『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの生みの親・桜井政博さんは、YouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」でゲーム開発のノウハウを数多く公開しています。この記事は、そのチャンネルの内容をテーマごとに要約・再構成したものです。
ただし、要約はあくまで入り口にすぎません。桜井さんご本人の言葉・実例・テンポ、そして映像そのものからしか得られないものが本当に多いので、記事を読んで終わりにせず、ぜひ各テーマに埋め込んだ元動画もあわせてご覧いただくことを強くおすすめします。
「ゲーム性とはリスクとリターンである」という定義を軸に、面白さの正体を解き明かすカテゴリです。ここでは「ゲーム性」カテゴリの全4本(個別動画29テーマ)の要点を、元動画4本に沿った4部構成でまとめていきます。各部の冒頭に解説動画を置いているので、あわせてどうぞ。
第1部 リスクとリターンで読み解くゲームの面白さ(#01〜#06)
「ゲーム性」とは何か。曖昧になりがちなこの言葉を、桜井さんは「駆け引き、すなわちリスクとリターンである」と明快に定義します。このカテゴリは、ゲームの面白さの正体に迫る、開発者にとって特に重要な内容です。
1. リスクとリターン
「ゲーム性」とは、ゲームの面白さを表した言葉です。しかしその意味は曖昧でした。これを桜井さんは、駆け引き、すなわちリスクとリターンであると定義します。2003年にフリーになった頃から展開してきた、桜井さんの代表的な考え方です。
例として挙げられるのが、1978年に社会現象となったシューティングゲーム『スペースインベーダー』です。砲台を操作し、左右に動くインベーダーを撃つシンプルなゲーム。お互いまっすぐに弾を撃つので、横軸がずれていれば、攻撃が当たる可能性はゼロ。この状態をノーリスク・ノーリターンと定義します。
砲台をインベーダーに近づけるほど、相手の弾が当たる可能性は増えます。リスクは上がりますが、こちらの攻撃が当たる可能性、つまりリターンも生まれる。そしてやられる寸前まで近づいたとき、初めて敵を倒せるというリターンを得られるのです。リスクを冒してリターンを得る。これがゲーム性、そして駆け引きの本質です。
ここで攻略という要素も絡んできます。ゲーム性が「リスクを抑えてリターンを得る楽しさ」だとすれば、攻略は「リスクを抑えてリターンを得る工夫」。システム側とプレイヤー側の違いです。インベーダーは追いかけるのではなく、迎え撃つほうが少ないリスクで倒せる。これがプレイヤー側の攻略です。
桜井さんは、往年のテクニック「名古屋撃ち」も紹介しています。インベーダーが侵略する寸前は、残り砲台数に関係なく即ゲームオーバーになる、最大のリスク状態。ところが砲台を極限まで近づけると、相手の弾の発射位置をすり抜けて当たらなくなる。最大のリスクと最大のリターンが重なった、鋭い仕様です(実際はバグと思われますが、この時代にこうした駆け引きが生まれたことが面白いとのこと)。
『スーパーマリオブラザーズ』の「敵を踏む」楽しさも同じです。敵に近づくほどリスクが高まり、最大に高まったところでジャンプして踏むと、初めて撃破のリターンが得られる。リスクとリターンは、かなり近いところに適切な大きさで配置し、刺激的に織り込むべきなのです。
なお桜井さんは、「ゲーム性が上がれば一般性が下がる」という考えも持っています。初代『星のカービィ』は、あえてゲーム性を下げて一般性を上げた例だと言います。ゲーム性はゲームの面白さの一側面であり、これがすべてではない、という点には注意が必要です。
2. ギュッとしてパッと解消
ゲームには、よく考えると不思議な部分があります。ストレスをかけて、それを解消することが面白さの核になっているのです。
ストレス自体は面白くありません。だけど、ギュッとストレスをかけてパッと解消することで、気持ちよさや快感が得られる。客観的に見れば、最初からストレスなどない方が快適なはずですが、それでは面白くならないのです。
だからといって、ストレスを雑草を抜くように取り去ってしまってはいけません、とのことです。敵でも障害でも謎でもいい、クリアしなければ進めない壁を与え、それを解消することですっきりさせる。これが第1段階です。
うまくクリアできたら、そのストレスをより効果的に解消できる手段につなげるご褒美を出すと、さらに良くなります。経験値やスキルで強くなる、お金で装備を整える、先に進める。多少の選択幅を持たせると、ゲーム性はさらに上がります。既存のゲームを真似るのではなく、元からの意味を考え直せば、より斬新なゲームが生まれる可能性があるのです。
3. RPGのゲーム性
ロールプレイングゲームは幅広いジャンルですが、桜井さんは「移動」と「戦闘」の2つに絞ってゲーム性を解説します。
まず移動について。RPGでは、危険地帯に踏み入ることが必要です。奥に進むほど敵は強く、怖い。だけど、それ以上のリターンを得られる可能性があるので、つい無理をしてしまう。無理して進むか、安全なうちに戻るか。やられると失う戦利品が多くなることも含めて、リスクとリターンが成立しているのです。
