『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの生みの親・桜井政博さんは、YouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」でゲーム開発のノウハウを数多く公開しています。この記事は、そのチャンネルの内容をテーマごとに要約・再構成したものです。
ただし、要約はあくまで入り口にすぎません。桜井さんご本人の言葉・実例・テンポ、そして映像そのものからしか得られないものが本当に多いので、記事を読んで終わりにせず、ぜひ各テーマに埋め込んだ元動画もあわせてご覧いただくことを強くおすすめします。
中でも「仕事の姿勢」カテゴリは、ゲーム制作に限らず、ものを作って働く人すべてに通じる普遍的な話が多いのが特徴です。ここではその全3本(個別動画23テーマ)の要点を、元動画3本に沿った3部構成でまとめていきます。各部の冒頭に解説動画を置いているので、あわせてどうぞ。
第1部 遊びの仕事は遊びじゃない・企画書の書き方(#01〜#10)
桜井さんが2022年からの約2年で公開した動画は、その数およそ260本。ゲーム制作の話のはずなのに、聞いているとこれはものづくりやチームで働くすべての人に効くプロの仕事論だな、と感じる場面がいくつもあります。この第1部では、その中でも特に普遍的な10本を見ていきます。
1. 遊びの仕事は遊びじゃない
「あなたはなぜゲームを作るのですか」と問われたら、多くの人は「ゲームが好きだから」と答えるでしょう。もちろんそれも大切なのですが、桜井さんの答えは少し違っていて、一番の理由は「自分が最も得意とする仕事だから」。好きという気持ちは、むしろその次なのです。
ゲーム作りは遊びを生む仕事ではあっても、仕事そのものは遊びではありません。趣味で作るだけなら構いませんが、売りに出してお金が絡む以上は、必ず「仕事」として考えるべき。小規模なインディーには好きな作品を作る傾向もありますが、お金をもらう以上はインディーだってプロであり、需要に応じて器用に振る舞うことが大事なのです。
これはチームで働くと実感しやすい話です。スタッフが自分の好みに合わないゲームを担当するのは日常茶飯事で、可愛いものが大好きなアーティストがゾンビやゴキブリの緻密なテクスチャを延々と作り続ける、なんてこともあります。それでも、仕事なら好みと正反対のものでも器用にこなさなければなりません。とはいえ、どんな仕事も楽しめるようにするのが一番ですから、その中に面白さややりがいを見つけることもまた大切だ、と桜井さんは付け加えています。
では、ディレクターやゲームデザイナーになって企画を一から考える立場になれば、好きなものを作れるのでしょうか。実はそうとも限りません。桜井さん自身、作るゲームは自分の好みとはまったく関係なく決めているそうです。ゲームが得意な人があえて初心者向けに特化した『星のカービィ』を作り、落ち物パズルが苦手なのに『メテオス』を作る。どんなジャンルを示されても「課題」とみなし、最適なものを作ろうとするわけです。
そして、多様なゲームを作る作り手すべてに共通する最終目的として挙げられるのが、プレイヤーを楽しませることです。開発で困ったり道に迷ったりしたら、まずここに立ち返る。制作上の事情や困難はあっても、遊ぶ人が楽しめることを行動の動機にしてほしい、というのが桜井さんのメッセージです。
2. プレゼンはスピード
ゲームに限らず、チームで何かを作るにはアイデアをプレゼンテーションする場面が必ず出てきます。チーム制作でなくても、作ったものを誰かに伝える機会は多いはずです。
比較的プレゼンが得意だという桜井さんが挙げる極意は、ただ一つ。プレゼンはスピードであるということです。贅肉をそぎ落とし、必要なことだけを伝える。図は必要ですが、あくまでシンプルにします。
ただし、必ずしも短くすればいいわけではありません。大事なのは、限られた時間をいかに濃密に、テンポよく進められるか。だらだらと長いプレゼンを避け、要点を素早く届ける。それが結果的に、いちばん印象に残るコツなのです。
3. お客さんに説明できるの?
