式投資に役立つ相場格言とアノマリーを8つの分類に分けて一覧でまとめました。格言は単なる言葉ではなく、先人たちの失敗と成功から生まれた実践的な知恵です。相場で迷ったとき、焦ったとき、こういった格言を思い出すことで冷静な判断に戻れることがあります。
格言の裏にある心理の偏りについては、認知バイアスの一覧でも詳しく解説しています。また、投資の基礎知識についても以下の記事で解説していますので、合わせて閲覧いただけると幸いです。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品や売買タイミングを推奨するものではありません。投資は自己判断・自己責任のもとで行ってください。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
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