いつでも安全な場所に帰れたり、リソースを考えなくていいタイプは、少しカジュアル寄りになります。ただ、それでもヒリヒリした遊びが作れないわけではありません。1回の戦闘における危険度を上げるなど、総合バランスを取ればいいのです。
戦闘については、敵の見た目や性質から「この敵は炎に弱そうだ」と当たりをつけ、試してうまくいけば経験になる。これはプレイヤーの経験です。相手の弱点をつき、同じ戦力でより良い結果を出すのは攻略であり、ゲーム性です。ただプレイヤーがそこまで考えてくれるとは限らないので、カジュアルにするならやりすぎない方がいい場合もあります。『ペルソナ』などは、弱点をつくと連続攻撃ができるなど、システム上で弱点をつくことを促し、メリハリよく調整されている好例ですね。
4. ゲーム性以外の面白さ
早めに伝えておきたいこととして、ゲームの楽しみ=ゲーム性、というわけではありません。ゲーム性はゲームの面白さの一部であって、ゲームには多様性があります。桜井さんは、ゲーム性によらない面白さを持つジャンルを7つ挙げています。
それぞれ簡単に挙げると、①モニターの中で現実の法則から解き放たれる操作そのものの楽しさ、②物語を進める面白さが先立つアドベンチャー・サウンドノベル、③ジャンルを問わずくっつけられるムービー・ストーリー、④ファンに向けた商品としての版権・キャラクターもの、⑤疑似世界でごっこ遊びを楽しむ実在モチーフの再現、⑥工作するだけで楽しいクラフト系、⑦原始的な喜びに基づく音ゲー。
たとえば⑤の電車のゲームで、駅に着いて扉が開く音やお客さんの足音を鳴らすと、プログラム上は効果音を1〜2個鳴らしただけなのに、プレイヤーはモニターの外の世界観まで感じ取れます。現実に近づけることで、表現以上の情報量をプレイヤーが受け取れるわけです。
なお、検討の末に外したジャンルがスポーツです。本物のスポーツには必ず何らかの駆け引きがあり、それをコンピューター上で再現した時点で、すでにゲーム性を兼ね備えているからですね。それぞれの楽しみは0か1かではなく、曖昧につながっていて境界線はありません。素直に楽しいことを感じ、噛み砕けるようになると、作れる幅が広がります。
5. 悪魔の釜
ゲームの難易度は、イージー・ノーマル・ハードから選ぶものがほとんどです。そんな中、桜井さんは『新・光神話 パルテナの鏡』で「悪魔の釜」という、ゲーム性の観点から見て鋭いシステムを作りました。
ステージ開始時に「悪魔の釜」が出現し、本気度を決めます。基準は2.0。ここにハート(お金)を突っ込むと本気度がどんどん上がり、難易度が上がって敵が手強くなる代わりに、クリアすればより多くのハートや、より強い武器・奇跡が手に入ります。
ミスをすると釜のハートを少しこぼし、コンティニュー時は難易度が下がる代わりに報酬も得にくくなる。難しすぎれば本気度を下げて楽にもできます。ハイリスクにすればハイリターンが得られる、リスクとリターンを難易度調整に落とし込んだ、斬新なシステムです。やられれば勝手に難度が下がるので行き詰まりにくく、「イージーにしますか」と聞かれるような屈辱感もありません。
ただし問題点もある、と正直に振り返っています。常にギリギリを突きつけられる感覚があり、カジュアルにはなりにくい。ステージが広すぎたり、敵が多すぎたり、本気度を下げれば難度も下がるという周知が足りなかったり。初心者への導入にもっと手を回せれば良かったとのこと。それでも、難易度設計の一つの形として今なお参考になる鋭い仕組みだと語っています。
6. ズルを許す
攻略とは、いかにプレイヤー自身が損をせず、得をできるかという遊びです。噛み砕くと、損を大きくする代わりに得をもっと大きくする、という遊び方もあります。アクション、FPS、格闘、RPG、シミュレーション、パズルなど、駆け引きのあるゲームには概ね当てはまります。
ここで桜井さんが面白い指摘をします。ゲームは複雑な組み合わせでできているので、ちょっとした「ズル」、つまり一方的に得になることができてしまうことがある、と。『ダークソウル』である場所に陣取ると敵が自滅してソウルが儲かる、といった現象です。
こうしたバランスブレーカーは、デバッグ段階で丁寧に潰してしまいがちです。ですが、こういうところが逆に面白く、印象に残ったりするのです。あの『ドラゴンクエスト』でさえ、メタルスライム狩りという明らかにお得な稼ぎがありますよね。下手をすれば多くの戦闘をパスできてしまいますが、明らかに楽しく、プレイヤーの印象に残ります。
プレイヤーは必死でズルをします。勝つまでやり直すリセットチャレンジなども、勝てるのは当たり前と言えますが、それも含めて楽しみになり得る。内部パラメーターを書き換えるようなものは論外としても、ゲーム内でできるある程度のズルは許容したほうがいい。完全に平坦な道を進むのは、あまり面白くないのです。
第2部 浮遊感・ご褒美・リトライの設計(#07〜#15)
前半で示された「ゲーム性=リスクとリターン」という定義を土台に、ここではそれを実際のゲームづくりにどう活かすか、具体的な設計の話が中心になります。
7. 浮遊感は落ちてこそ生まれる