ゲーム作りは、理屈の通じないコンピューターを相手に、膨大な人手をかけて進めます。そのため、やりたいこととできることの間にはどうしても矛盾が生まれます。仕様をまとめる担当者から上がってきた仕様書が、開発側には都合がよくても遊び手には不親切、ということも少なくありません。
そんなとき桜井さんがよく口にするのが、「それ、プレイヤーに事情を説明して回るつもりなの?」という一言だそうです。遊び手にとって、作り手の都合など知ったことではありません。良いか悪いかを0と1で割り切れるわけではないにせよ、制作側の事情はプレイヤーには関係ないのです。
作り手自身も、本来は何かのゲームのプレイヤーであるはずです。だから遊んだときの感覚も分かるはずなのに、作る側に立つとクリアすべき課題が多すぎて、つい遊び手の視点から意識が離れてしまう。ここが落とし穴です。
大切なのは、常に遊び手ベースの視点を持つことです。技術的な壁があったり、好みの問題で正解が一つに決まらなかったりすることはあります。それでも、優先すべき最大の相手はお客さん、つまり遊び手です。不親切に思えたら他の手を検討し、企画だけでなくプログラマーとも相談して、理想と技術のあいだで折り合いをつける。これが肝心だと述べています。
4. 仕様を変えること
仕様変更は、極力避けたいことであると同時に、柔軟に行うべきことでもあります。この二面性が悩ましいところです。
仕様を変えれば、それまで作ってきたものが無駄になり、開発の道筋も遠回りになりがちです。コストもかかり、モチベーションも下がりかねません。そのため「面白くないから仕様を変える」のはなるべく避けるべきで、面白さは企画段階から見据えておくべきだとのことです。
一方で、どれだけ綿密に計画しても、実際に作ってみないと分からないことはあります。完成形を誰かに見せられる状態にするには結局作るしかなく、事前の資料や想定を完璧にしようとすると、その資料作りだけでゲーム一本ぶんの労力になってしまう、という本末転倒も起こり得ます。
ここで桜井さんが強く言うのが、問題に気づいたらすぐ口に出すことです。仕様を変えると決めたのに、問題を抱えたまま作り続けても仕方ありません。スタッフが問題点に気づいていたのに、あとから「そうだろうと思っていた」と言うのは無し。気づいたその場で、誰でも漏れなく共有します。プレイヤーは問題があっても変えられませんが、開発スタッフなら仕様を変えられる可能性があるのですから。
製作物は、たくさんの要素の組み合わせでできています。敵キャラを一体動かすだけでも、仕様・デザイン・モデル・モーション・エフェクト・プログラム・スクリプト・効果音などが必要です。上流が遅れたり全体のスケジュールが詰まったりすれば、すぐに手が止まってしまう。だからこそ仕様変更の判断は難しく、ケースバイケースとしか言えないわけです。
なお桜井さん自身は、生まれた課題に対して時間をかけずその場で結論を出すそうです。迷っている時間がもったいないからです。ただし正しい判断には正しい情報が要るので、分かっていることは洗いざらい把握しておく。そして相談は早ければ早いほどロスが少ない。開発は常に動いているので、判断のスピードがそのまま効率につながる、ということですね。
5. 企画書の書き方
ここからは「企画・ゲーム設計」寄りの話になりますが、応用の効く内容です。桜井さんが近年使っている企画書の体裁が、可能な範囲で公開されています。
例として登場するのが、『スマブラSP』の企画書です。パワーポイントで作られ、ほぼ全ページが同じ体裁。写真か図が1枚、文章は2行。一つの説明項目をこれだけで済ませているそうです。
ただし、ページ数自体は多く、200ページを超えています。それでも漫画のようにパッパとめくれるため、プレゼンにもさほど時間はかかりません。「企画書は薄いほうがいい」とよく言われますが、桜井さんは必ずしもそうではないと考えています。大事なのは、分かりやすいか、面白いか、内容が妥当か。密度の濃いプレゼンをテンポよく聞ければ、ページ数自体は問題ではないというわけです。
企画書には大カテゴリと小カテゴリがあり、全体の中で今どのあたりを話しているのかが分かるようになっているそうです。終わりの見えないプレゼンほど辛いものはありませんからね。
また、桜井さんは文章をただ読み上げるプレゼンはしないと言います。長い文章を画面に出して読み上げるだけのプレゼンは、聞き手をいらいらさせるからです。先に読んでしまいますからね。パッと見て分かる形にしつつ、結局は中身に何が書いてあるかが一番大事、という点も忘れてはいけないポイントです。
6. 企画は強火でザッと仕上げる
前項が企画書の「体裁」なら、こちらは企画を仕上げる「進め方」のコツです。
まず大前提として、企画書を書くときはもたもたしないこと。だらだら書いても良いことはありません。大筋を素早くまとめ、項目を書き出したら、どんどんプレゼン書類に落とし込んでいきます。
これをうまくやるには、事前の計画が物を言います。大項目・小項目の仕分けはしっかり行い、文章は長くしすぎない。そして写真を入れてイメージを補強します。一方で、企画意図をだらだら並べたり、グラフやリサーチ、プランBを用意したりするのは不要だと言います。必要だと思えることだけをシンプルに伝えるのが基本です。
ページが少なければ良いという話でもありません。一ページ一ページが適切な情報量でまとまっているかどうかが問われます。そして何より、作りたいという気持ちが高いうちに一気に書き出す勢いが大事です。遅くなるほど企画の鮮度は落ちていきます。
