神話・宗教・伝説

【神話・宗教の原典解説】ローマ神話の原典まとめ ― アエネーイスと建国神話の全記事一覧

【神話・宗教の原典解説】ローマ神話の原典まとめ ― アエネーイスと建国神話の全記事一覧

当サイトを閲覧いただきありがとうございます。本記事は、世界の神話・宗教の「原典」を解説するシリーズの一篇で、「ローマ神話」の原典をまとめた一覧ページです。

ローマ神話と聞くと、ユピテル(ジュピター)やマルス、ウェヌス(ヴィーナス)など、ギリシア神話とそっくりの神々を思い浮かべる方が多いでしょう。実際その通りで、ローマ人は神々の物語の多くをギリシアから借りてきました。

しかし、ローマ神話にはギリシアにはない、ローマだけの独創があります。それは、「ローマという国家そのものの始まりを語る、壮大な建国神話」です。トロイアの落人アエネーアスがイタリアへ渡り、その末裔ロムルスがローマを築く――。神々の恋愛劇よりも、都市の運命と使命を語るところに、ローマ神話の本当の個性があります。

なお、ローマ神話以外も含む世界の神話・宗教の原典の総合インデックスは、以下のページからご覧いただけます。

【神話・宗教の原典解説】世界の神話・宗教の原典まとめ ― 各神話の解説一覧senkohome.com/myths-religions-origins/

ローマ神話の原典 ― 詩人と歴史家が描いたローマ

ローマ神話を伝える原典は、ギリシアの叙事詩とはやや性格が異なります。神話と歴史、文学と国家の宣伝が、分かちがたく結びついているのが特徴です。

ローマ神話を伝える主な原典 建国の物語 ウェルギリウス『アエネーイス』 トロイアからローマへ(記事①) リウィウス『ローマ建国史』 ロムルスと王政ローマ(記事②) 神々と祭祀 オウィディウス『変身物語』『祭暦』 変身神話と暦(記事③) 固有の神々・国家祭祀 ヤヌス・ウェスタ・神官(記事④) 借りた神話 ギリシア神話を多く取り込む ユピテル=ゼウス 等 (interpretatio romana)

主要な原典を一覧にすると、以下のようになります。

原典内容
アエネーイス(ウェルギリウス)ローマの国民的叙事詩。アエネーアスの旅とローマ建国の予言を描く
ローマ建国史(リウィウス)ロムルスとレムス、王政ローマから始まる、神話的な「歴史」
変身物語・祭暦(オウィディウス)神々の変身神話と、ローマの祭礼・暦を月ごとに歌う
神官の記録・国家祭祀ヤヌスやウェスタなど、ローマ固有の神々と儀礼の体系

世界の神話伝説図鑑世界の神話伝説図鑑Amazonで見る → 物語をつくる神話 解剖図鑑物語をつくる神話 解剖図鑑Amazonで見る →

記事①:『アエネーイス』― トロイアからローマへ

シリーズ第1弾では、ローマの国民的叙事詩『アエネーイス』を解説します。

燃えるトロイアから父を背負って脱出した英雄アエネーアスが、カルタゴの女王ディドとの悲恋、冥界下り、そしてイタリアでの戦いを経て、ローマ人の祖となるまでを扱います。

【ローマ神話の原典①】アエネーイス ― トロイアからローマへ、英雄アエネーアスを解説senkohome.com/myths-religions-origins-roman-aeneid/

記事②:ローマ建国神話 ― ロムルスと王政ローマ

シリーズ第2弾では、リウィウス『ローマ建国史』が伝える建国神話を解説します。

狼に育てられた双子ロムルスとレムス、紀元前753年の建国と兄弟の悲劇、サビニの女たちの略奪、そして七人の王の時代までを扱います。

【ローマ神話の原典②】ローマ建国神話 ― ロムルスとレムス、七人の王を解説senkohome.com/myths-religions-origins-roman-founding/

記事③:オウィディウス『変身物語』と『祭暦』

シリーズ第3弾では、詩人オウィディウスの『変身物語』と『祭暦』という二つの原典を解説します。

天地創造からカエサルの神格化までを「変身」でつないだ約250の神話、そしてローマの祭りと暦の由来を月ごとに歌った『祭暦』までを扱います。

【ローマ神話の原典③】オウィディウス『変身物語』と『祭暦』― 変身神話とローマの暦を解説senkohome.com/myths-religions-origins-roman-ovid/

記事④:ローマの神々と国家祭祀

シリーズ第4弾(最終回)では、ローマ固有の神々と、国家を支えた宗教を解説します。

二つの顔を持つヤヌス、聖なる火を守るウェスタと巫女たち、ギリシアの神々の読み替え、そして「神々との契約」としてのローマの宗教までを扱います。

【ローマ神話の原典④】ローマの神々と国家祭祀 ― ヤヌス・ウェスタと神官を解説senkohome.com/myths-religions-origins-roman-religion/

ギリシア神話との関係 ― 借りた神々、自前の物語

ローマ神話を理解する鍵は、ギリシア神話との関係にあります。ローマ人は、文化的に進んだギリシアと接するうちに、自分たちの素朴な神々をギリシアの神々と同一視していきました。これを「インテルプレタティオ・ロマナ(ローマ流の読み替え)」といいます。

ローマギリシア司るもの
ユピテルゼウス天空・主神
ユノーヘラ結婚
ネプトゥヌスポセイドン
ミネルウァアテナ知恵
マルスアレス戦争
ウェヌスアフロディテ愛・美

こうして神々の物語はギリシアから受け継いだ一方、「ローマはいかにして生まれ、なぜ世界を支配する使命を負うのか」という建国神話だけは、ローマ人が自前で築き上げました。ギリシア神話の原典とあわせて読むと、両者の違いがいっそうはっきり見えてきます。

【神話・宗教の原典解説】ギリシア神話の原典まとめ ― 主要な古典と全記事の一覧senkohome.com/myths-religions-origins-greek/

もっと深く知りたい方へ

関連する書籍も紹介します。あわせて読むと、この世界がいっそう深く味わえます。

マンガでわかる ギリシャ・ローマ神話編マンガでわかる ギリシャ・ローマ神話編Amazonで見る → ラルース ギリシア・ローマ神話大事典ラルース ギリシア・ローマ神話大事典Amazonで見る →

まとめ

本記事では、ローマ神話の原典の全体像と、シリーズ全4記事が扱う内容を紹介しました。如何だったでしょうか。

ローマ神話は、神々の物語をギリシアから借りつつ『アエネーイス』や『ローマ建国史』に描かれた建国神話という、ローマだけの独創を生み出しました。神話が、一つの国家の使命と運命を語る――そこにローマ神話の大きな個性があります。

他の神話・宗教の原典も解説しています。全体の一覧は世界の神話・宗教の原典まとめからどうぞ。

【神話・宗教の原典解説】世界の神話・宗教の原典まとめ ― 各神話の解説一覧senkohome.com/myths-religions-origins/

神々や英雄の強さについては、こちらのランキング記事も参考にしてみてください。

【神話・宗教・伝説 最強ランキング】最強の神、怪物、英雄がこの一冊を読めば全部分かる!senkohome.com/myths-religions-legends-ranking-1/

それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。