当サイトを閲覧いただきありがとうございます。本記事は、世界の神話・宗教の「原典」を解説するシリーズの一篇で、「道教」の原典をまとめた一覧ページです。
道教は、儒教・仏教と並ぶ中国三大宗教の一つで、「道(タオ)」に従って自然に生きることを説き、さらに不老不死の仙人を目指す独特の宗教です。その源流は、老子・荘子の深遠な哲学にあります。
道教の原典は、哲学書から神々の経典まで幅広く、明確な聖典が確立している「聖典型」に位置づけられます。本シリーズでは、その世界を5つの記事に分けて、わかりやすく解説します。
なお、道教以外も含む世界の神話・宗教の原典の総合インデックスは、以下のページからご覧いただけます。
道教には2つの顔がある
道教を理解するうえで大切なのが、それが2つの側面を持つことです。
一つは、老子・荘子に始まる「思想・哲学としての道教(道家)」です。万物の根源である「道」に従い、作為を捨てて「無為自然」に生きることを説きます。
もう一つは、後の時代に成立した「宗教・教団としての道教」です。こちらは不老不死の仙人になることを目指し、独自の神々を祀り、錬丹術や呪術を行う、組織化された宗教です。
この2つは別物のようでいて、「道に従って生きる」という根を共有しています。本シリーズでは、哲学の祖である老子・荘子から、神仙思想、そして教団道教まで、5つの記事で順に解説します。
| 原典 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 道徳経(老子) | 道家 | 道・無為自然を説く根本経典 |
| 荘子 | 道家 | 寓話で自由の境地を説く |
| 抱朴子 ほか | 神仙 | 不老不死・錬丹術の理論 |
| 道蔵 | 教団 | 道教経典の一大集成 |
それでは、各記事が何を解説しているのかを紹介していきます。
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記事①:老子と『道徳経』
シリーズ第1弾では、道教の根本経典『道徳経』と、その著者とされる伝説の人物「老子」を解説します。
万物の根源である「道(タオ)」、何も作為しないことで全てを成す「無為自然」、水のように低きに身を置く「上善は水の如し」など、わずか5000字に込められた老子の思想を、わかりやすく紹介します。
記事②:荘子の思想
シリーズ第2弾では、老子と並ぶ道家の大家「荘子(そうじ)」の思想を解説します。
自分が蝶になった夢を見る「胡蝶の夢」、あらゆる対立や区別を超える「万物斉同」、何ものにもとらわれない自由の境地「逍遥遊」など、ユーモアあふれる寓話で語られる荘子の世界を、わかりやすく紹介します。
記事③:神仙思想と不老不死
シリーズ第3弾では、道教ならではの不老不死を目指す「神仙思想」を解説します。
仙人になるための錬丹術(れんたんじゅつ)、葛洪の『抱朴子』、八人の仙人「八仙」、不死の女神「西王母」と仙桃、理想郷「桃源郷」や蓬莱山など、中国の人々を魅了し続けた神仙の世界を、わかりやすく紹介します。
記事④:教団道教と道蔵
シリーズ第4弾(最終回)では、組織化された宗教としての「教団道教」と、その一大経典集「道蔵」を解説します。
道教教団の祖「張道陵」と五斗米道、黄巾の乱を起こした太平道、道教の最高神「三清」や玉皇大帝、膨大な経典集成「道蔵」、そして全真教・正一教といった教派までを、わかりやすく紹介します。
儒教・仏教との違い ― 中国三大宗教
道教をより深く理解するには、中国で並び立った儒教・仏教と比べてみるのが近道です。この3つは「三教」と呼ばれ、しばしば対比されてきました。
| 道教 | 儒教 | 仏教 | |
|---|---|---|---|
| 重んじるもの | 自然・無為・不老長寿 | 社会の秩序・道徳・礼 | 悟り・輪廻からの解脱 |
| 理想 | 道に従い自然に生きる | 仁義によるよき社会 | 苦からの解放・涅槃 |
| 関心の向く先 | 現世(この世での幸福) | 現世(人間社会) | 来世・心の解脱 |
面白いのは、中国の人々がこの3つを対立させず、使い分けてきたことです。「世に出て働くときは儒教、心を休めたいときは老荘(道教)、死に向き合うときは仏教」というように、三教は中国人の精神を支える柱となりました。とりわけ道教は、「今この世で、健やかに長く幸せに生きたい」という現世的な願いを一手に引き受けてきた点に、大きな個性があります。
なお、本シリーズで見ていくとおり、道教には哲学(道家)から宗教(教団道教)への流れがあります。老子・荘子の思想(記事①②)が土台にあり、そこに不老不死の神仙信仰(記事③)が結びつき、やがて神々や教団を備えた宗教(記事④)へと発展しました。この大きな流れを意識すると、各記事がぐっと読みやすくなります。
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まとめ
本記事では、道教の原典の全体像と、シリーズ全5記事が扱う内容を紹介しました。如何だったでしょうか。
道教は、老子・荘子の「道に従い、無為自然に生きる」哲学と、「不老不死の仙人を目指す」宗教という、2つの顔を併せ持つ、中国独自の豊かな世界でした。『道徳経』『荘子』から道蔵まで、その原典を順にたどっていきましょう。
他の神話・宗教の原典も解説しています。全体の一覧は世界の神話・宗教の原典まとめからどうぞ。
神々や英雄の強さについては、こちらのランキング記事も参考にしてみてください。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
📚 シリーズ:道教の原典解説(1/5)