とは言っても、企画書には限界もあります。肝心の面白さは、意外と企画書には表れないものだからです。たとえば『モンスターハンター』は、企画レベルで言えば「モンスターを狩り、その素材で装備を作る」ゲームです。文面だけ見れば派手な新規性はなく、実際の魅力は一部しか伝わりません。つまり、ゲームの本当の面白さは「磨き込み」で生まれるということでもあります。
それでも、企画書がないところに作品はありません。お金や人を出す側が「ぜひやってみよう」と思えるよう、勢いと弾みのある企画書を出すこと。そしてもし通らなかったとしても、「相手の見る目がない」と考えてはいけない。魅力を伝える責任は、あくまで企画者自身にあるのです。
7. 苦労は忘れる、作品は残る
ゲーム開発は、思いどおりにならないコンピューターの上で、小石を一つずつ積み上げるような地道で膨大な作業の連続です。それでも続けられるのは、多くの人が遊んでくれるなら、どんな苦労も報われるという思いがあるからだということでした。
これは売れる規模の大小の話ではありません。プレイヤーが1,000人なら労力に対する効果は1,000倍、1万人なら1万倍です。ゲームに限らず、世の中の多くのものがそうやって多くの人に支えられて成り立っています。逆に、楽をするために妥協を続けると、後で必ず後悔するとも述べています。
少し意外だったのが、桜井さんが今も忘れられないという失敗談です。どんな苦労をしたかは忘れていくのに、作品でミスをした箇所はなかなか忘れられないのだそうです。たとえば『星のカービィ 夢の泉の物語』のエンディングのある場面について、「ここは画面振動ではなく画面フラッシュにすべきだった」と、今でも心に残っていると語っています。
一方で、作品は本人の想像以上に売れました。『スマブラSP』だけでも少なくとも2,900万本以上。これはオーストラリアの人口に匹敵し、スマブラ全シリーズを合わせるとイギリスの人口ほどになります。さすがにここまで来ると、苦労は消し飛んでしまうのでしょう。
ただし、これは無駄な苦労をしようという話ではありません。最大限に効率化したうえで、サービスに努めようということです。まだ見ぬ買い手に報いることを考えながら励む。苦労は終われば忘れますが、作品はずっと残ります。できる限り悔いのないようにしたいものですね。
8. ディレクターは“個”
ディレクターやゲームデザイナーを目指す人は多く、「どうすればなれるのか」という質問も絶えないそうです。ところが桜井さんいわく、有能なディレクターに共通点はあまりないとのこと。知り合いはたくさんいるけれど、それぞれがまったく違うことをしている、と言います。
それでもあえて共通点を挙げるなら、感覚が鋭く、人とは違うものを見ていることだそうです。話していると、桜井さんがまるで気づかないような見方や考えを持っている人が多い。一つのものを見るときに些細な何かを見逃さず拾ったり、人と異なる感じ方をしたりできる。映像、ゲーム性、動き、物語、人の感じ方など、あらゆる面においてです。
だからディレクターは、少しくらい変わり者であっていいと言います。ただし誤解のないように言えば、ある程度のバランス感覚も必要で、自分から発信する力も求められるとのこと。ゲームがそうであるように、ディレクターという仕事もまた、その人にしか出せない個性が問われるのです。
9. とにかくやれ!!
何かを前にしてやる気が出ず、なかなか手がつけられないことは誰にでもあります。とくに0を1にする瞬間、つまり何のとっかかりもない状態からエンジンをかけるのは、本当に難しいものです。
そこで桜井さんが示す、誰にでも使える唯一にして最大の解決法が「とにかくやれ」です。計画や文章を書くなら今すぐ書く。絵を描くならひたすら描く。出かける必要があるなら今すぐ支度して出る。やる気は後からついてくるので、まず手を動かしてしまう、というわけです。
桜井さんは断言します。自分を鍛えるのも、成功に近づくのも、結局は「手数」がものを言うと。アウトプットなくして成功なし。意味は後から考えればいいので、まずは手を動かす。タスクの見える化のような工夫も、動き出してから考えればいい話です。SNSや動画サイトの誘惑からは少し距離を置く。耳の痛い話だと感じる方も多いのではないでしょうか。
10. なぜコラムを続けられたのか
桜井さんはかつて、週刊ファミ通でコラムを連載されていました。その期間は18年9ヶ月、全640話。ゲームクリエイターによるゲーム雑誌の連載としては世界最長だろう、とのことです。
連載を始めたのはカービィシリーズの統括ディレクターを務めていた頃で、その後HAL研究所を退社する際には編集部と一悶着あったそうです。会社を辞める話を書いたら「こんなものは載せられない」と言われた、といった裏話も明かされています。開発が多忙でネタが尽きかけたこともあったものの、締め切りは守りながら連載は続いていきました。
では、なぜそれほど長く続けられたのか。理由は大きく3つ挙げられています。
- アウトプットが苦にならない。ディレクターである桜井さんにとって、何かを伝えること自体はそれほど負担ではない
- 手をかけすぎない。1回あたり1時間ほどで書き上げるので、無理がない
- 気負わない。「書かねば」「大勢が見ている」と気負わず、使命感を持たずに気楽に書く