「自由に空を飛ぶ気持ちよさ」を演出したいとき、桜井さんはまず落ちる仕組みやペナルティを加えることをすすめます。一見、相反するようですが、これがポイントです。
空を飛ぶゲームなら、空中で気持ちよく操作させたくなりますよね。だけど、それと相反することを織り込んで初めて、飛んでいる実感が湧いてくる。飛ぶゲームなら落とす、高速で進むゲームなら遅くなる条件を入れる、といった具合です。
初代『エースコンバット』では、海の上にかかった長い橋の下をくぐりたくなる。実際にくぐると気持ちいい。それは、橋や水面にぶつかればアウトというリスクがあり、それを切り抜けた実感があるからです。空しかなく、ぶつかるもののないゲームでは、この緊張感は生まれません。
『カービィのエアライド』では、地形のギャップを踏み切るとマシンが飛びます。踏み切りポイントを探す遊びや、飛べるマシンと飛べないマシンの混在が、飛んだときの気持ちよさをより深めるのです。何らかの仕様を入れると決めたら、それに相反する要素も一緒に入れる。リスクとリターンは表裏一体だ、ということですね。
8. はたして敵は必要なのか
ゲームには、ストーリー手動型やパズルなどを除いて、かなり多くの作品に「倒すべき敵」が出てきます。やらない人から見れば心配になるほど、敵を倒しまくる。これは本当に必要なのでしょうか。
桜井さんは、当たり前になっていることに疑問を持つのは良いことだとして、掘り下げます。一般的なゲームは、ストレスをかけて解放することで楽しさを得ます。障害(=ストレス)を排除すると解消になり、すっきりする。さらに、ご褒美や経験で強化されれば「成長」、それによって次の障害を排除しやすくなれば「進展」です。
解消・成長・進展という3つの楽しみは、最初のストレスがなければ成り立ちません。だからやはり障害は必要そうです。『アンダーテール』は敵を倒さなくてもクリアできますが、ちゃんとストレスはかけてきます。むしろ無殺だと直接的な排除ができず、ストレスはさらに増す。その分、解消は格別です。
結論として、敵を抜くことはできるけれど、敵に該当するストレスと解消は必要。できれば成長・進展も積極的に取り入れたほうが良い、ということですね。
9. ごほうび要素はまっ先に
特に敵を倒すゲームでは、撃破時やミッションクリア時に報酬(ご褒美)を入れることが不可欠です。古い作品にもスコアくらいはありますが、今のゲームではパワーアップ・お金・経験値・スキルポイントなど、何らかの報酬がほしいところ。
先に進めること自体がご褒美とも言えますが、それだけでは今のゲームの動機づけとしては物足りない。ご褒美はゲームを進める欲求の源になるので、ジャンルにもよりますが、骨組みができたら真っ先に考えてもいい要素です。
ただし、お金やポイントのように溜まる数値は、それを消費して得られるものに魅力がなければ、良いものになりません。素材を集めて何かを作る、コレクションが溜まる、キャラや装備が手に入る。こうした見せ方は、消費とワンセットで設計する必要があります。たとえば『スマブラSP』でスピリッツが最初から全部揃っていたら、喜びもなにもないわけです。
10. 対戦は複雑になるもの?
現在の対戦ゲームに飛び込むのは、なかなか勇気がいります。複雑すぎてついていけない、と感じる人も少なくないでしょう。では、対戦ゲームはシンプルに作れないのでしょうか。
桜井さんは、対戦格闘ゲームを例に説明します。歩けず、パンチ1種類だけでは駆け引きは生まれません。そこに歩き、キック(パンチより隙が大きい)、ジャンプ、ガード、投げ……と要素を足していくと、ゲームはどんどん奥深くなっていきます。
ただし、ゲームは奥深さだけを求めればいいわけではありません。カジュアルに楽しめることも大事で、「広く深く」の匙加減はとても難しい。歴史を重ねたジャンルでは、たいして駆け引きを生まないのに複雑なルールがある、ということも起こりがちです。慣れると当たり前に思ってしまいますが、開発のたびにシステムやルールを毎回見直すのがおすすめ。桜井さんも、スマブラのジャンプ仕様は毎回すべて変えているそうです。当たり前を当たり前と思わない感性が必要なのですね。
11. 落ちものパズルのゲーム性
パズルにもいろいろあります。ジグソーパズルは駆け引きを持たず、その楽しみは組み上がる達成感によるもの。一方、誰もが知る『テトリス』にはゲーム性があります。元になった「ペントミノ」にゲーム性がなく、テトリスにあるのは、やはりリスクとリターンがあるからです。
落ちものパズルのリスクは、積み上がっていくブロック。詰めば詰むほど考える時間が短くなります。そのリスクに対し、きれいにラインを揃えて消すとリスクが下がる。まとめて消せば、危険を引きつけた分だけより気持ちよくなる。落下速度が上がる仕様や、着地後にずらして粘れる仕様も、リスクを引きつける刺激に絡んでいます。
桜井さんが『メテオス』を企画したとき、「メテオを打ち上げる」という基礎アイデアに至るまで、わずか5分だったそうです。落ちものパズルが苦手なのにそれができたのは、このジャンルのゲーム性がどう生じるのかを先に理解していたから。ゲーム性の原理が分かっていれば、苦手でも迅速に考えられる、というわけです。
12. やられるとスッキリする?
