当サイトを閲覧いただきありがとうございます。本記事は、世界の神話・宗教の「原典」を解説するシリーズの一篇で、「ユダヤ教」の原典をまとめた一覧ページです。
ユダヤ教は、信者数こそ世界で約1500万人と多くはありませんが、その意義は計り知れません。なぜなら、世界最大の宗教キリスト教と、世界第2位のイスラム教は、いずれもこのユダヤ教を母胎として生まれた「兄弟宗教(アブラハムの宗教)」だからです。唯一神を信じる一神教の源流が、このユダヤ教にあります。
ユダヤ教の原典は、キリスト教の聖書やイスラム教のクルアーンと同じく、明確な聖典が確立している「聖典型」です。本シリーズでは、その原典を6つの記事に分けて、キリスト教・イスラム教との違いも対比しながら、じっくり詳しく解説します。
なお、ユダヤ教以外も含む世界の神話・宗教の原典の総合インデックスは、以下のページからご覧いただけます。
ユダヤ教の原典の全体像 ― 2つのトーラー
ユダヤ教の原典は、大きく「成文トーラー」と「口伝トーラー」という2つの柱で成り立っています。トーラーとは「教え・律法」を意味する、ユダヤ教の中心概念です。
一つは、文字で書かれた聖典「タナハ(ヘブライ語聖書)」です。これはキリスト教の「旧約聖書」とほぼ同じ内容ですが、書物の配列や数え方が異なり、そもそも「旧約」とは呼びません。詳しくは記事①で解説します。
もう一つが、口頭で受け継がれた解釈と律法を集大成した「タルムード」です。これはキリスト教にもイスラム教にも存在しない、ユダヤ教を最も特徴づける原典です。ユダヤ教では、この2つがともに神からモーセに授けられた「2つのトーラー」だと考えます。
| 原典 | 性格 | 内容 |
|---|---|---|
| タナハ(成文トーラー) | 文字で書かれた聖典 | 全24書。律法・預言書・諸書。キリスト教旧約とほぼ同内容 |
| タルムード(口伝トーラー) | 口伝の解釈・律法の集成 | ミシュナとゲマラ。ユダヤ教独自の生活と法の指針 |
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三大一神教の中のユダヤ教
ユダヤ教を理解するうえで欠かせないのが、キリスト教・イスラム教との関係です。この3つは、いずれも預言者アブラハムを信仰の父と仰ぐ「アブラハムの宗教」であり、同じ唯一神を信じています。
最も古いのがユダヤ教で、そこから1世紀にキリスト教が、7世紀にイスラム教が生まれました。3つの宗教は、唯一神・アブラハム・モーセといった多くを共有しながらも、「救世主(メシア)」の捉え方などで決定的に分かれます。
たとえばユダヤ教は、救世主はまだ来ておらず、今も待ち望んでいると考えます。一方キリスト教はイエスこそがその救世主だったと信じ、イスラム教はムハンマドを最後にして最大の預言者とします。この違いを軸に対比すると、3宗教の関係がすっきり見えてきます。本シリーズの記事⑤で、じっくり比較します。
各記事の紹介
それでは、本シリーズ全6記事が、それぞれ何を解説するのかを紹介していきます。
記事①:タナハ(ヘブライ語聖書)
シリーズ第1弾では、ユダヤ教の成文聖典「タナハ」を解説します。
トーラー・ネビイーム・ケトゥビームという3部構成(TaNaKhの語源)、全24書という数え方、そしてキリスト教の「旧約聖書」とどう違うのか(配列・正典・「旧約」と呼ばない理由)を、詳しく扱います。
記事②:トーラーと契約
シリーズ第2弾では、タナハの中核をなす「トーラー(モーセ五書)」と、ユダヤ教の根幹である「契約」の思想を解説します。
天地創造、アブラハムとの契約、出エジプトとシナイ山での律法授与、そして「選民思想」と「613の戒律(ミツワー)」までを扱います。
記事③:タルムード(口伝律法)
シリーズ第3弾では、ユダヤ教を最も特徴づける原典「タルムード」を解説します。
口伝トーラーという考え方、ユダ・ハナシが編纂した「ミシュナ」、その注解「ゲマラ」、2つのタルムード、そしてラビ・ユダヤ教の成立までを、詳しく扱います。
記事④:ユダヤ教の信仰と実践
シリーズ第4弾では、ユダヤ教徒の信仰と日々の暮らしを解説します。
マイモニデスの「13信条」、信仰告白「シェマ」、安息日「シャバット」、食の規定「コーシェル」、割礼、過越祭や贖罪日などの祭り、シナゴーグとラビまでを扱います。
記事⑤:三大一神教の比較
シリーズ第5弾(最終回)では、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の比較と、ユダヤ教内部の分派を解説します。
3宗教の共通点と相違点(救世主・聖典・救いの考え方)を対比表で整理し、さらに正統派・保守派・改革派といった分派と、神秘主義「カバラ」までを扱います。
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まとめ
本記事では、ユダヤ教の原典の全体像と、シリーズ全6記事が扱う内容を紹介しました。如何だったでしょうか。
ユダヤ教の原典は、文字で書かれた「タナハ(成文トーラー)」と、口頭で受け継がれた「タルムード(口伝トーラー)」の2本柱で成り立っています。とりわけタルムードは、キリスト教にもイスラム教にもない、ユダヤ教ならではの原典です。
そして何より、ユダヤ教はキリスト教とイスラム教を生み出した「母なる一神教」です。この原典を知ることは、世界の3大宗教すべての源流を知ることにつながります。
他の神話・宗教の原典も解説しています。全体の一覧は世界の神話・宗教の原典まとめからどうぞ。
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それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
📚 シリーズ:ユダヤ教の原典解説(1/6)