この3つはいずれも、「ゲーム業界のために」といった使命感とは無縁です。むしろ気負いすぎると、かえって苦しくなって手が止まる。どんな仕事もある程度は気楽に考えたほうがよく、とくに習慣として続けるものは、義務ではなく楽しめる形にすることが長続きの秘訣だとのことです。
そして見逃せないのが、このファミ通コラムこそ、YouTube番組「ゲーム作るには」の前身だったという点です。コラムを書く習慣がなければ、番組を作ろうとも思わなかったかもしれないとのこと。さらにそのコラムも、オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXI』で編集者とたまたま知り合ったことがきっかけだったそうです。何がどうつながるか分からないのが面白いところですね。
第2部 プランBに頼るな・内圧を高める(#11〜#20)
第2部では、企画の進め方やチームでの意思決定など、より実践的で踏み込んだ仕事論が並びます。ゲーム開発に限らず、ものづくりや企画の仕事をする方に役立つ内容です。
11. プランBに頼るな
企画書や仕様書を書くとき、「どちらがより効率的だろう」「プログラム的に都合がいいのはどちらか」「より面白いと感じるのはどちらか」と迷うことはよくあります。両方を提示して相手に委ねたくなることもあるでしょう。
そこで企画書によく登場するのが、「○○という手もある」と両案を併記するプランBです。しかし桜井さんは、特に企画書ではプランBを書くのはやめた方がいいと言います。案の二度出しはしない。総合的に見て、自分が最も良いと思う方法を一つ選べばいいのです。
提案は後から受ければいい。「Aという手もBという手もあって……」という気持ちは分かりますが、企画書ではそれは避けるべきだ、ということでした。理想的な仕様は必ず一つあり、そこに対して費用対効果のために軌道修正をする。その程度で十分だと言います。そのためには、チーム内から提案が多く出て、それに耳を貸すことも必要になってきます。
企画者は、理想的だと思える仕様を書く。問題があったらチームで解決案を検討する。結果的にB案に戻ることもあり得ますが、企画者が最初から責任を持って考え抜いた一手を出し続けることが大事です。これは経験を積むのにも有効だと言います。企画は骨組み、屋台骨です。あちこちにとげず、ビシッと筋の通ったものにすべきだ、とのこと。
12. 価値観の幹と枝先
「考え方はいろいろある」という大前提のうえでの話ですが、桜井さんは「人は多様だが、若い頃にはその差が少ないかもしれない」と言います。
ひと口に「ゲームをする人」とまとめても、やっていることは多岐にわたります。家庭用パッケージを買い続ける人、特定のソーシャルゲームだけをする人、対戦型FPSで競い合う人、VRで世界に没入する人、健康維持のためにプレイする人、MMORPGで仲間と会う人、PCでインディー系を遊びまくる人。同じゲームファンでも、その本質はまるで違うのです。
ファミコンの時代は、現代に比べればみんな同じようなものをプレイしていました。それが、価値観の多様化とともに枝分かれのように広がり、それぞれ好きなところに落ち着いていきます。
ここで桜井さんは、任天堂作品がなぜよく売れるのかという問いに触れます。クオリティの高さはもちろんですが、ハードや技術の最先端というわけではない。理由の一つに、若年層にヒットしているという要素があるのではないか、と。
人は成長するうちに、経験や出会い、きっかけによって価値観が枝分かれしていきます。枝分かれした先は当然、先細りしていく。しかし枝分かれする前、幹の部分は太い。若年層はこの幹にいると考えればよく、多様性が生じる前のマーケットは太いのです。そしてその頃に経験したものは、次の世代にも引き継がれていくのかもしれません。
これは「任天堂が売れる理由」を断定する話ではなく(理由はもっと多くあります)、広がる価値観の中でゲーム制作でどこを狙うのかを、自分の好き嫌いではなく俯瞰して意識すべき、という話です。普遍的なものや王道、シリーズ作がヒットしやすいのも、人が形成してきた価値観に添いやすいからかもしれません。
もちろん、枝の先にある市場は狭いものの、その先の人たちだけが熱狂的に楽しめる可能性もあります。「みんなで幹を狙おう」という話ではなく、意識すればターゲティングもできる、というお話です。
13. インプットもアウトプットも太く
良い仕事をするためには、インプットとアウトプットの両方を太くすることが不可欠だと感じているそうです。インプットは外から受ける刺激、アウトプットは自分から出す出力。これらを習慣づけ、当たり前のようにすることをすすめています。
桜井さんのインプットは、他のゲームや映像作品を楽しむことが中心です。とにかく多くのタイトルをプレイする。忙しくて手がつけられないこともありますが、それでもプレイはする。1本をずっと遊ぶより、より多くのタイトルに触れるようにする。ただしエンディングまで見ることは目指さないそうです。今のゲームの規模感を把握し、それに負けないようにするためです。
アウトプットは、自分からの発信です。週刊ファミ通での18年9ヶ月の連載、開発現場の日報での情報提供、Twitterで公開していた「今日の1枚」(開発中のスクリーンショット)、そしてこの番組。どれもアウトプットの習慣の一例です。