ある海外の研究で、対戦型FPSでは、相手を倒したときに不安を感じ、倒されたときにほっと安心する、という結果が出たそうです。普通は逆だと思いますよね。これはストレスからの解放感があるということで、確かにゲームの楽しさと言えます。
桜井さんはここから、いくつかの気づきを挙げます。まず、ゲームのキャラクターは必ずしも感情移入の対象ではないらしいこと。次に、リスタートが早ければ、残念感を引きずらず次へ進めること。そして、相手を倒すこと自体がリターンではないこと。目的は最終的に勝つことなので、倒した瞬間も油断はできず、自分が倒される未来を見ているのかもしれません。
特に注目したいのは、倒した側も倒された側も、それぞれ面白いと思えるなら、娯楽として最高だという点です。負ければ悔しいけれど、つい次をやってしまう。必ずしも「対戦=制圧の快感」ではない、というわけですね。
13. 単調な坂は山登りにならない
RPGなどキャラクターが成長する作品で、自キャラの強さと敵の強さをグラフにすると、両方がまっすぐ右肩上がり……と思いがちですが、これはやってはいけません、とのこと。
同じ角度の平坦な坂をただ上がるのは、辛いだけです。景色も同じ、休憩地点も定期的に出てくるだけ。これでは喜びが生まれません。いわば作業です。実際のバランスは、デコボコさせるのが良い。乗り越えるべき困難(壁=ボスなど)もあれば、少し楽な平地もある。
ポイントは、「周りよりボスが強い」というセオリーで配置するのではなく、ボスのような困難を置いて攻略をしっかり考えさせ、クリアできた人に相応の報酬を出す流れに持ち込むこと。敵が出続けず、何もいない空間をあえて作ったり、儲かる場所を適切に配置したりすると、探索がより楽しくなります。
14. リトライは迅速に
ゲーム中にミスをしてリトライさせるとき、再開は極力迅速に行えるようにすべきだ、ということでした。それにより、投げ出さずに再チャレンジしてくれる可能性が増えます。
ポイントは、プレイヤーが冷める前に、操作のバトンを手渡すこと。やられた、ダメだったと思った瞬間から、次に操作できるまでの時間は、プレイヤーが急速に冷めていく時間です。長く置くほど冷めてしまう。冷める前に操作を始められれば、少し進むうちに次のやる気も出てきます。
ただし、ミスしてもその場復活が無限にでき、何も考えずクリアできると思わせてもいけない、とのこと。やられたときはちゃんと「やられた」と思わせる。そのための演出は、短い時間で派手に。1秒か数秒で十分です。なお、復活した直後に敵が襲ってくるのは避けたほうがいい。触ってもいないのに勝手にやられ続けると、操作するのも嫌になってしまいます。
15. やり直しに見合う魅力はあるか
『デモンズソウル』『ダークソウル』系のヒットの影響もあり、2010年代後半から高難度ゲームが増えています。ミスしたらやり直しになるローグライク・ローグライトも、ジャンルとして多く見られます。
念のため、両者の違いを整理しておきます。ローグライクは、ダンジョンやアイテムがランダム生成され、死んだらやり直しになり、味方と敵のターンが交互に訪れるもの。PCゲーム『ローグ』に似たタイプで、日本では『不思議のダンジョン』シリーズが有名です。一方ローグライトは、その要素を取り込んだもので、アクションなどジャンルが違えば概ねこちらにあたります。キビキビした演出と、ランダムな装備・アイテム・展開によって、毎回変わったプレー体験を提供します。
この「やり直し」の仕組みは、リソースを多く作れないインディー系のゲームにはとても合います。だけど、と桜井さんは問いかけます。お客さんは、ずっとやり直して同じものを遊んでいたいわけではありません。ゲームを先に進めるには動機が必要で、その主な動機は「先を見たい」という欲求。そのためには、先に対する期待=ゲーム内の魅力を見せなければならないのです。
『ダークソウル』などは、先に進みたいという強い気持ちで進められます。なのに、システムだけ真似て、先を見たい動機づけを行っていないタイトルはプレイしていられない。他のゲームが高難度だから、慣れた自分がギリギリできるからOK、と決めつけないほうがいい。同じ場所で何度も足踏みさせたとき、プレイヤーがどんな景色を見ているのかを、作り手はよく考えるべきですね。
第3部 ゲーム性と一般性・昇龍拳コマンド・遊びとは何か(#16〜#23)
このカテゴリの締めくくりとなる今回は、ゲーム性と一般性のトレードオフや、名作の駆け引きの分析、そして「そもそも遊びとは何か」という根源的なテーマまで踏み込みます。
16. シューティングゲームのゲーム性
