当サイトを閲覧いただきありがとうございます。本記事は、世界の神話・宗教の「原典」を解説するシリーズの一篇で、「アステカ神話」の原典をまとめた一覧ページです。
アステカ神話は、15〜16世紀に現在のメキシコで栄えたアステカ(メシカ)文明の神話です。羽毛の蛇ケツァルコアトルや、太陽を動かし続けるための人身供犠(生贄)など、強烈な個性で知られています。
ただし、アステカ神話には単一の聖典は存在しません。ギリシア神話などと同じ「神話文献型」で、複数の原典から再構成されます。本シリーズでは、その世界を4つの記事に分けて、原典に沿って詳しく解説します。
なお、アステカ神話以外も含む世界の神話・宗教の原典の総合インデックスは、以下のページからご覧いただけます。
アステカ神話の原典 ― 焼かれた写本と、再構成
アステカ神話を語るうえで、まず知っておきたい悲しい事実があります。それは、アステカ人が遺した多くの絵文書(写本)が、16世紀のスペイン征服のときに「異教のもの」として焼き払われてしまったことです。
それでも、いくつかの原典が失われずに、あるいは征服後に書き留められて、現代に伝わっています。
特に重要なのが、スペイン人宣教師ベルナルディーノ・デ・サアグンが、現地の人々から聞き取って編纂した大著『フィレンツェ写本(ヌエバ・エスパーニャ全史)』です。アステカの言語ナワトル語で記された証言を含み、アステカの宗教・神話・暮らしを今に伝える、最も貴重な原典の一つとなっています。このほか、創世神話を伝える『太陽の伝説』などの文献もあります。
| 原典 | 内容 |
|---|---|
| ボルジア写本 ほか | 征服前の絵文書。神々・暦・占い・儀礼を絵で記す |
| フィレンツェ写本(サアグン編) | 征服後、ナワトル語の証言をもとに編纂された百科全書 |
| 『太陽の伝説』『メキシコ人の歴史』 | 創世神話(五つの太陽)などを伝える文献 |
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五つの太陽 ― 滅びを繰り返す世界
アステカ神話の世界観を象徴するのが「五つの太陽」という考え方です。
アステカの人々は、世界はこれまで4度創られては滅び、今は5番目の太陽の時代であると考えました。そしてこの5番目の世界もまた、いずれ大地震によって滅びると信じていました。世界は決して永遠ではなく、つねに滅びと隣り合わせ――この危機感が、後で見る人身供犠の習慣と深く結びついています。詳しくは記事①で解説します。
各記事の紹介
それでは、本シリーズ全4記事が、それぞれ何を解説するのかを紹介していきます。
記事①:五つの太陽と世界の創造
シリーズ第1弾では、アステカの創世神話を解説します。
両性の根源神オメテオトルと四方位の神々、4度滅んだ世界と現在の「第五の太陽」、大地の怪物トラルテクトリを引き裂く天地創造、そして神々が火に身を投じて太陽を生んだテオティワカンの神話までを扱います。
記事②:ケツァルコアトルと人類・文明の起源
シリーズ第2弾では、文化の英雄ケツァルコアトルを中心に、人類と文明の起源を解説します。
死者の国ミクトランから骨を取り戻す人類の創造、蟻に化けてトウモロコシをもたらす神話、神酒プルケ、そしてトルテカの聖王トピルツィン・ケツァルコアトルの没落と「東からの帰還」の予言までを扱います。
記事③:アステカの神々と建国神話
シリーズ第3弾では、アステカ神話を彩る多彩な神々と、都の建国神話を解説します。
守護神ウィツィロポチトリの劇的な誕生「コアテペックの戦い」、煙る鏡テスカトリポカ、雨の神トラロックら多彩な神々、そして「鷲とサボテン」によるテノチティトラン建国までを扱います。
記事④:人身供犠と暦・宇宙・死後の世界
シリーズ第4弾(最終回)では、アステカの世界観の核心を解説します。
なぜ生贄が捧げられたのか、神の化身イシュテリと供犠のかたち、2つの暦と「新しい火の儀式」、十三の天と九つの冥界からなる宇宙、そして死に方で行き先が決まる死後の世界までを扱います。
もっと深く知りたい方へ
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まとめ
本記事では、アステカ神話の原典の全体像と、シリーズ全4記事が扱う内容を紹介しました。如何だったでしょうか。
アステカ神話は単一の聖典を持たず、焼き払われずに残った絵文書と、サアグンらが書き留めた記録から再構成されます。五つの太陽という滅びの世界観と、太陽を支えるための人身供犠に、この神話の強烈な個性が表れています。
他の神話・宗教の原典も解説しています。全体の一覧は世界の神話・宗教の原典まとめからどうぞ。
神々や英雄の強さについては、こちらのランキング記事も参考にしてみてください。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
📚 シリーズ:アステカ神話の原典解説(1/5)