たくさん取り込み、たくさん出す。どちらも活発にしたほうが良い仕事ができそうです。ただし、インプットの形は人によって様々で、無理にゲームをする必要はありません。同じものを見ても、いろいろなものを感じて反芻するだけでもだいぶ違います。右から左に流して終わるようなことがないようにしたいところですね。
14. 内圧をカンカンに高める
もしあなたが企画書など、0から何かを作り始めているなら、桜井さんは途中で絶対に人に話さないことをすすめます。我慢して、心のうちにある企画をひたすら書き続けるのです。これは「内圧」という考え方で、桜井さん自身が信じて実践しているものです。
内圧とは、風船を膨らますような、外へ広がろうとする圧力のこと。たとえとしては圧力釜のほうが近いかもしれません。企画は頭の中でどんどん膨らませていくものですが、人は人に話すことで満足してしまう。つまり、話すことで圧が抜け、中身の力も抜けてしまうのです。
ブレインストーミングのように、集団で案を出し合う手法があることも理解しています。しかし、企画を書くには力が必要です。「やりたい」「やろう」という気持ちが、企画書に圧を感じさせる。誰にも言わず我慢して書き上げた仕様書のほうが、熱量が高いことと思います。もし相談が必要なら、それは企画書にまとめてからでいい。まずは自分自身に向き合いながら打ち込んでみてはいかがでしょうか。
これはSNSにも言えます。ネタの内容や仕事の進捗をSNSに出してガス抜きするのは避けたほうがいい、とのこと。まずグッと我慢して内圧を育て、その勢いを仕事にぶつける。発表する相手がどう思うかを想像しながら作るのもおすすめだ、とのことです。お客さんのリアクションや感動ポイントを想像することで、より頑張れると思います。
15. 無意味な多数決
企画や仕様で意見が分かれたとき、多数決に頼りたくなりますが、これはなるべくやめたほうがいいということでした。作品づくりにおいて、多数決は本質的に意味がないからです。
多数決は民主的で、多くの人が望むことなら正解だと思ってしまいがちです。しかし作品についてはそうではありません。企画時に多くの人が否定的に捉えた仕様が、実際に作ってみたら面白かった、ということはざらにあります。
桜井さんが聞いた話では、『メタルギアソリッド3』で「怪我をして、それを治す」という企画が立てられたとき、スタッフ内で賛成した人はたったの4人だったそうです。完成版をプレイした人なら、その面白さは理解できるはずです。
多数決で上がってくるものは、一番無難なもの。つまり平凡だということです。チーム運営についてはそれが一番良いこともありますが、ゲームや作品の内容については、ディレクターなど核になる人が責任を持って独断で決めたほうが良いことが多いと言います。
ただし、決定権を持つ人にはバランス感覚も求められます。根拠が薄いまま不条理なことを言い続ける人だと、ただの困った独裁者になってしまう。責任者が正しい判断をするには正しい情報が必要なので、スタッフは問題点や解決策の候補を洗いざらい話すと良いですね。
ちなみに桜井さんも、チーム内で時々多数決を取ることはあるそうです。『スマブラ』のMiiファイターのメイド服デザインで、本人はAかBかと思っていたところ、余興としてスタッフに多数決を取ってみたとのこと。製品になったのはAですが、ディレクター判断でソックスだけは白くしたそうです。肌の明度を大きく変えたほうが、動きがよく見えるからですね。
16. 暗示の力
中学生の頃、足が遅かった桜井さんが、いきなり一等を取ったことがあるそうです。その方法は、競争における必勝法になり得るかもしれません。
まずスタートラインにつき、構える。そのとき、ものすごく恐ろしいものが後ろから高速で追ってくると暗示をかける。桜井さんの場合、高さ3メートル以上の、すり潰すための回転装置が満載された重機のようなものを想像したそうです。スタートの合図とともに全力でダッシュし、足が削り取られそうな距離まで迫られながら必死に逃げる。そうしたら、いつの間にかゴールテープを切っていた、という結論です。逃げ足は速い、というわけですね。
バカバカしいと思われるかもしれません。桜井さん自身もそう思うそうです。しかし、暗示の力は侮れません。何をやるにしても心構えは大事ですが、ポイントは方向です。単に目標に向かうのではなく、締め切りや終わりが後ろから迫ってくると考えるほうが、割と効果があると言います。
何かの仕事をするなら、「いつでも着地していい」と思うより、「あと何時間で終わらせなければならない」とするほうが、実際に早く済むものです。桜井さんが中学生の頃、ビリだったときは自分の影を追うような走りをしていたそうですが、それではダメ。人や状況によって効果は全然違うので半分は余談ですが、「何かへ向かう」暗示よりも「何かから逃げる」暗示のほうが効果的かもしれない、というお話でした。
17. コンセプトは貫くもの
ゲーム制作は、一般的に長く続きます。長期に及ぶ開発に疲れてきて、どの部分がどう面白いのか分からなくなってくることも実際にあるでしょう。だけど、最初に考えたコンセプトは、絶対に曲げないことが大事だ、とのことです。いつでも見失わないように、と言ったほうがいいかもしれません。
企画を立てるとき、当然ながら何らかのコンセプトを考えます。噛み砕いて言えば、「相手を吹き飛ばす楽しさ」「立体的なシナリオ構成で深い物語を見せる」「真っすぐな道をただ突き抜ける爽快感」といったもの。つまりコンセプトとは、ゲームの魅力を方向づける核のことです。