「リスクを冒すとリターンを得られる」という駆け引きの基本を、昔ながらのシューティングで掘り下げます。
『ダライアス』は、画面に出る弾数が少なく、よく玉切れを起こします。普通は弾がバンバン出ないと気持ちよくないのですが、これが駆け引きを生んでいます。スクロール後方にいると玉切れしやすく、前方や敵・地形に近いほど連射が効く。敵から離れてリスクを下げると当たる弾数も減りリターンも少なく、敵に肉薄すると連射できて早く倒せるのです。
『グラディウス』のようなパワーアップ型でも、ぶつかればミスになる地形のそばにパワーアップが配置されることで、近づくリスクとリターンが生まれます。画面の敵を何でもかんでも倒せてしまうと、すっきりはしますが駆け引きは生まれにくい。一味違うゲームを作りたいなら、単に模倣するのではなく、なぜ面白いのかを考えてみるとよい、とのこと。
17. ゲーム性と一般性
ゲーム性(リスクとリターン)はゲームを刺激的にしますが、桜井さんは「ゲーム性を上げすぎると一般性が下がる」ことを意識すべきだと言います。
『スーパーマリオ』の肝は、敵に肉薄しリスクが最大に高まったところで反撃に変える、リスクとリターンの近さでした。一方、初代『星のカービィ』は、敵がある程度近づいても、リスクが高まらないうちに吸い込みで無効化できる。体力制で6回まで耐えられ、いつでも空を飛べる。つまり、初心者のためにリスクを軽くする仕組みを持たせているのです。
リスクとリターンは、適度なバランスならほぼ比例します。困難なリスクほど、避けたときの喜びは強い。逆に言えば、リスクが低ければリターンも低い。カービィはあえてスリルを抑え、面白さの一部を犠牲にしてでも、初心者にやさしいことを「役割としてよし」としているのです。どこを狙うかはゲームの企画とコンセプト次第で、正解はありません。ゲーム性が生じる理屈を理解した上で、狙いを定めるのが良いということですね。
18. 昇龍拳コマンド
ゲーム業界で最も有名な必殺技のひとつ、昇龍拳。その入力コマンド(前・下・斜め下+ボタン)は、リスクとリターンの観点で極めてよくできているとのことです。「できすぎ」だと思うほどに。
ストリートファイターシリーズでは、後ろに入れるとガード。つまり「前」に入れるのは、相手に危険に近づく行為です。次に「下」でしゃがむと対空ガードができず、空中攻撃に無防備。そして「斜め前」はどこも防御できない状態。スティックの体勢としては最大のピンチ。そこでボタンを押すと、対空に向いた昇龍拳がズバッと飛び出すのです。
さらに、昇龍拳は根元(出だし)が無敵で強く、相手を引きつけるほど有利。相手に近いほど反撃を受けやすく、近いほど逆転のチャンスがあるという、リスクとリターンに沿った設計です。コマンドの難しさ、空振り時のピンチなど、すべてのバランス感覚が見事に組まれていたからこそ、大きな駆け引きを生んだのですね。
なお、スマブラのリュウやテリーも昇龍拳コマンドを受け付けます。ボタン1つでも出せますが、コマンド入力時は威力や無敵時間を優遇しています。本来ゲーム性的にはコマンド版をもっと強くすべきですが、コマンドできる人とできない人の格差を広げすぎると難しくなりすぎるため、カジュアル性を踏まえて現在のバランスにしているそうです。
ちなみに、作曲家の下村陽子さんは、スマブラのリュウを触って「私にも昇龍拳が出せた」と喜んでいたそうです(もちろんワンボタン版で、コマンド入力なしですが)。同じ入力コマンドでも、ゲームによって狙いが違うので、その意味を考えて設定できるといいですね。
19. ランキングの功罪
オンラインのランキングには、良い面も悪い面もあります。良い面は、なんといっても目的意識を持たせられること。ただ戦って終わりではつまらない。頑張った成果が「より上を目指す動機」につながるのは大事です。同じくらいの実力の人を探すマッチングの指針にもなります。
悪い面は、大げさに言えば永遠に屈辱感を得ること。1位にならない限り達成できないので、ずっと負け続けているとも言える。400位や1万位と表示されたら、やる気も出にくいですよね。
そこでスマブラでは「世界戦闘力」という仕組みを入れています。これは逆引きランキングで、世界のプレイ人口の中での強さを数値化したもの。低いほど良いランキングを、高いほど良い数値に見せています。母数が大きいので「何百万位」とは出さず、トップ層も見せない。チート対策にもなります。加えて「VIPルーム」で上位者に満足感を与えつつ、上位者の流入を防ぐ。当たり前のランキングから抜け出す方法の参考事例ですね。
20. 遊びって、何?
