当サイトを閲覧いただきありがとうございます。本記事は、世界の神話・宗教の「原典」を解説するシリーズの一篇で、「ゾロアスター教」の原典をまとめた一覧ページです。
ゾロアスター教は、現在の信者数こそ世界で約10〜20万人と少数ですが、その歴史的な意義は計り知れません。なぜなら、これは世界最古級の「啓示宗教」であり、後のユダヤ教・キリスト教・イスラム教が共有する「天使と悪魔」「最後の審判」「天国と地獄」「死者の復活」「救世主」といった世界観の、重要な源流の一つと考えられているからです。
日本では、火を聖なるものとして扱うことから「拝火教(はいかきょう)」とも呼ばれます。古代ペルシア(イラン)で生まれ、ペルシア帝国の国教として栄えました。本シリーズでは、その原典を4つの記事に分けて、原典に沿って詳しく解説します。
なお、ゾロアスター教以外も含む世界の神話・宗教の原典の総合インデックスは、以下のページからご覧いただけます。
ゾロアスター教の原典 ― アヴェスター
ゾロアスター教の聖典は「アヴェスター」と呼ばれます。古代の「アヴェスター語」で記された、いくつもの文書の集成です。
この中で最も重要なのが、「ガーサー」です。これは開祖ザラスシュトラ自身が詠んだ讃歌とされる、アヴェスターの最古にして最も神聖な核心部分で、礼拝の中心であるヤスナに組み込まれています。なお、アヴェスターは長く口頭で伝えられ、文字に記されたのはずっと後のササン朝ペルシアの時代でした。後世には、中世ペルシア語(パフラヴィー語)による創造と終末の書『ブンダヒシュン』なども編まれています。
図解 世界5大神話入門Amazonで見る →
はじめての世界神話 図解でよくわかるAmazonで見る →
ゾロアスター教を貫く「善悪二元論」
ゾロアスター教を理解する最大の鍵が、「善悪二元論」です。世界は、善と悪という2つの根源的な力が激しく戦う戦場である、と考えます。
善の最高神「アフラ・マズダー」と、悪の根源「アンラ・マンユ(アフリマン)」。この2つの戦いに、人間も自らの意志でどちらに味方するかを選んで参加する――これがゾロアスター教の世界観の骨格です。そして最後には善が必ず勝利するとされます。
各記事の紹介
それでは、本シリーズ全3記事が、それぞれ何を解説するのかを紹介していきます。
記事①:開祖ザラスシュトラと聖典アヴェスター
シリーズ第1弾では、預言者「ザラスシュトラ」の生涯と、聖典「アヴェスター」を解説します。謎に包まれた開祖の年代、アフラ・マズダーからの啓示、ガーサーを核心とするアヴェスターの構成、そして口承から文字化までの歴史を扱います。
記事②:善悪二元論と信仰生活
シリーズ第2弾では、ゾロアスター教の教えと実践を解説します。最高神アフラ・マズダーと悪のアンラ・マンユ、真理アシャ、神を補佐するアムシャ・スプンタ、人間の自由意志といった教義に加え、「善思・善語・善行」の三徳、聖なる火、そして鳥葬を行う「沈黙の塔」までを扱います。
記事③:世界の創造と終末
シリーズ第3弾では、ゾロアスター教が描く壮大な世界の物語を解説します。アフラ・マズダーによる世界の創造、死者の魂が渡る「チンワト橋」の審判、天国と地獄、救世主「サオシュヤント」、世界の刷新「フラショ・クルティ」、そして死者の復活までを扱います。
記事④:三大一神教への影響と歴史
シリーズ第4弾(最終回)では、ゾロアスター教が後の宗教に与えた影響と、その歴史を解説します。天使・悪魔・審判・復活・救世主といった観念がユダヤ教・キリスト教・イスラム教へ伝わった経緯、東方の三博士「マギ」、アケメネス朝・ササン朝ペルシアの国教としての栄光、イスラムによる衰退、そしてインドの「パールシー」までを扱います。
もっと深く知りたい方へ
関連する書籍も紹介します。あわせて読むと、この世界がいっそう深く味わえます。
宗教の起源 ― なぜ〈神〉が必要だったのかAmazonで見る →
哲学と宗教全史Amazonで見る →
まとめ
本記事では、ゾロアスター教の原典の全体像と、シリーズ全3記事が扱う内容を紹介しました。如何だったでしょうか。
ゾロアスター教の原典「アヴェスター」は、開祖ザラスシュトラの讃歌「ガーサー」を核心とし、善神アフラ・マズダーと悪神アンラ・マンユの戦いという壮大な善悪二元論を伝えます。その思想は、三大一神教にも深い影響を与えました。
他の神話・宗教の原典も解説しています。全体の一覧は世界の神話・宗教の原典まとめからどうぞ。
神々や英雄の強さについては、こちらのランキング記事も参考にしてみてください。
それでは次の記事も閲覧いただけると幸いです。
📚 シリーズ:ゾロアスター教の原典解説(1/5)