作ったゲームが想定と外れてきたからといって、途中で方向を変えるのはおすすめできません。コンセプトは灯台のともしびのようなものです。嵐が来ても闇に溶けても、その方向を目指すことだけは常に守るべき。でないと迷走し、一度迷ったらさらに深みにはまってしまうのです。
開発を進めながら、偶発的にできた面白さに従って柔軟に調整するという方法もあります。そのほうが割と一般的かもしれません。スクラップ&ビルドという方法もありますね。だけどそれは、多くの制作素材を無駄にする可能性がある。たとえば、あるアーティストやプログラマーが数ヶ月かけて作った成果を捨てることになりかねません。コストもかかり、スタッフのモチベーションも下がります。少なくともディレクターが灯台のともしびを明確に見えるようになるまでは、プロジェクトを進めるべきではないとさえ言います。
正直なところ、新規プロジェクトは作ってみないとスタッフに魅力が分からないことが多いそうです。いくら企画書で面白さを説いても、それだけでゲームの良さが分かるわけではない。「完成した後に、やっとやりたいことが分かった」と言われたこともあるとか。だからこそ、少なくともディレクターは、最初に決めた方向を迷いなく進める。まっすぐ進められれば、スタッフが作ってくれるリソースをフル活用できるのです。
18. 競争と豊穣
これもいろいろな仕事に当てはまる話です。事実として、ゲームを作りたい人はとても多い。世界中で生まれるゲームだけでも数えきれないほどあり、ゲーム作りに携わる人はもっと多い。
少し厳しい言い方になりますが、桜井さんはこう言います。もしゲーム作りをしていて、やめたいと思っているのなら、遠慮なく身を引いてもいい。1人くらいやめたところで、ゲームを作りたい人は山ほどいる。望むと望まざるとにかかわらず、いろんな人やチームとの激しい競争が起こっています。とりわけゲームはプレイに時間がかかるものが多いので、プレイヤーの時間の奪い合いになっているのです。
自分が面白いと思うゲームを作るのは結構なこと。ですが商業として出す以上は、競争が起こっていることを意識しなければなりません。しかも現在の最新作だけでなく、過去に生まれた作品とも競争になっている。特にサブスクリプションでは、必然的に過去作品との戦いになってしまいます。
一方で、プレイヤーやお客さんの立場に立てば、これほど幸せなことはありません。いろんな人がたくさんゲームを作ってくれて、好きなものを選んで遊べる。なんていい時代だろう、とのこと。ゲームを遊べるのは、作ってくれる人がいるからです。
桜井さんはゲーム制作の困難をよく知っているので、多くのゲームソフトに感謝していると言います。普段使っているものやサービスは、すべて思う以上に労力がかかっている。その労力をこんな値段で楽しめていいのか、と常々思うそうです。ゲームを作る人は、他のゲームを遊んで面白かったこと・感動したことから作り手の道に踏み込んだ人が多いはず。誰かが苦しみながら作ったものは、別の誰かを喜ばせる。競争がありながらも、楽しい世界が作られているということは、意識してみると良いのではないでしょうか。
19. 言ったことはそうなっていく
言葉の力を侮ってはいけない、とのことです。桜井さんは「言ったことはそのようになっていく」と言います。
もちろん「明日は必ず雨が降る」「オリンピック選手になれる」と言っても意味はありません。ですが、たとえばネガティブなこと、「お金がどんどんなくなる」「仕事をしても意味がない」「毎日が面白くない」といったことを口に出したり、SNSに載せたりするたびに、実際にそうなっていくものだと考えているそうです。逆に、ポジティブなことを口にしていれば運気は回ってくるのかもしれません。
……と、運勢のように話すと、いささか胡散臭く聞こえますよね。桜井さん本人もそう認めています。言いたいのはそういうことではなく、言ったことや考えたことが、自分の姿勢を作るということです。目に見えず、効果のほどが分からないだけに、なかなか侮れません。
面白いのは、これはネガティブな精神が悪い、という話ではないという点です。むしろネガティブを持ってもOK。「ポジティブに行きましょうね」という話ではないのです。ある意味、ポジティブなだけよりも、ネガティブは積極性が出るチャンスかもしれません。「仕事に意味がない」と思うなら、より良い仕事をする方法とは何かを考える。「毎日が面白くない」なら、もっと変わったことはできないかと考える。具体的な方向性を持った燃料になりやすいのです。
自分が話した方向に、自分が転がっていく。何かに打ち込む際は、「俺はまだまだやれる」という気合いの入れ方もありだと思います。前項の暗示の話にも通じますが、結局は動いたもの勝ち。「行く」「やる」「出る」と口にしていれば、何かしら前に進む方向に動いていくものです。
20. エコーチェンバー
エコーチェンバーとは、もともと「残響室」のこと。音を出すとその音が反響し、エコーやリバーブのように返ってくる部屋です。これが転じて、SNSなどで自己補強が起こる現象の呼び名になっています。
たとえば、何かの意見をSNSにあげる。すると、その意見に同意する人が多く出てくる。それにより「自分の主張は正しい」と自己補強してしまう。実際には同意しない人も、別の意見の人も、反対する人もいるのに、自分から見た世界は同意一色になり、「自分は正しいのだ」と肯定される。閉じた世界で、他の意見や見解を受け入れられなくなってしまうのです。