ゲームの面白さの本質解説として、よく引用される本に、ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』(1958年)があります。桜井さんは他人の考えを引っ張るのは好まないそうですが、役立つので紹介しています。ここでは、遊びには4つの要素があると定義されています。
アゴン(競争)、アレア(偶然)、ミミクリ(模倣)、イリンクス(めまい)。聞いただけで、すべて現在のゲームに当てはまりますよね。桜井さんの言うゲーム性(駆け引き)は、主にアゴン(競争)を指します。一方で、ランダムで勝敗が変わるアレア、情報量を増やすミミクリ、吹っ飛ばしや落下の生理的快感であるイリンクスも、作品には多く入っています。
桜井さん自身の遊び観も語られます。遊びは、人が活力を得て生活するための訓練のようなもの。運動・反射・考察・知性・感情・ルール・社会など、子供の頃から繰り返す遊びは様々な無形の価値を与えてくれる。生産や仕事と関係ない、意味のないことに喜ぶ。それは決して無意味ではなく、人が人らしく暮らすための様々な試みなのではないか、と考えているそうです。
21. キャラゲームはらしさが第一
いわゆる版権もの(キャラクターゲーム)は、普通のゲームと比べて面白くないと言われ続けてきました。桜井さんは、これは自然なことだと考えています。原作がゲームデザインの縛りになるからです。ストーリーや設定を改変しにくく、原作をなぞる展開はすでにネタバレている。ゲームとそれ以外の物語を両立させるのは至難の業です。
一方で、原作の設定がゲームの核として生きる幸運な例もあります。その筆頭が『女神転生』シリーズ。コンピューターで悪魔を呼び出して戦うという設定は、ゲームとの相性が抜群でした。
では、キャラゲームに最も求められることは何か。それは「原作らしくあること」、ファンの『好き』に応えることです。その作品の製品群の一形態であること、適切なタイミングでリリースできること。ゲームとして駆け引きが優れていることは、優先度が低い。なお、スマブラも立派なキャラクターゲームであり、ゲームが原作でもキャラクター性を変えるわけにはいかないので、普通のゲームより縛りが多いそうです。
22. アクションゲームのゲーム性
アクションゲームのゲーム性には、いろいろな形があります。当番組の定義どおり「リスクを冒してリターンを得る」こと、つまり危険とチャンスが表裏一体であることを意識して見ると、すべてが整理できます。
- ジャンプ:崖ギリギリを狙うほど大きな穴を越えられるが、落ちやすくなる
- ダッシュ:速く移動できるが、制御しにくく隙やスタミナ消費が生まれる
- 接近攻撃:近づくと攻撃できるが、やられる可能性も生まれる
- 飛び道具:一方的に攻撃できるが、弾数を消費し、撃ち返される
- 回避・パリィ:攻撃を寸前でかわせるが、行動が不自由になる。引きつけるほど高リスクを高リターンに変えられる
- 隠れる:リスクを抑えられるが、攻撃できずリターンも減る
当たり前のようでいて、あらゆる行動にリスクとリターンがあります。それぞれの意味を考えることで、より面白くできる可能性が増えます。模倣を超えていきたいところだ、ということでした。
23. 作業ゲームを面白くするには
駆け引きがなくても、ゲームを面白く感じることはあります。桜井さんは、ゲーム性が少ないけれど面白いゲームをいくつか挙げます。『カーメカニックシミュレーター』『クッキークリッカー』『ハウスフリッパー』『パワーウォッシュシミュレーター』。リスクもペナルティもないのに、黙々とプレイしてしまう作品です。
これらに共通するのは、現実世界の何かがモチーフであること、何かが儲かること、黙々とプレイしてしまうことです。現実のモチーフは、それだけで頭の中の情報量を増やしてくれる。リフォームや洗浄なら、終わりのイメージに向かう感覚が仕事の意欲を生みます。
そして「何かが儲かる」は真っ先に考えるべき要素。儲かる→仕事を楽にする道具やスキルを買う、という流れにハマる。これがなければゲームの寿命は極端に減ります。人は単純作業を楽しく感じるようにできているので、相乗効果でやめられなくなる。駆け引きがなくとも、非常にゲームらしい遊びになるのです。仕事・儲け・パワーアップのバランスに、ごっこ遊びの妙が加わるとベスト、ということですね。
第4部 クリアできないよりマシ・戦略SLGの駆け引き・ハンデ調整(#24〜#29)
ゲーム性の締めくくりは、難度・ペナルティ・バランス調整がテーマ。「クリアできないよりマシ」という親切と、ヒリヒリした駆け引きの間で、どう設計するかが語られます。
24. クリアできないよりマシ
ゲームは勝ち負けギリギリの時に最も高いカタルシスを得ます。しかし、何十時間もかけたのに最後の最後が難しすぎてクリアできない——これは何としても避けたい事態です。昔ながらのRPGなら根気よくレベルアップで勝ち目が出ます(これがRPGが隆盛を誇った根本)。問題は、強化による逃げ道がない普通のアクションゲームなど。プレイヤースキルの成長に期待しても、ある一定以上は耐えられません。
負け続けると難易度を下げる提案をするゲーム、難しいステージをスキップできるゲームがあります。屈辱感は高いですが、クリアできないよりはマシ。途中で調整できずやり直しになるゲームは、設計上問題があるとさえ言えるかもしれません。最初から初心者向けのカービィを作っていた桜井さんとしてはプレイヤーに優しくしたいが、ヘビーゲーマーとしてはギリギリを求めたい瞬間もある。今回の結論は、屈辱感がない範囲で何らかの救済策を持たせること。ゲーム中に難度変更できるだけでも違います。もちろん親切を無視してヒリヒリした戦いを強いるのもコンセプト。どこのゲームでもユーザーがついてきてくれると思わない方が良いのですね。