これが進むと、解決すべき点が見えにくくなることもあるし、他の人に迷惑をかけることもあるかもしれません。ゲームの企画や評価においても起こりがちで、日常茶飯事と言ってもいいでしょう。
桜井さんは、この話題についてこう問いかけます。「私の主張は、つまり何でしょうか」。作ったゲームをもっと公平な目で見ようと訴えたいのか、それとも反対されるのが嫌で、自己弁護のためにこの話をしているのか。どう考えたとしても、同意できる意見だけを取り入れると、それ自体がエコーチェンバーにつながるというわけです。
なお、桜井さんの今回の話は事実を淡々と述べただけで、どちらでもないとのこと。ただ、エコーチェンバーが制作物に影響を与えることはあり得ます。丸くなるのか尖るのかは分かりませんが、客観視ができないと、バランスの悪いものになるのは間違いありません。
とはいえ、ゲーム制作の場合は思いっきり偏った方向に舵を取るのも、それはそれで愉快かもしれません。人に流されるよりはずっといい。スタッフから問題点を聞いたり、柔軟に状況に合わせたりすることは大事ですが、特定の方向に打ち出した個性は、他には代えがたい力を持つこともあります。何にせよ、最終的にバランスを取ることが大切。エコーチェンバーには気をつけたいですね。
第3部 アイデアの出し方・絶対にケンカするな(#21〜#23)
このカテゴリも今回で3本目、最後の3テーマです。アイデアの出し方と、チームでの人間関係という、ゲーム開発に限らず誰にでも役立つ話が中心になっています。
21. アイデアが出ないとき
何らかのアイデアを出さなければならないのに、どうしても出てこない。そんなとき、あなたはどうするでしょうか。「あえて寝る」という考え方もありますが、桜井さんの場合は、それでも考えて考えて、なんとか絞り出すことが多いそうです。その発想法を、話半分にでも紹介してくれています。
まず、問題のテーマを何らかの形で定義します。シンプルなもので構いません。あくまで例えですが、「とある廃墟で火を消す方法」としてみます。
次に、頭の中でひたすら試行錯誤を繰り返します。水でもみ消す。近くに水がないからダメだ。空気を遮断する。遮断できないからダメだ。砂を被せる。砂もなさそうだが、土ならいけるか。爆発で消す。周囲への被害が大きすぎる。バケツを被せる。火は小さくないが、大きなバケツならいけるかも。
こうして、いくつものパターンに糸口を見つけていきます。「土ならいけるかも」「大きなバケツなら」といった細い糸口をなるべく見逃さず、さらに掘り下げていく。連想を止めないことが大事です。実現性が低くても、とにかく出すことが優先。手数勝負で、取捨選択をするのは後です。
こうすれば、少なくとも「アイデアが出ない」と頭を抱える状態からは脱出できますし、より良い改善策も見えてきます。自分の頭の中のことなら誰も聞いていませんから、余談のように広く網をかけると、何らかのアイデアを引き出せるかもしれません。
ポイントは、最初に「問題のテーマ」があることです。何もないところから考えるから、とっかかりを失う。何が問題なのかを踏まえてから、解決の方法へ近づけていくことをおすすめします。
22. 絶対にケンカするな
ゲーム開発は、たいていチームで仕事をします。派遣的な働き方の方は言うまでもなく、そうでなくても、自分や誰かが所属を変えて入れ替わっていくのは日常的なことです。
そこで気をつけなければならないのが、今いる人は、将来も同じ業界で仕事をしているかもしれないということ。チームメンバーと喧嘩したり、迷惑をかけたり、後を濁して去っていったりすると、数年後にまったく関係ないプロジェクトで合流する、なんてこともあります。この業界は、思っているよりも狭いのです。
だから喧嘩はしてはいけないし、人のことを悪く言うのもなし。相手を敵にすれば、その相手は自分への悪評を持つことになり、自分の居場所がなくなります。業界を降りるのでもなければ、そうした振る舞いはおおむね必ず自分のところに返ってきます。
桜井さんのところには、たまに別のディレクターから「桜井さんのところで働いていた○○さんが面接に来ているけど、どうなの」と相談が来ることもあるそうです。そんなとき、答えに困ることもある。もちろん悪口は言わず、人は守るそうですが。
とはいえ桜井さんは、「大人なんだから我慢しましょう」とは言いません。ストレートに思っていることを返すのが、プラスに働くことも多いからです。ただし、仕事の空気感は自分が作ると思ったほうがいい。嫌な人や相性の悪い人もいるでしょうが、逆に、何も問題のない人に支えられていることが見えていないだけかもしれません。
空気が合わないところから離れるのはOK。建設的な意見をストレートに出すのもOK。でも、いずれ自分に返ってくるから、人を悪いと思うのはやめよう、ということですね。
23. 上は下なり、下は上なり
チームや仕事仲間は、一つの目標に邁進するための協力体制であるべきだ、という考えだそうです。これはコラムにも書いた、桜井さんが心として大事にしている考えだそうです。
ディレクターやプロデューサー、リーダーは、チーム内で周囲のスタッフより偉いわけではありません。人に何かをお願いし、作品を完成まで持っていくという立場であるだけで、他のスタッフと高さは変わらない。むしろ、何かをしようと最初に提案する人は、人の協力がなければ何もできないのです。