25. 強制感と攻略バランス
任天堂の作品などでは、ボスの攻略方法がはっきりしていることがあります。目玉を特定のタイミングで打って、ひるんだところを剣で切る——これは制作者が丁寧に作った攻略の道筋。ただ、ゲームをする桜井さん個人としては自由にやらせてくれる方が好み。攻略に強制感があるとチュートリアルのようで、工夫している感触は得られるものの、「ああしろこうしろ」と言われたくない、と。
とはいえ、それもゲームの正解の形。『悪魔城ドラキュラ』はどんな武器でどう攻略するのも自由で、プレイヤーの数だけ攻略がありますが、人為的な攻略より大味になり駆け引きは生じにくい。一方、しっかりした攻略法を試行錯誤で見つけて撃破するのもゲーム、多彩な武器から有効なものを探って撃破するのもゲーム。どちらが正解ということはありませんが、狙いを定めることは必要です。何かのゲームをただ真似るのではなく、学べるところは学んだ上で、そのシステムに合うバランスを取れれば良い。なお『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は強制感が少なかった気がする——これもゼルダの当たり前を見直した結果かもしれない、と語ります。
26. 戦略SLGのゲーム性
戦略シミュレーションのゲーム性(駆け引き)を、戦力の観点で解説します。同じ戦力を同じようにぶつけると引き分けで、それでは公平でも面白くない。じゃんけんの三すくみのような組み合わせを戦略で変え、圧勝させるのが戦略SLGの根本的なゲーム性です。MOBAやカードゲームにも転用できる考え方。
グーだけ安く多く用意できる、パーが2倍の攻撃力、チョキが飛び越えて攻撃できる——そんなパワーと特性の差が深みを生みます。歩兵は戦車に弱い、戦車は攻撃ヘリに弱い、攻撃ヘリは対空砲に弱い、対空砲は歩兵に弱い……それらしさを踏まえつつ、明解な長所・短所とコストでゲームに深みを出す。ランダムで攻撃を避ける仕組みは多いですが、ランダムはややアンフェアな印象があり、排除しても成立するかもしれません。将棋やチェスは戦力でなく攻撃範囲で駆け引きを生み、効果が上がる位取りをするゲーム。うまく戦略がはまると気持ちいい。その気持ちよさのため、性能と相性は元気よく突き詰めたい、とのこと。
27. どれぐらい良いことをした?
ゲームの難易度やご褒美・ペナルティを決める際は、プレイヤーはどれぐらい良いことをしたのかという考え方を踏まえると良い、とのことです。取り返しのつかないことをした時、大きなペナルティを与えるのも一興ですが、それは挽回できるのか、回復にどれだけの能力がかかるのか——代償を問わず、ゲーム内の様々な見直しにつながります。
シナリオの都合で考えがちですが、プレイヤーはそれほど悪いことをしたのかを振り返ることは必要。成果や失敗が適切に反映されるべきだ、という考えだそうです。スマブラの例では、素早く隙の少ない弱攻撃と、出るまで遅く隙をさらすスマッシュ攻撃。後者の方が当てたら偉いのだから、それに見合った攻撃力・吹っ飛ばし力を持たせる。スコアを競うゲームで敵の強さに応じて得点を決めるのも、攻撃場所でダメージが変わるのも、この考え方で整理できます。ただしやりすぎるとゲームが丸くなり刺激を損ねるので、不条理感を軽く拭う程度に。定石を大胆に変え、いきなり大儲けできるが倒しにくい敵を設定し、レア感のある目的意識を持たせることもできますね。
28. 長所を伸ばし、短所も伸ばす
バランス調整の話。スマブラのファイターバランスは、調整班が毎日対戦やオンライン成績を元に調整しています。その中で起こりがちなのが、何かの強みが強すぎた時にその山を削り、逆に弱点を埋めようとしてしまうこと。当たり前でそうせざるを得ないこともありますが、それは滅びの道。ファイターが同じ性能に近づくのは同キャラ対戦に近づくことで、ゲームとして没個性になっていくのです。
桜井さんのゲームはデコボコしていることを良しとします。強みもあるが弱みもある、賛否両論があるのが当たり前——むしろないと困る。「誰かはAが強いと思い、誰かはBが強いと思う、だったら勝負で決めよう」という世界だからです。SNSやエコーチェンバーで偏見が広がりやりにくくなった印象はあるが、ひるんではいけない。メリハリはゲーム自体の活力で、ダイナミックレンジは可能な範囲でぐっと大きく持った方がいい。攻撃1つにも発生の速さ・持続・後隙の長さ・判定サイズなど多くの要素があるので、攻撃力の高さは個性として残し、フォロースルーを伸ばす・判定を小さくするなど別の方法で調整できます。技が多くあるなら、デコボコしてこそ自分の好きなものが生まれてくるのですね。
29. ハンデをつけてバランス調整
チーム内でゲームバランスを調整する話。少し雑に言えば、いわゆる死にゲーのような攻略が厳しいゲームの調整は、実はあまり難しくありません。開発スタッフはゲームに慣れているので、その開発者がギリギリクリアできるようにすればいい。熟知した人がなんとか勝てるなら、難しくなるのは間違いないからです。
問題は、本当にうまい人に合わせると、それ以外の人はゲームを買っても最後までいけないこと。これはつまらない。平均的な腕の開発者に合わせても、慣れた人なのでまだ難しい。慣れていない人を呼んで最初から遊んでもらうのが一番ですが、最後まで通す時間はなく、呼んだ人も慣れるので2回目・3回目のリトライはできません。