作業の流れとしては、ディレクターは確かに最上流です。指示という意味では、上から下へ流れます。だけど実際には、スタッフにお願いをして仕事をしていただくわけですから、下から上でもあるのです。
これは、お客さんとメーカーの関係を考えると分かりやすいと言います。メーカーがお客さんに「作ったから買って」と言うのではなく、お客さんがメーカーに「買ってあげる」。流通の流れではお客さんが下流ですが、選択権や対価という意味では上流にあたる。王様はメーカーではなく、お客さんなのです。
スタッフが会社に雇用されているなら、会社そのものに従う義務はありますが、均等に雇われている中での上下などありません。ディレクターでもスタッフでも、尊大になる必要も卑屈になる必要もない。立場が上だからといって横柄なお客さんは嫌われますよね。立場がどうであれ、横柄な態度は人として嫌われます。だから上司だろうとリーダーだろうと、周囲への敬意は必要です。
チーム内の人々がすべきなのは、協力しながらより良い完成を目指すこと。チームの人たちはすべて仲間で、たまに争うことがあっても敵ではありません。
ちなみに桜井さんは、基本的に名前にはさん付け、丁寧語を使うそうです。年下で入ってきたばかりの新人でも同じ。逆に、対外的なメールでもあまりへりくだった表現はしないかもしれない、とのこと。「上は下なり、下は上なり」。特にリーダーやディレクターの立場の方は、覚えておきたい言葉です。
まとめ
ここまで「仕事の姿勢」カテゴリの全3本・23テーマを見てきました。最後に、各部(=元のまとめ動画)の要点を、個別テーマごとに振り返っておきます。
第1部 遊びの仕事は遊びじゃない・企画書の書き方(#01〜#10)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 01 | 遊びの仕事は遊びじゃない | 作る理由は「好きだから」でなく「最も得意だから」。金が絡めばプロ、需要に器用に応じる |
| 02 | プレゼンはスピード | プレゼンはスピード。限られた時間を濃密にテンポよく。長文の読み上げは× |
| 03 | お客さんに説明できるの? | 「それをプレイヤーに説明して回るの?」常に遊び手目線で。制作側の事情は関係ない |
| 04 | 仕様を変えること | 「面白くないから変える」は避け、問題は気づいたら即口に出す。その場で結論を出す |
| 05 | 企画書の書き方 | 図1枚+文2行が基本。ページ数より中身。スマブラSPの企画書は200ページ超 |
| 06 | 企画は強火でザッと仕上げる | もたつかず、作りたい熱が高いうちに一気に書き出す。面白さは磨き込みで生む |
| 07 | 苦労は忘れる、作品は残る | 苦労は忘れ作品は残る。妥協は後悔に。効率化した上でサービスを尽くす |
| 08 | ディレクターは“個” | 有能なディレクターに共通点はない。その人にしか出せない個性が問われる |
| 09 | とにかくやれ!! | やる気は後からついてくる。結局は手数。SNSの誘惑と距離を置き0を1にする |
| 10 | なぜコラムを続けられたのか | ファミ通コラムを18年9ヶ月640話。気負わず手をかけすぎず。これが本番組の前身 |
第2部 プランBに頼るな・内圧を高める(#11〜#20)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 11 | プランBに頼るな | 企画書にプランB(両案併記)は書かない。理想の一手を出し、費用対効果で軌道修正する |
| 12 | 価値観の幹と枝先 | 同じファンでも本質は様々。好き嫌いでなく俯瞰して、狙う層を意識する |
| 13 | インプットもアウトプットも太く | 取り込みと出力の両方を太く。右から左に流さない(ただしクリアまでは目指さない) |
| 14 | 内圧をカンカンに高める | 完成まで人に話さない。話すと満足してしまう。内圧を育て、その勢いをぶつける |
| 15 | 無意味な多数決 | 作品作りに多数決は無意味(賛成は4人だった)。核になる人が責任を持って独断で決める |
| 16 | 暗示の力 | 暗示は侮れない。「追われる」逃げる暗示が効く。締切が後ろから迫ると考える |
| 17 | コンセプトは貫くもの | 最初のコンセプトは曲げない。迷うと深みにはまり、制作素材も無駄になる |
| 18 | 競争と豊穣 | 時間の奪い合いで過去作とも競争。誰かが苦しんで作ったものが別の誰かを喜ばせる |
| 19 | 言ったことはそうなっていく | 言ったこと・考えたことが姿勢を作る。前向きな言葉は具体的な燃料になる |
| 20 | エコーチェンバー | 同意できる意見だけ取り入れると反響室に。閉じず他の見解も受け入れる |
第3部 アイデアの出し方・絶対にケンカするな(#21〜#23)
| # | テーマ | 要点 |
|---|---|---|
| 21 | アイデアが出ないとき | まず問題のテーマを定義する。連想を止めず、質より量でとにかく出す |
| 22 | 絶対にケンカするな | 業界は狭く、敵を作ると悪評が返り居場所を失う。空気は自分が作る |
| 23 | 上は下なり、下は上なり | 立場は相互(上は下なり)。提案する人ほど協力が要る。王様はお客さん |
ボリュームはありますが、気になった部から読み返してもらえればと思います。関連するカテゴリもあわせてどうぞ。