そこで、慣れた開発者よりグッと難易度を下げることを念頭に、操作にハンデをつける工夫をします。例えば片手でプレイする(慣れていても孫の手などで一定のハンデになる)、体力を減らすなど物理的なハンデ、条件を厳しくする、など。人の腕の差は激しく正解はありませんが、開発に慣れている場合、自分たちが標準だと思わず、思ったよりも下げるくらいでちょうど良い——そんなお話でした。
まとめ
ここまで「ゲーム性」カテゴリの全4本・29テーマを見てきました。最後に、各部(=元のまとめ動画)の要点を、個別テーマごとに振り返っておきます。
第1部 リスクとリターンで読み解くゲームの面白さ(#01〜#06)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 01 | リスクとリターン | ゲーム性=駆け引き=リスクとリターン。両者が鋭く重なる仕様ほど面白い |
| 02 | ギュッとしてパッと解消 | ストレスを雑草のように抜かない。溜めて一気に解消する快感こそ面白さの核 |
| 03 | RPGのゲーム性 | 危険地帯に踏み込むリスク。弱点を突き同じ戦力で勝つ攻略がゲーム性 |
| 04 | ゲーム性以外の面白さ | 駆け引き以外にも操作感・物語・世界観など、ゲーム性とは別軸の面白さがある |
| 05 | 悪魔の釜 | 難度が上がるほど報酬も増える「悪魔の釜」。初心者導入の配慮も要る |
| 06 | ズルを許す | 一方的に得する「ズル」が逆に面白い。多少のズルは許容したほうがいい |
第2部 浮遊感・ご褒美・リトライの設計(#07〜#15)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 07 | 浮遊感は落ちてこそ生まれる | 落ちるリスクがあるから浮遊感が出る。ある仕様を入れたら相反する要素も入れる |
| 08 | はたして敵は必要なのか | 敵は外せるが、それに代わるストレスと解消(すっきり)は必要 |
| 09 | ごほうび要素はまっ先に | 報酬はまっ先に。消費して得るものに魅力がないと良いものにならない |
| 10 | 対戦は複雑になるもの? | 対戦は奥深くなりがち。毎回ルールを見直し、カジュアルさも保つ |
| 11 | 落ちものパズルのゲーム性 | 積むリスクとまとめ消しのリターン。原理を知っていれば企画できる |
| 12 | やられるとスッキリする? | 倒した側も倒された側も面白いと思えれば、娯楽として最高 |
| 13 | 単調な坂は山登りにならない | 単調な上りはダメ。ボスで攻略させクリアに報酬を。バランスはデコボコに |
| 14 | リトライは迅速に | 再開は即。復活直後に敵を出さない。冷める前に操作のバトンを渡す |
| 15 | やり直しに見合う魅力はあるか | 同じ反復を望む人はいない。やり直す価値(ローグライト等)を用意する |
第3部 ゲーム性と一般性・昇龍拳コマンド・遊びとは何か(#16〜#23)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 16 | シューティングゲームのゲーム性 | 敵に肉薄するほど連射でき早く倒せるが被弾も増える、という駆け引き |
| 17 | ゲーム性と一般性 | ゲーム性を上げると一般性が下がる。初心者にはリスクを軽くする仕組みを |
| 18 | 昇龍拳コマンド | 最大のピンチ姿勢から対空技が出る名設計。コマンドの格差は広げすぎない |
| 19 | ランキングの功罪 | ランキングは目的意識を与えるが永遠の屈辱にも。逆引き等で当たり前から抜ける |
| 20 | 遊びって、何? | 遊びは競争・運・模擬・めまいの4要素。活力を得る訓練でもある |
| 21 | キャラゲームはらしさが第一 | 原作「らしさ」が第一。原作がゲームデザインの縛りになる |
| 22 | アクションゲームのゲーム性 | ジャンプ・ダッシュ・攻撃など、危険とチャンスが表裏一体 |
| 23 | 作業ゲームを面白くするには | モチーフ・「何かが儲かる」・黙々さの3要素で作業を面白くする |
第4部 クリアできないよりマシ・戦略SLGの駆け引き・ハンデ調整(#24〜#29)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 24 | クリアできないよりマシ | 勝敗ギリギリが最高だが詰みは避ける。屈辱のない範囲で救済策を持たせる |
| 25 | 強制感と攻略バランス | 攻略を縛りすぎない。道筋を作るのも、武器を探らせるのもどちらも正解 |
| 26 | 戦略SLGのゲーム性 | 歩兵→戦車→ヘリ→対空のすくみと位取り。ランダムは不公平感に注意 |
| 27 | どれぐらい良いことをした? | 行動の良し悪しに見合う報酬・罰を。当てたら偉いスマッシュは威力を大きく |
| 28 | 長所を伸ばし、短所も伸ばす | 強みを削り弱点を埋めると没個性に(滅びの道)。デコボコ=活力。別要素で調整 |
| 29 | ハンデをつけてバランス調整 | 死にゲー調整は実は簡単(開発者がギリ勝てる難度に)。自分基準にせず下げる |
ボリュームはありますが、気になった部から読み返してもらえればと思います。関連するカテゴリもあわせてどうぞ。















